リーダーはmilk girlにご執心
※連載「Uno croce nera...」のヒロイン
※裏
※怪しい薬=媚薬ではありません、注意!







「はい、お待たせ〜」


全員が集まるリビング。

そこにキッチンから戻ってきたメローネの、軽やかな声色が響き渡る。


お盆を持った彼は、多くがエスプレッソという中で、唯一白い――ホットミルクをソファにちょこんと座った名前に手渡した。



「ん、いい香り……ありがとうございます、メローネさん」


「あはは、プレーゴプレーゴ。それにしてもさ、名前のその可愛いお尻は、もう少し肉を付けたほうがベリッシモイイ安産型に――」


「メローネ。お前はこっちだ」


最後のカップが自分から放れ、手が空いたことによってすぐさま彼女の隣をゲットしようとする男。どうやら渡す順番にも意味があったらしい。

だが、少女のセ○ムとして名高いリゾットがその所業を許すはずもなく、メローネは背後から首根っこを鋭く掴まれてしまう。



「グエッ……ぶー、なんだよリーダー。オレはあんたが名前を独り占めしまくるせいで、名前不足なんだッ! オレも名前にもっとハアハアしたい! 陶器のように滑らかで柔い肌を舐めずり回したい! あと名前とのベイビィも作りたい! だからこの手を離してくれ!」


「そこまで宣言されて、むしろお前を野放しにする愚かな奴がいるのか? 名前は断じて渡さん。妙な劣情を抱いた時点で、即メタリカだ」



真顔で放たれる、容赦ないアジト内条例。

反対は当然認められず、「恐怖政治! リーダーのイケズ!」と叫ぶ変態。


ちなみに、全員がこの家の健気な紅一点を独占するリーダーに対し、ずるいと少なからず感じているのは事実だった。


一方、思いもしなかったセクハラで居た堪れなさそうな名前に、目前の口論には我関せずといった年長組二人が話しかける。



「ったく、ほんとしょうがねェな〜……名前も、嫌なときはちゃんと≪No≫ってはっきり言えよ? じゃねェと、あっつー間に食われちまうぜ?」


「だな。名前……あの黒目がち絶倫野郎に愛想を尽かしたら、遠慮せずにオレの部屋へ来い。毎晩毎晩、骨の髄まで甘く溶かしちまうぐらいお前の心も身体も、慰めてやるから」


「……は、はい……、あれ?」


「名前! プロシュートの口車に乗せられちゃダメだって! ヤることリーダーとあんま変わってないから!」



慌てて口を挟んだイルーゾォ。

すると、もう一つ勃発した言い争いに目を丸くしながらも、「関わんねェ方がよさそうだぜ?」と肩を竦めたホルマジオに言われたことで、彼女は両手に収まったホットミルクをちびちびと飲み進めるしかなかった。


「んっんっ……、美味しい」



その上下する白い喉を一瞥して、メローネがニヤリと口端を吊り上げていたとは知らずに。







「んー……おかしいなあ」



時は変わり、午後十時頃のこと。

一糸纏わぬ姿の少女はシャワーを浴びつつ、夕方から感じていた胸の張りに首をかしげていた。


脳内を過ぎる、前兆という名の一つの候補。



「(もしかして、生理前? でも、この前来たばかりだし……)」


解明しない不可解な現象。

とりあえず、このままでは辛いので解してみよう――うん、と微かに頷き自己完結した名前が、小さな手のひらでそっと己の左胸を下から包み上げてみる。

そして、柔らかな膨らみを囲む五指に力を込めた、その瞬間だった。



ピュルッ


「ぁっ……、え」



突如目の前の壁に飛び散った水っぽい白濁液。

視線をそれからゆっくりと――得体の知れない何かが溢れ出したように見えた胸の頂きへと戻す。


「え……ええっ?」



あまりの驚きで、思わず彼女は左手で口元を覆った。

謎の体液。その正体はおそらく≪母乳≫だ。


わけもわからないまま、「まさか右胸も……?」と掠める不安。

スッと手のひらを横に移動させ、恐る恐る力ませる指先。



ピュルルッ



「ふあっ、ん……ッひ、ぁあっ!」



すると、再び胸の飾りから壁に向かってミルクが噴き出ると同時に、いつもとは比べ物にならないほどの快感がゾクゾクと少女の背筋を駆け上ってくる。

放たれれば放たれるほど、色が濃くなっていく白濁液。


シャワーの湯によって上気した頬と、滲む婀娜やかな吐息。


「っぁ、あんっ、やだ……どうして、っ」



図らずとも、まるで自分が疚しいことをしているような――心を責める背徳感。

とは言え、このままずっと浴室に篭っているわけにも行かない。



「〜〜っえっと……と、とにかく」


いつ漏れ出るかすらわからない、予測不可能の白い体液がパジャマを濡らさないよう可愛らしいブラジャーを身に着ける。そして全身を整え、なんとか応急処置を済ませた名前は、きょろきょろと周りを見渡しながら小走りで部屋へと向かった。







「た、ただいま戻りました……っ」


「ああ、おかえり……、名前? どうしたんだ、そんなに慌てて」


「え? あ……」



部屋に響いた控えめな声に微笑ましく思いつつ、彼女を振り返った途端目を瞠るリゾット。

その心配を交えた視線の先にある、己の濡れ髪にハッと息をのむ。


そう、普段ならばある程度髪を乾かしてから、戻ってくるのだ(とは言っても、そのしっとりとした黒髪は少女の色香をより助長させ、結局は男の刺激剤になるのだが)。



「ご、ごめんなさい。少しボーッとしてて」


「……待っていろ」



何か思うところがあったのか、ベッドから立ち上がり、すれ違いざまに名前の頭をなでて彼は出て行ってしまった。

今も残る優しい手つきの感触に、ポッと頬を彼女は赤らめる。



「(リゾットさんの手、やっぱり安心しちゃうな……私の方が一応年上のはず、なのに)……って、今はそれよりこっちをどうしよう……」


小さく寄せられる眉根。

できることなら一人で、穏便に収拾をつけたい。

しかし、その計画はすぐさま崩れ去ることになった。


リゾットが、洗面所からドライヤーを手に戻ってきたのだ。



「り、リゾットさん! ごめんなさい、わざわざ良かったのに……っ」


「それはダメだ。今日は少し冷える……湯冷めをしたら困るだろう」



滅多に風邪を引かない少女だが、もし引いたとしてもいつか治るだろうと基本楽観的だった。


だが、それさえも絶対に容認しない彼の過保護っぷりに、名前は唇を尖らせながらも嬉しさと照れ臭さにはにかむ。




「……もう。心配性ですね、リゾットさんは……でも、ありがとうございます」



かち合う赤と紅。胸に広がる幸せに頬を緩ませた男は、ベッドの脇へ座ると同時に今も立ち尽くす彼女を手招きした。



「名前、おいで。ここに座るんだ」


「え、あの、リゾットさん……? 私自分で――」


「ほら」


有無を言わせない眼差し、声音、大きな手のひら。

それらに誘われるがまま近付いた少女は、何度経験しても慣れないのか、おずおずとリゾットの両足の間に腰を下ろす。


すると、独特の風音に遅れて、温風が髪を覆い尽くした。



「ん……」


彼の左手が流れる黒髪をそっと梳いていく。

もたらされるすべてが、ずいぶん浴びることの出来ていない陽射しのように温かく、心地がよい。



「……えへへ」


自然と漏れる笑み。

こちらを後ろから覗き込んでくる男。


その「どうした?」と言いたげな深い色の双眸を、名前はじっと見つめ返しながら口を開いた。



「ふふっ、いえ……なんだかリゾットさんという飼い主さんに、優しくお世話されている気分になっちゃって」


「! ≪飼い主≫、≪お世話≫……か。……名前がそれらの単語を呟くと、どうもいかがわしい響きを孕むな」


「っ、もう! どうしてそういう発想に至っちゃうんですか……!」


「どうしてと言われても、オレは感想を述べただけなんだが」



顔を紅潮させて怒った様子を窺わせる彼女に、リゾットは首をかしげつつドライヤーを止める。

そして次の瞬間、すぐさま退こうとベッドを立つ少女を今度は真向かいになるよう抱き寄せ、流れるような動きでその唖然とした薄紅色の唇を奪った。



「んっ、ふ……りぞ、とさ……ぁ、んん……!」


「名前……」


ねっとりと舐られる口内。

器用な彼の舌先によって刺激される上顎、舌下、頬の粘膜。

空気を求め、隙間のできた口端から淫らに伝う飲み込めない唾液。



「はぁ、はぁっ……ふッ……ん、ぁっ」


「……はッ、……名前、好きだ」


「! ぁ、はふ、っん……ぁっ、はぁ、っわた、しも……んッ」


惹かれるまま、引き寄せられるように視線を想いと共に絡ませ、微笑み合う。


だが、自分が太腿に跨っていることも忘れ、恋焦がれてやまない人と築ける幸せに浸っていた名前は、ふと胸部が捉えた無骨な手にハッと我に返った。



「だっ、だだだダメです……!」


「!?」



一方で、ほんの一瞬だけ逞しい胸板を押し返されたこと――つまり彼女からの拒絶に呆然としていたものの、偶然触れた指先によってある違和感を察知した男。


「風呂上がりにも下着を付けているのか……珍しいな」


「ッ!」


「……名前、何を隠している」



じとり。

言い逃れは許さない眼光。

残念ながら身体も、背中と腰に回った両腕でしっかりと捕まえられている。


もう隠し通せない――いや、そもそもリゾットに対する隠し事は今までほぼ失敗に終わっていた。



「えと、あのっ……わ、私……!」


「ん?」









「む、胸からミルクが、出るようになっちゃったみたい、です」








しばらくの沈黙。


ようやく少女からの告白を脳の中枢に送り届けた彼は、いち早く確認したいことがあった。



「名前……妊娠、したのか?」


「!? えっ、そ、それは違うと……思います」


「……そうか」



愛しくてたまらない名前との新しい生命。言うまでもなく嬉しい。

しかし、他人の命によって生計を立てる自分はその命を尊ぶことが本当にできるのか――と、突然途方もない不安が襲った。


喜びと憂い。複雑さを帯びた表情を、彼女はただただ見上げ続ける。

そして、不意にリゾットの少し冷たい両頬を自分の手で包んだ。



「リゾットさん。私は貴方とゆっくり……たとえ半歩ずつでも進んでいけたらな……って、このどうか手から抜け落ちてほしくない幸せの中で、ひしひしと感じているんです」


「! 名前……」


「っ//////(うう、伝えられたのはいいけど、すごく恥ずかしい……)あ、あとですね。そもそも母乳というのは出産後が多かったような気がするんですが」


「……ふむ。確かにそうかもしれない」



少女の優しい言葉で切り替わってしまう己に自嘲しながら、彼は今目の前にある問題について考え込む。

日頃の行いから判断すると、おそらくメローネの仕業だろう。


しかし、男はあえてその事実を口にはしなかった。



「名前」


なぜなら、≪名前をもっと感じていたい≫という出来心がリゾットの胸中に生まれたからである。



「これは……かなり言いにくいことなんだが」


「? はい」


「……母乳というのは体外に出さなければならない。乳腺に溜めすぎると身体に悪いからな」


「え……!?」


明らかに揺れる深紅の瞳。もちろん、医学的に嘘ではないものの、やけに饒舌になった所以は動揺と高揚感が影響したと言わざるをえない。


一方名前も、たとえ自分が≪不死≫と呼べる存在であったとしても、健康体の方が当然喜ばしい。

なんとか彼の腕の中から抜け出し、おろおろ声で憂いを込めた音を紡ぎ出す。



「ど、どうしようっ……ああああの! 私もう一回シャワー浴びてきますっ!(おかしな気分になっちゃうけど、我慢して全部出さなきゃ……!)」



あの快感を忘れるために頭を振りつつ、ひどく狼狽えている少女。


部屋の扉を一瞥した彼女は、タッとそちらへすぐさま駆け出そうとした、が。



「待て。わざわざ浴室に行く必要はない」


「きゃっ!? ……り、リゾット、さん?」


すかさず名前の細腕を引き、もう一度自分の上に跨らせる。


きょとんとした表情。

可愛い――彼女のそれを目に焼き付けながら、男は己の目論見を言い放った。



「自分では図らずとも遠慮してしまうだろう。オレが処置する」


「え? な、何言って――ひぁ!?」


「……下着も、少し湿っているのか」



プチ

プチ


片手で少女の腰を支え、もう片方の手でパジャマのボタンを外してしまったリゾット。


そして、偶然フロントホックだったこともあり、容易く露になるマシュマロのように柔らかで豊かな膨らみ。



「っダメ、今触っちゃ……ぁっ、リゾ、トさっ……ん、はぁ、だめぇ、っ!」


「なるほど……確かに少し乳房が張っているな」



ふるんと目の前で揺蕩うそれを、まずは右手で左胸から揉みしだいていく。

手のひらの中で歪な形を作る豊乳。


ぐにゅぐにゅとしたその不規則な動きに、名前は抗うことも忘れただ息を荒げることしかできない。



「ぁっぁっ、やだ……っソコいじらな、でぇ! ひぅっ、はッ……ぁ、ぁあんっ」


「名前、いつも以上に反応が過敏だが、まさか感じやすくなっているのか? 赤く腫れた乳頭を指先でこうして弄るたびに、身体が跳ねるぞ」


「ッ、ぁ……そ、じゃな、ぁん……やっ、出ちゃ……っ出ちゃ……ひぁっ、ぁあ!」


「ん?」


灼熱に照らされたように熱くなる身体の芯。

子宮に走る電流。

刹那、彼女が背中を小さく反らしたことで、張り詰めていた乳房が小刻みに震え――



ビュルッ


「!」



先端から母乳が勢いよく飛び出し、弧を描いた。

はあはあと息を乱す少女を前に、しばらく瞠目していたリゾットだったが、己の手に付着したミルクを名前に示すように舐めとり始める。



「ん……甘いな」


「! はぁっ、はぁ……いや、ぁ/////」


その色っぽさに、ますます赤らむ顔。

一方、彼女にもはや離れる気力はないと悟った彼は、腰に添えていた手をおもむろに右胸へ寄せた。


再び始まった、敏感な頂きを集中的に虐める愛撫。


「ぁ、らめ……っりぞ、とさん、っ……ぁっあっ、ん……ひゃうっ!」



いやいやと言いたげに、先程乾かした美しい黒髪を左右へ振り乱す少女。

しかし、こちらを見つめる名前の表情はどこまでも淫靡で――口端を吊り上げた男は、薄紅に染まった頬をゆるりとなでる。



「ふ……いやらしい顔をして。母乳を噴き出すことにも快感を覚えたのか?」


「ッ! やら……ぁ、っちが……!」


「違う? 可愛い嘘を吐くんじゃあない……それに、実際授乳のときはどうするんだ。今のように啼いて……赤ん坊にはまったくそんな邪心はないんだぞ?」



少しばかり責めるような表現に、彼女は恥ずかしさに急かされるように首を横へ振った。


とは言え、相手は加虐欲の強いリゾットである。

快楽に浮かされた潤む瞳を見据えたまま、彼は二つの膨らみをバラバラに攻め立てていく。



「ひゃあ!? ぁっ、ぁっ……また、っん、ぁ……っひぁあん!」


ピュプッ

ピュッ


男の手に広がる白濁液。



「ん、っあ……らめ、っい、ぱい出ちゃ……やら、ぁっ!」


それが止まることはなく、強い刺激に比例して溢れてくる。

キリがない――内心でそう判断したリゾットは、おもむろに小さな突起を咥えた。



「!? や……リゾッ、トさ……あんっ! 吸っちゃ、ぁっぁっ……、ぁあッ」


「……出すたびにどんどん甘く、濃くなっていくぞ」


「〜〜っ言わな、でぇ///////」




肩を押し戻そうとする少女の細っこい両手首をしっかり掴み、唇と舌だけで体液に塗れた乳首を丁寧にしゃぶる。

蠢く舌先が時折掠める、まさに母乳を分泌する入口。

名前がただただ抜け出せない官能に喘いでいると、不意に近くにあったはずの吐息が離れた。



「む、先から溢れてしまった……」


「! あん……っは、はぁ……ぁっ、わきば、ら舐めちゃ、っやら、ぁ!」



すると、透き通った肌を伝っていくミルクを追うように、ゆっくりと這わされる舌。

皮膚とそれが擦れ合うだけで、思いもしない快感をもたらす。


ビクビクと跳ねる滑らかな肢体。


そして、ある瞬間なんの気なしに視線を落とした彼は、映り込んだ思わぬ光景にふっと笑った。



「どうした? オレの足の上で、擦りつけるように腰を揺らして……秘部が切なくてたまらないのか?」


「へ……? あ、やっ……やらっ……ちが、違うの、ぉっ」


「違わないだろう。オレは名前が触れられれば触れられるほど、淫乱な子になると知っている」


「ひぅっ、ぁ……いんらっ、じゃな……ぁっ、ひ、ぁあああ!」



刹那、グイッと左右の乳房を中央に寄せられたかと思えば、二つの飾りを上唇と下唇に挟まれる。


どちらか、ではなく交互に舌でチロチロと嬲られ、自ずと揺らしてしまう腰。

甲高い嬌声を漏らしながら、彼女はいつもの≪感覚≫をすでに捉えていた。



「はっ、はぁ……や、ダメ……っん、ぁ……わたし、イっちゃ……っぁ」


「ふ……構わない。イっていいんだ」


「ぁっぁっ、あ……でもっ、ぁん……ひぁ、っはぁ……はっ、ぁ、やっ、ぁあああ!?」


押し寄せる痺れ。

惜しげもなく晒される白い喉元。

次の瞬間、男は口内に広がった甘い液体を味わう。


一方で、さすがに胸ばかりを攻めるつもりはないと言うかのように、息絶え絶えの少女を優しくベッドへ組み敷くリゾット。

そして名前の腰元から下肢を覆うズボンとショーツを瞬く間に剥ぎ取り、こちらも愛撫を重ねようと膝裏を抱え上げた矢先――そっと両手が制止をかけるが如く伸びてきた。



「……、名前?」


もしかすると、調子に乗りすぎてしまったのだろうか。

心を支配する焦り。


ところが、彼女が抱えていたのは、彼の想像したものとは正反対の想いだったのである。



「あの……、リゾットさん、の……ぁっ、もう、ください……っ」


「! ……まったく、なぜそうオレを刺激するようなことを言うんだ」



少女にしては珍しく、性急なおねだり。

その可憐さの中に秘めた艶めかしさは、もちろん起爆剤にならないはずもなく。


「ぁ……っはぁ、りぞっとさ……んっ」



少し離れた場所で布の擦れる音が聞こえた途端、再び抱き寄せられる身体。

名前が縋り付くように男の首へ腕を回せば、チュッと短めの口付けが二人を繋ぐ。


穏やかな笑みを浮かべたリゾットは、両手で彼女のしなやかな腰を支え、自分の天井を向く性器の先と割れ目を重ね合わせた。


「はぁ、はぁっ、ぁ……」


「……ゆっくり、落とすからな?」


「っ、はい……んっ、ぁっぁっ、ひぁ、っぁああん!」


「く……ッ」


陰裂を押し拡げ、捩じ込まれていく男根。

だが、まるで待ちわびていたかのように、それをヒクヒクと少女の小さな膣は受け入れていく。


さらに、彼が目の前の乳房を再び揉みしだき始めれば、悦びに呼応するように両胸の先から噴き出す母乳。


「ぁっ、あっ、はぁっ……りぞ、とさ……っ、またれちゃ、ぁあ!」



熟れた肉襞と肉棒が摩擦を生み、ズンッという深く鈍い音が根元まで埋め込まれたことによって頻繁に響いた。

すると、その都度こちらに飛び散る白濁液に、男がわざと嘲るように囁く。


「ッ、名前……最奥の狭い所を突かれるたびに、ミルクを噴き出しているじゃあないか。いつの間にか恥骨側の弱点だけでなく、子宮口も好きになったんだな」


「ひゃんっ、ぁ……だ、って……ふあっ、ぁ、らって……リゾ、ットさ、が……ぁっ、いっぱいいじめる、からぁ!」



つまり、調教の賜物だった。


とは言え、自らそう告げていると快感に翻弄されていることで気付かない名前に、愛くるしさで目を細める。

激しくなる下からの律動。


「ぁあ!? やっ、ぁ……んっ、はぁっ、いきなり……しな、っでぇ……!」


グチュンパチュンといった普段の水音に重なる、体液が上下に揺れる胸の頂きから溢れる音。



「名前……名前、ッく……」


収縮する膣壁を何度も行き来しつつ、時折思い出したかのように陰核を弄った。

そして、リゾットは彼女の薄らと脈が浮かぶ首筋から鎖骨にかけて独占欲の強さを示す、紅い華を咲かせていく。



「ぁっ、ぁっぁっ、……はぁ、っはぁ……ぁ、っ!」


それすら刺激になるのか、腰をいやらしくくねらせる少女。

火照る柔肌。

徐々に這い上がってくる強い快感。


絶頂は、迫っていた。



「やらぁっ、ん……りぞ、とさっ、ぁ……私、わたしっ、あん……みるく、出してイっひゃ……ぁ、ぁ、ひぁっ、ぁあああんッ!」


「名前……、くッ」



ビュクビュクと体内に溢れる感触に、酔いしれる。




しばらくして、さまざまな香りが残るベッドに寝そべった二人。

すると、あることに目が向いた彼がぽつりと呟いた。


「止まったの、か?」


「あ……えと、そうみたいです……(よかったあ)」


ホッと安堵する名前。

だが、次の瞬間――



「……まあ、少し寂しい気持ちもあるが」


「なッ……何言ってるんですか!」


「羞恥で顔を赤らめながらも、新しい快感を享受する君も可愛くてたまらない……という意味で冗談半分、本音半分だ。だが、先程までのことが続けば生活にも支障を来たしていただろう……戻ってよかった」


「……もう、っ///////」



一瞬眉を吊り上げたものの、すぐさま予想もしないことを男は言うのだから、彼女は大体のことを帳消しにしてしまう。

――甘いとはよく自覚している。


そんな少女の葛藤をオーラで感じ取ったのか、頭を撫でようと胸部付近にあった腕を持ち上げた刹那。




ピュルッ



「あんっ! …………え?」


「……」


もう一度顔を出した刺激。

漂う沈黙。それを裂くかのように、彼は音を紡ぎ出す。



「搾乳再開、か」


「!? ちょ、ちょっと待ってくださ――」


「名前……心配せずとも元に戻るまではもちろん、実際こういった状況にいつかなるであろう≪とき≫も、オレがフォローする。だから安心してくれ」



いやむしろ安心できない――その言葉は、喉から出た喘ぎ声に取って代わられてしまった。





そして、一室に響き渡る、肉と肉がぶつかり合う生々しい音。



「ぁっ、らめ、らめぇっ! んっ、ぁ……りぞっ、とさ、のせー、えき……も、入らな、っぁ、っぁ、ぁああんッ!」



薄闇の中で淫らな嬌声と共に、最後の一滴が最奥でドクドクと放たれる。


「ふ……。ようやく母乳は出なくなったようだが、今度は名前の胎内が別の≪ミルク≫でいっぱいになったな」


「!?!? 〜〜っリゾットさんの、ばか、ぁ……!」



どこまでも嬉しそうに、天然(セクハラ)発言をするリゾットの隠された下心に名前が気が付いたのは、すでに母乳が止まってから数時間経った――夜明けの頃の話だったらしい。









リーダーはmilk girlにご執心
甘い甘い――築く二人の時間。




〜おまけ〜



いつもと同じ理由――≪愛おしい故にやりすぎてしまった≫。そう確かに自覚し、反省している。

ソファに座り、珍しく眉尻を下げた男が隣を見つめれば、反対側でそっぽを向く少女が。


その距離、1.5メートル。



「名前、すまない……途中から……いや、実は最初から君と目交いたいと思っていたことは認める。本当にすまない……、頼む……どうかオレと目を合わせてくれないか? そして、口も利いてくれないか?」


「……、……(つーん)」


名前もまた、珍しく怒っていた。

確かに夜のあの行為は、喜びと快感がある上にリゾットへの気持ちもますます深まるが、自分にだって限度はある。


「名前……」


「(つーんっ)」


「……(おろおろ)」



――リゾットさんのばかばか! やっぱり教えてもらった通り≪とんでもない絶倫≫さんだ……っ!

彼女は自身ができる最大の罵倒を、必死に心の中で繰り返していた(ちなみに、「ああいうのを、絶倫って言うんだぜ」と伝えたのは、プロシュートである)。


すると、そんな少女にメローネがいつも通りの胡散臭い笑顔で近付く。



「やあ、名前。今日もこれでよかったよね?」


そう言って差し出されたのは、昨日も飲んだホットミルク。



「あ、ありがとうございま――」


柔らかな笑みでお礼を述べ、白いカップを受け取った瞬間――両手からそれが消えた。

咄嗟のことにきょとんとしたものの、とりあえず隣に視線を移すと、


「(ゴクゴクゴク)」


「え……リゾットさん……?」



彼が代物を飲み干していた。

そして、何を言うでもなく立ち上がった男は、そのままキッチンへと赴いてしまう。


当然名前が呆気に取られていると、「あちゃー」と口遊むメローネ。



「あーあ、リーダーが飲んじゃったんだね。これはこれで別の意味でヤバそうだ」


「!? め、メローネさんっ、今のホットミルクには何が入っていたんですか!?」


「ん? ああ、昨日名前が飲んだのと≪同じモノ≫」


「同じ、モノ? ……!(まさかあのミルクっ)」



事態の発端をようやく悟り、彼女はサーッと青ざめる。

さらに、狼狽える表情に対しにやにやしながら、男は追い打ちをかけるように言葉を連ねた。



「もうわかった? つまり≪ミルク≫はリーダーの場合、あの一物から出るわけだ。しかも男ってのはシないとディ・モールト溜まっていくからねえ……ここで我慢を強いられたら、いつか≪そのタンクが爆発する≫かもね」


「っ!?!? ……そ、そんな」



一方少女を守りたい一心でホットミルクを飲み、片付けていたリゾットはリビングへ戻ってきた。

すると、泣きべそをかいた名前が駆け寄ってくるではないか。


その姿にギョッとすると同時に、彼の過保護が発動する。



「名前!? メローネにまた何かされたのかッ!? 待っていろ、すぐに――」


「リゾットさん……!」


「ッ?」



先程まで少女の中で燻っていたはずの小さな怒りは、心配に埋め尽くされ、もはや跡形もない。

勢いよく腹部に抱きつけば、少しばかり困惑した瞳と目が合い、彼女は声の限りに想いを紡いでいた。



「……ごめんなさい。リゾットさんの……が、爆発しちゃうかもしれないなんて知らなくて……! 私……私、≪接触禁止なんてしません≫からっ、普段のリゾットさんのままでいてください……!」


浮かぶクエスチョンマーク。


だが、いつの間にか許してもらったらしい。

うるうるとこちらを見上げる名前を、強く抱きしめ返した男は、ほんのり赤い耳元で静かに囁く。



「(爆発? のことはよくわからないが……よかった、口を利いてくれて。だが、普段のオレのままということは、つまり)……名前、部屋に戻ろう」


「っ(コクン)」



連れ立って出ていく二人。

明らかに二つの≪誤解≫が生じている。

これでいいのか――とぼんやり思ったのは、今まですべてを傍観してきたギアッチョである。



「オイ、メローネ。テメー、いったい何仕込んだんだよ。……というより、デマ言ってんじゃねえぞ。そもそも≪男のアレ≫は爆発なんかしねえし、古くなった奴は身体に吸収されるんだろオオオ? ボケが!」


「あはは、やっぱあの話が通用するのは純粋無垢で、人畜無害な名前だけだね……ちなみに、今日のアレ≪は≫、普通のホットミルクだけど」


「はア!?」



つまり――彼女はまた騙されてしまったらしい。

バチコンとウインクをかますメローネを無視しながら、男の口から飛び出るのは舌打ち。


「(チッ、ウゼェ……つーかアイツも、名前ももっとこの変態野郎を疑えよなアア……だから放っておけねえんだよ、クソがッ)」



クシャリと新聞にシワを刻みながら、遠くで鮮明に聞こえた扉が閉まる音にギアッチョは人知れず深いため息をついたのだった。











長らくお待たせいたしました!
リーダーで、メローネに怪しい薬を飲まされ、母乳が出るようになってしまった連ヒロちゃんとの裏でした。
リクエストありがとうございました!
新しい裏の方向性に「これなんてエロゲ」と息を切らしながら、書かせていただいた次第です……いかがでしたでしょうか?(マニアックな裏、場合によりますが結構好きなのでry)


感想&手直しのご希望がございましたら、clapや〒へお願いいたします!
Grazie mille!!
polka



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