※ヒロイン=妹分
※裏
私、名前はいつも不満に思っていることがありました。
「あ、プロシュート兄貴! 今から出かけるんですかっ?」
「ああ、そうだ。だが……名前はここで大人しくしてろ」
「えー!?」
そう、これ。
ペッシ先輩は基本連れてくのに、兄貴は私を仲間外れにするのです!
「どうして!? 私、兄貴とデートしたいよ!」
「バカ野郎。オレらは別に遊びに行ってんじゃあねえ、そんぐらい見極めろ。だからお前は、いつまで経ってもマンモーナなんだよ」
「……う〜っ!」
「あ、兄貴! その辺にしましょうぜ!」
今にも説教を始めそうな兄貴を止めてくれる先輩。
嬉しい。すごく嬉しいけど、その分羨ましさ百倍!
「ぺ、ペッシ先輩の……ばかっ」
「え!? ちょ、名前!?」
「ハン、ほっとけ。行くぞ」
そう言って出ていく兄貴。
全然こっちを見てくれなくて――ちくりと心が痛い。
私だって、好きでワガママを言ってるわけじゃないのに。
「(兄貴のバカ、バーカ! 胸元開けすぎ罪で訴えられろ!)」
「あ……えっと、お土産買ってくるから!」
おろおろしながらペッシ先輩が、玄関を開けて走り去る。
先輩も、先輩だ。
私がお土産で釣られるわけ――――今日は、できればドーナツがいいなあ。
「やあ、名前! なんだかイライラしてるみたいだけど、月一のアレ?」
「サイッテー。違います! 歩く18禁のメローネには関係ないっ」
今日も兄貴の引き留め作戦に失敗して、ソファでふて寝する日々。
そんなとき、いつも現れるのが変態マスクの異名をとる、メローネだ。
「ふーん。ま、大方プロシュートのことだろうけどな」
「えッ!?」
な、なななんで知って!
そんな顔をたぶんしていたんだと、思う。
「え、まさか隠し通せてると思ってたワケ? みんな……リーダーでさえも知ってるぜ」
「り、リーダーまで!?」
あの、THE・鈍感男で知られるリーダーにまで気付かれてたなんて……。
ん?
そこで気になることが一つ。
周知ってことは――
「メローネ」
「んー?」
「あの……兄貴にも、バレちゃってるのかな? 私が……兄貴のこと好きって」
気付かれてるのなら、恥ずかしすぎる。
それに――何も反応がないってことは、望み薄なんだよね、うん。
「さあ?」
「さあ、って……」
「オレに聞くより、本人に直接聞いた方がいいと思うけどな」
「! む、無理だよ!」
平然と言ってのけるメローネ。
そんなこと、できてたら苦労しません!
「無理、ねえ……じゃあ一生、プロシュートの子分止まりでいるつもりか?」
「……!」
グサリ。隣に座る彼の言葉が、鋭く胸に刺さった。
「子分のまま……」
兄貴は厳しいけど、すごく優しい。
いつも私の前に立って、導いてくれるし――
でも。
「兄貴が、女の人と一緒だとつらい」
≪子分≫であることが、嫌なときもあるんだ。
思わず俯くと、ポンと頭に手が乗せられた。
「……ベネ。正直が一番だよ」
「メローネは、欲に対して素直になりすぎてる気がするけど」
「あははっ、お褒めの言葉グラッツェ! そうと決まれば、告白だな!」
「別に褒めてな……っ!? え////」
告白!?
「ん? それ以外何があるんだよ。まさか……あのプロシュートを襲う気か!? イイ! ディモールト・ベネ!」
「ひ、一人で勝手に盛り上がらないで! そ……そりゃ、告白する……つもり、だけど」
突然すぎない?
顔に集まる熱。それを冷ますために、一生懸命手で扇ぐ。
あと、はい・いいえ以前の問題で、もし告白自体を失敗しちゃったらって思うと……あ。
「そうだ、メローネ! 今暇だよね? よかったら、練習台になって!」
「オレ? んー、名前に告白されたら、押し倒す自信しかないけど、それでいいなら――」
「その前にハッ倒すから大丈夫」
苦笑を漏らすメローネを横目に、たたずまいを整える。
よし、なんだか頑張れる気がしてきた!
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※裏
私、名前はいつも不満に思っていることがありました。
「あ、プロシュート兄貴! 今から出かけるんですかっ?」
「ああ、そうだ。だが……名前はここで大人しくしてろ」
「えー!?」
そう、これ。
ペッシ先輩は基本連れてくのに、兄貴は私を仲間外れにするのです!
「どうして!? 私、兄貴とデートしたいよ!」
「バカ野郎。オレらは別に遊びに行ってんじゃあねえ、そんぐらい見極めろ。だからお前は、いつまで経ってもマンモーナなんだよ」
「……う〜っ!」
「あ、兄貴! その辺にしましょうぜ!」
今にも説教を始めそうな兄貴を止めてくれる先輩。
嬉しい。すごく嬉しいけど、その分羨ましさ百倍!
「ぺ、ペッシ先輩の……ばかっ」
「え!? ちょ、名前!?」
「ハン、ほっとけ。行くぞ」
そう言って出ていく兄貴。
全然こっちを見てくれなくて――ちくりと心が痛い。
私だって、好きでワガママを言ってるわけじゃないのに。
「(兄貴のバカ、バーカ! 胸元開けすぎ罪で訴えられろ!)」
「あ……えっと、お土産買ってくるから!」
おろおろしながらペッシ先輩が、玄関を開けて走り去る。
先輩も、先輩だ。
私がお土産で釣られるわけ――――今日は、できればドーナツがいいなあ。
「やあ、名前! なんだかイライラしてるみたいだけど、月一のアレ?」
「サイッテー。違います! 歩く18禁のメローネには関係ないっ」
今日も兄貴の引き留め作戦に失敗して、ソファでふて寝する日々。
そんなとき、いつも現れるのが変態マスクの異名をとる、メローネだ。
「ふーん。ま、大方プロシュートのことだろうけどな」
「えッ!?」
な、なななんで知って!
そんな顔をたぶんしていたんだと、思う。
「え、まさか隠し通せてると思ってたワケ? みんな……リーダーでさえも知ってるぜ」
「り、リーダーまで!?」
あの、THE・鈍感男で知られるリーダーにまで気付かれてたなんて……。
ん?
そこで気になることが一つ。
周知ってことは――
「メローネ」
「んー?」
「あの……兄貴にも、バレちゃってるのかな? 私が……兄貴のこと好きって」
気付かれてるのなら、恥ずかしすぎる。
それに――何も反応がないってことは、望み薄なんだよね、うん。
「さあ?」
「さあ、って……」
「オレに聞くより、本人に直接聞いた方がいいと思うけどな」
「! む、無理だよ!」
平然と言ってのけるメローネ。
そんなこと、できてたら苦労しません!
「無理、ねえ……じゃあ一生、プロシュートの子分止まりでいるつもりか?」
「……!」
グサリ。隣に座る彼の言葉が、鋭く胸に刺さった。
「子分のまま……」
兄貴は厳しいけど、すごく優しい。
いつも私の前に立って、導いてくれるし――
でも。
「兄貴が、女の人と一緒だとつらい」
≪子分≫であることが、嫌なときもあるんだ。
思わず俯くと、ポンと頭に手が乗せられた。
「……ベネ。正直が一番だよ」
「メローネは、欲に対して素直になりすぎてる気がするけど」
「あははっ、お褒めの言葉グラッツェ! そうと決まれば、告白だな!」
「別に褒めてな……っ!? え////」
告白!?
「ん? それ以外何があるんだよ。まさか……あのプロシュートを襲う気か!? イイ! ディモールト・ベネ!」
「ひ、一人で勝手に盛り上がらないで! そ……そりゃ、告白する……つもり、だけど」
突然すぎない?
顔に集まる熱。それを冷ますために、一生懸命手で扇ぐ。
あと、はい・いいえ以前の問題で、もし告白自体を失敗しちゃったらって思うと……あ。
「そうだ、メローネ! 今暇だよね? よかったら、練習台になって!」
「オレ? んー、名前に告白されたら、押し倒す自信しかないけど、それでいいなら――」
「その前にハッ倒すから大丈夫」
苦笑を漏らすメローネを横目に、たたずまいを整える。
よし、なんだか頑張れる気がしてきた!
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