03

「は、ぁ……はぁっ、え?」


その行動に、わけがわからず目をぱちくりさせる名前。

ひどく動揺している彼女を見下ろしつつ、リゾットは性器を奥へ埋めたまま静かに口を開いた。


「名前。一つ約束をしてほしい」


「やくそ、く?」


「そうだ。これから、オレと二人きりのときは、口調を改めろ」



つまり、男装をやめるということ。

しかし、長年貫き通してきたことをそんなすぐには変えられない――自身の身体より熱い男のモノを確かに膣内で捉えながら、名前は懸命に首を横へ振った。



「ぁっ、そん、なのッ! すぐにできるわけ、ねえよ……!」


「そうか。わかった」


「……?」



案外あっさりしている。

コクリと頷いた彼に、呆気なさを感じつつ、見上げたままでいると――




ズンッ


「ひあっ!?」


突然訪れた、子宮を揺さぶる刺激。



しかし、それは一度のみでリゾットは再び静止してしまう。


「は、ぁっ……なんでっ」


「……お前が頷き、改めるまではこのままということだ」



あくまで余裕そうに話す男。


彼も快感に堪えているはずだ。それなのに自分だけ――悔しさに奥歯を噛みしめた名前は、涙目のまま彼を睨み上げる。



「っ、いいじゃねえか! そもそも、≪私≫なんて似合わな――や、あっ!?」



また、だ。

焦らすような動きに、物足りなさを感じて収縮してしまう膣内。


しかし、リゾットがもう動くことはない。



「やってみなければわからないだろう。それに、名前は名前であるということは、オレも理解している」


「! ならっ、俺は俺だって言ってくれんなら、それで……あんッ、やあ!?」


「ふっ……今のだと、二回突くことになるな」



鬼畜だ。予想はしていたが、リーダーはかなりサドだ。




イきたい。

ゾクゾクと押し寄せる快感。


――やだ。負けるみたいで……いやだ!



だが、心とは裏腹に身体は――特に子宮は疼くばかり。



「……どうする?」


「は、っ……はぁっ……」


「名前」


「……わか、った。言う……わたしって言うから、ぁ!」




限界だった。


悔しい。ひどく悔しいが――叫んだ瞬間、綻んだリゾットの顔にそんな感情は飛んで行ってしまった。



「……いい子だな、ッ」


優しい声色とともに貫かれる最奥。

その熱さ、鋭さに――名前は悲鳴に近い喘ぎ声を上げる。



「ひぁああっ! あっ、ぁっ……いきなり、すぎ、ぃい!」


「っは、望んでいただろう? くッ」


「ぁ、ちがっ……ちが、やああっ!?」



肉と肉がぶつかり合う音が部屋を支配する。


焦らされた分だけ強い快感に、自然と肢体が震え――




「はあっ、や、やだ……ッぁ、ダメっ……わたしイっちゃ、ぁああっ!」


「……ッ、く」



びくりびくりと伝わる甘い痺れ。


気が付けば、風邪をひいていることも忘れていた。









「〜〜っ最悪!」


「……そんなに嫌だったのか。オレに抱かれるのが」


「だッ!? ……い、いやじゃねー……いやじゃ、ないけど」



朝っぱらから、自分はいったい何をされているのだろうか。

隣で寝そべるリゾットの胸板を叩きながら、口調を直そうとしているのか、もごもごと呟く名前。


そんな素直じゃない姿に苦笑を漏らした彼は、おもむろに右手を彼女の額へと伸ばした。



「! な、なんだよ」


「いや……熱が下がったようでよかった」



おそらく、床にある水も温くなってしまっているだろう。


ふっと口元を緩めたリゾットとその逞しい身体に、今更ながら恥ずかしさを覚えた名前は、慌てて彼から背を向けた。



「名前?」


「……、う」


「ん?」


「〜〜っ、ありがとうって言ってんの! リーダーが見捨てないって言ってくれたとき、嬉しかったから」



熱は下がったはずだが、顔だけがとても熱い。


どうしようもない感情に下唇を噛みつつ、名前はTシャツを取るためベッドから抜け出そうとした、が。


「まあ待て」




ツー


「ひぁっ!?」


背筋をそっと指でなぞられる。




そのくすぐったさに、彼女は勢いよく後ろを振り返った。


「な、ななな何して……っ////」


「互いに今日は仕事もないんだ。そう急ぐ必要はないだろう」


「っ、だからって……わ!?」


「黙って言うことを聞け」



腕を強く引かれ、リゾットの胸へと倒れ込んでしまう。


トクントクンと刻まれる心臓の音に、名前はますます顔を真っ赤にした。



「〜〜わかった! わかったから離し――」


「ああ、それでいい(さらにぎゅう)」


「ッ、ぎゃああああああ!?」



どうやら、彼はこの羞恥から抜け出すことをなかなか許してくれないらしい。










暴かれた秘密と、
――生まれた二人の秘密。





〜おまけ〜



「ところで、リーダー。どうして、リーダーの前だけで口調を改めなきゃいけないんだ?」


「……皆に真相を話すつもりなのか?」


「いや、自分から話す気はないけど……もうバレてもいいかなって」


「…………」


「あ、あのリーダー? なんかいつもより怖い顔になって――」


「ダメだ。隠し通せ」


「え!? なんで」


「名前が女だと気付いたら、狙う奴も出てくるだろう(特に色魔二人)」


「……狙われないと思うけど」


「それに、名前をこうして食べるのはオレだけでいい」


「!? え、リーダー? ちょ、どこ触って……ぎゃああっ!?」



終わり







お待たせいたしました!
リーダーと男装ヒロインの裏でした!
なかなか新しいタイプだったので、楽しく書かせてもらいました。リクエスト、ありがとうございました。
リーダーは相変わらずというか、なんというか……でしたが(笑)


感想&手直しのご希望などございしたら、clapにお願いいたします。
Grazie mille!!
polka



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