「は、ぁ……はぁっ、え?」
その行動に、わけがわからず目をぱちくりさせる名前。
ひどく動揺している彼女を見下ろしつつ、リゾットは性器を奥へ埋めたまま静かに口を開いた。
「名前。一つ約束をしてほしい」
「やくそ、く?」
「そうだ。これから、オレと二人きりのときは、口調を改めろ」
つまり、男装をやめるということ。
しかし、長年貫き通してきたことをそんなすぐには変えられない――自身の身体より熱い男のモノを確かに膣内で捉えながら、名前は懸命に首を横へ振った。
「ぁっ、そん、なのッ! すぐにできるわけ、ねえよ……!」
「そうか。わかった」
「……?」
案外あっさりしている。
コクリと頷いた彼に、呆気なさを感じつつ、見上げたままでいると――
ズンッ
「ひあっ!?」
突然訪れた、子宮を揺さぶる刺激。
しかし、それは一度のみでリゾットは再び静止してしまう。
「は、ぁっ……なんでっ」
「……お前が頷き、改めるまではこのままということだ」
あくまで余裕そうに話す男。
彼も快感に堪えているはずだ。それなのに自分だけ――悔しさに奥歯を噛みしめた名前は、涙目のまま彼を睨み上げる。
「っ、いいじゃねえか! そもそも、≪私≫なんて似合わな――や、あっ!?」
また、だ。
焦らすような動きに、物足りなさを感じて収縮してしまう膣内。
しかし、リゾットがもう動くことはない。
「やってみなければわからないだろう。それに、名前は名前であるということは、オレも理解している」
「! ならっ、俺は俺だって言ってくれんなら、それで……あんッ、やあ!?」
「ふっ……今のだと、二回突くことになるな」
鬼畜だ。予想はしていたが、リーダーはかなりサドだ。
イきたい。
ゾクゾクと押し寄せる快感。
――やだ。負けるみたいで……いやだ!
だが、心とは裏腹に身体は――特に子宮は疼くばかり。
「……どうする?」
「は、っ……はぁっ……」
「名前」
「……わか、った。言う……わたしって言うから、ぁ!」
限界だった。
悔しい。ひどく悔しいが――叫んだ瞬間、綻んだリゾットの顔にそんな感情は飛んで行ってしまった。
「……いい子だな、ッ」
優しい声色とともに貫かれる最奥。
その熱さ、鋭さに――名前は悲鳴に近い喘ぎ声を上げる。
「ひぁああっ! あっ、ぁっ……いきなり、すぎ、ぃい!」
「っは、望んでいただろう? くッ」
「ぁ、ちがっ……ちが、やああっ!?」
肉と肉がぶつかり合う音が部屋を支配する。
焦らされた分だけ強い快感に、自然と肢体が震え――
「はあっ、や、やだ……ッぁ、ダメっ……わたしイっちゃ、ぁああっ!」
「……ッ、く」
びくりびくりと伝わる甘い痺れ。
気が付けば、風邪をひいていることも忘れていた。
「〜〜っ最悪!」
「……そんなに嫌だったのか。オレに抱かれるのが」
「だッ!? ……い、いやじゃねー……いやじゃ、ないけど」
朝っぱらから、自分はいったい何をされているのだろうか。
隣で寝そべるリゾットの胸板を叩きながら、口調を直そうとしているのか、もごもごと呟く名前。
そんな素直じゃない姿に苦笑を漏らした彼は、おもむろに右手を彼女の額へと伸ばした。
「! な、なんだよ」
「いや……熱が下がったようでよかった」
おそらく、床にある水も温くなってしまっているだろう。
ふっと口元を緩めたリゾットとその逞しい身体に、今更ながら恥ずかしさを覚えた名前は、慌てて彼から背を向けた。
「名前?」
「……、う」
「ん?」
「〜〜っ、ありがとうって言ってんの! リーダーが見捨てないって言ってくれたとき、嬉しかったから」
熱は下がったはずだが、顔だけがとても熱い。
どうしようもない感情に下唇を噛みつつ、名前はTシャツを取るためベッドから抜け出そうとした、が。
「まあ待て」
ツー
「ひぁっ!?」
背筋をそっと指でなぞられる。
そのくすぐったさに、彼女は勢いよく後ろを振り返った。
「な、ななな何して……っ////」
「互いに今日は仕事もないんだ。そう急ぐ必要はないだろう」
「っ、だからって……わ!?」
「黙って言うことを聞け」
腕を強く引かれ、リゾットの胸へと倒れ込んでしまう。
トクントクンと刻まれる心臓の音に、名前はますます顔を真っ赤にした。
「〜〜わかった! わかったから離し――」
「ああ、それでいい(さらにぎゅう)」
「ッ、ぎゃああああああ!?」
どうやら、彼はこの羞恥から抜け出すことをなかなか許してくれないらしい。
暴かれた秘密と、
――生まれた二人の秘密。
〜おまけ〜
「ところで、リーダー。どうして、リーダーの前だけで口調を改めなきゃいけないんだ?」
「……皆に真相を話すつもりなのか?」
「いや、自分から話す気はないけど……もうバレてもいいかなって」
「…………」
「あ、あのリーダー? なんかいつもより怖い顔になって――」
「ダメだ。隠し通せ」
「え!? なんで」
「名前が女だと気付いたら、狙う奴も出てくるだろう(特に色魔二人)」
「……狙われないと思うけど」
「それに、名前をこうして食べるのはオレだけでいい」
「!? え、リーダー? ちょ、どこ触って……ぎゃああっ!?」
終わり
![](http://img.mobilerz.net/sozai/1616_w.gif)
お待たせいたしました!
リーダーと男装ヒロインの裏でした!
なかなか新しいタイプだったので、楽しく書かせてもらいました。リクエスト、ありがとうございました。
リーダーは相変わらずというか、なんというか……でしたが(笑)
感想&手直しのご希望などございしたら、clapにお願いいたします。
Grazie mille!!
polka
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