02


「ん、……あ?」



胸が捉えた違和感。


それに薄らと瞼を開けた名前は、視界を覆うリゾットにギョッと目を見開いた。


――どうして、リーダーがこっちを見下ろしてるんだ?



自分は確か、仰向けで寝たはず――そこまで考えて、名前はなぜか寒さを感じ身体を震わせる。


――寒ッ! あ、そうか……風邪ひいてるから寒く……え。


納得しかけて、違うと思った。


寒いのは――上半身だけだ。



「……」


鋭い視線を浴びながら、そろりと目を己の身体に向けて、




「!?!?」


直接映る肌色に、名前は絶句した。



「り……リーダー?」


「……」



布を巻いていない身体。


バレたのだろうか。


でも≪上≫だけなら間に合う――ますますだるくなっているのにもかかわらず、名前はカッと目を開いて用意していた≪言い訳≫を口にした。



「す、すげえだろ! 俺のこの……≪胸筋≫!!」


「……胸筋?」


「そう! 胸筋!」



無理があると言うのはわかっている。


それでも――チームから外されたくはなかった。




赤い顔でへらへらと笑う名前。


あくまで≪男≫を突き通すつもりらしい。



それならば――リゾットにもある策があった。




「そうか。筋肉と言うなら……触れても構わないな?」


「え……ぁ、っ!?」



ムニ


胸から走った痺れ。

全身を駆け巡ったそれに、名前は大きく目を見開き、キッと男を睨み上げた。



「な、何すんだよッ!? 筋肉だからって、揉んでいいわけじゃ……んっ」


「揉んでいるのではない。オレはただ、≪確認≫しているだけだ」


「ッ、屁理屈はやめ、ぁ!?」



グニグニ

もはやこれが筋肉ではない――日頃鍛えているリゾットならすでに理解しているはずなのに、名前の胸を揉みしだく手を止めることはしない。



それもそのはず。



これは、≪お仕置き≫なのだ。


名前が性別を隠していたことへの。



そして、これまで心の奥で抑えてきた自分の気持ちを、弄んだことへの――




「……ココが硬くなってきたようだが、どうした」


「ひ、ッ……はぁっ、そんなわけ……あっ!」


「嘘を重ねれば、お前がつらいだけだぞ、名前」



指で捏ねくり回され始める、赤く色づいた突起。


――違う。感じてなんかない……今は、熱が出てるから……!



風邪を口実にして止めてもらおう――少しだけ開いた唇から吐息を漏らしながら、名前はリゾットを見上げた、が。



「ッ」


赤い瞳。その中に潜むのは――劣情。



めったにそういった感情を向けられる機会のなかった名前は、ありありと見える男のそれに息をのんだ。


「ん、ぁ……リー、ダー……っは、頼むから、やめ――」


「なぜやめる必要がある」


「!? っそれ、は……俺、体調不良だし……熱も、あるし」


「ふむ、熱か」








「運動をすれば、熱も下がるだろう」


「――」



何を、言っているのだろうか。

放たれた言葉を理解できず、名前が朦朧とする頭を必死に動かしていると――短パンにかけられる彼の手。


「! 待っ――」


しかし、彼女の制止もむなしく、リゾットは容赦なくズボンを引きずりおろした。

そこから現れた≪下着≫に、淡々と言葉を紡ぎ出す。


「そろそろ諦めたらどうだ。オレに、男を抱く趣味はない」


「っ」


「……やむを得ないか」


「ひ!?」



無言で首を横に振る名前。


彼女の頑固さにため息をついた彼は、男にしてはかなり細い腰を持ち上げ、するりと下着を取り去ってしまった。



「ぁ、やめっ……やめろよ……ッ!」


「お前の秘部はやめてほしそうにないが」


「……ひぁっ!?」



――くそ……風邪でさえなければ、押しのけられんのに……!


花弁をそっとなぞる指。

そこから届いた水音に、名前はひどく驚いた。



「ッ、は……リーダーっ、ぁ」


「意地を張るな。オレは……女だからと言ってお前を見捨てたりしない」


「!」


慌ててリゾットへ視線を向ければ、相変わらず真顔のまま。


だが、その声色はやけに優しくて――



「ぁっ!?」


「だから、正直になれ」



グチュリ。膣内が捉えた指の感触。

自分の秘部は、自然と男を受け入れていた。



「はっ、や、ぁ……しょうじ、きってわからな……ああっ」


「……委ねればいい」


「ゆだ……っひぁ、ソコは……ソコは――」


「陰核が、そんなにいいのか?」



中指でナカを掻き回し、親指と人差し指でその上の突起を弄る。

その両方に刺激を与えれば、名前の腰が微かに震え始めた。



「はぁっ、は、っ……そんな、いじられたらッ」


「……それもそうだな」


「んんっ……、ぇ?」



迎え始めていた絶頂。

目を瞑り、その快感に堪えていた名前は、圧迫感をなくした膣内にそっと瞼を開く。


すると――




「! む、っ無理……そんなおっきいの、入らないって……!」


現れた彼の一物。


自分にはないその脅威に、思わず身体を後ろへ引きずる、が。



「安心しろ。赤子の頭よりは小さいはずだ」


「ぁ、……っ」



ガシリと掴まれてしまう腰。そして――




「や、ぁあああっ!?」


「くッ……」



リゾットは、愛液の溢れる名前の秘部へ自分の性器を押し込んだ。


刹那、彼女が喉を晒し、嬌声を上げる。



「ひぅっ……ん、はぁ……り、だーなぐるッ、あとでぜった――ぁああん!」


「嫌だと言うなら、押し出してみろ……ッ」


「ぁ、やあっ! ナカ……奥に進めな、でぇ!」



蠢いて離そうとしない膣内に、男は顔をしかめながらも腰を打ち付け始める。


結合部から飛び散る愛液。

生々しい経過音。

帯びる熱。


包み込むようなナカを抉りつつ、ふとあることを思いついたリゾットは、彼女を快感へ追いやっていた動作をピタリと止めた。



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