「ん、……あ?」
胸が捉えた違和感。
それに薄らと瞼を開けた名前は、視界を覆うリゾットにギョッと目を見開いた。
――どうして、リーダーがこっちを見下ろしてるんだ?
自分は確か、仰向けで寝たはず――そこまで考えて、名前はなぜか寒さを感じ身体を震わせる。
――寒ッ! あ、そうか……風邪ひいてるから寒く……え。
納得しかけて、違うと思った。
寒いのは――上半身だけだ。
「……」
鋭い視線を浴びながら、そろりと目を己の身体に向けて、
「!?!?」
直接映る肌色に、名前は絶句した。
「り……リーダー?」
「……」
布を巻いていない身体。
バレたのだろうか。
でも≪上≫だけなら間に合う――ますますだるくなっているのにもかかわらず、名前はカッと目を開いて用意していた≪言い訳≫を口にした。
「す、すげえだろ! 俺のこの……≪胸筋≫!!」
「……胸筋?」
「そう! 胸筋!」
無理があると言うのはわかっている。
それでも――チームから外されたくはなかった。
赤い顔でへらへらと笑う名前。
あくまで≪男≫を突き通すつもりらしい。
それならば――リゾットにもある策があった。
「そうか。筋肉と言うなら……触れても構わないな?」
「え……ぁ、っ!?」
ムニ
胸から走った痺れ。
全身を駆け巡ったそれに、名前は大きく目を見開き、キッと男を睨み上げた。
「な、何すんだよッ!? 筋肉だからって、揉んでいいわけじゃ……んっ」
「揉んでいるのではない。オレはただ、≪確認≫しているだけだ」
「ッ、屁理屈はやめ、ぁ!?」
グニグニ
もはやこれが筋肉ではない――日頃鍛えているリゾットならすでに理解しているはずなのに、名前の胸を揉みしだく手を止めることはしない。
それもそのはず。
これは、≪お仕置き≫なのだ。
名前が性別を隠していたことへの。
そして、これまで心の奥で抑えてきた自分の気持ちを、弄んだことへの――
「……ココが硬くなってきたようだが、どうした」
「ひ、ッ……はぁっ、そんなわけ……あっ!」
「嘘を重ねれば、お前がつらいだけだぞ、名前」
指で捏ねくり回され始める、赤く色づいた突起。
――違う。感じてなんかない……今は、熱が出てるから……!
風邪を口実にして止めてもらおう――少しだけ開いた唇から吐息を漏らしながら、名前はリゾットを見上げた、が。
「ッ」
赤い瞳。その中に潜むのは――劣情。
めったにそういった感情を向けられる機会のなかった名前は、ありありと見える男のそれに息をのんだ。
「ん、ぁ……リー、ダー……っは、頼むから、やめ――」
「なぜやめる必要がある」
「!? っそれ、は……俺、体調不良だし……熱も、あるし」
「ふむ、熱か」
「運動をすれば、熱も下がるだろう」
「――」
何を、言っているのだろうか。
放たれた言葉を理解できず、名前が朦朧とする頭を必死に動かしていると――短パンにかけられる彼の手。
「! 待っ――」
しかし、彼女の制止もむなしく、リゾットは容赦なくズボンを引きずりおろした。
そこから現れた≪下着≫に、淡々と言葉を紡ぎ出す。
「そろそろ諦めたらどうだ。オレに、男を抱く趣味はない」
「っ」
「……やむを得ないか」
「ひ!?」
無言で首を横に振る名前。
彼女の頑固さにため息をついた彼は、男にしてはかなり細い腰を持ち上げ、するりと下着を取り去ってしまった。
「ぁ、やめっ……やめろよ……ッ!」
「お前の秘部はやめてほしそうにないが」
「……ひぁっ!?」
――くそ……風邪でさえなければ、押しのけられんのに……!
花弁をそっとなぞる指。
そこから届いた水音に、名前はひどく驚いた。
「ッ、は……リーダーっ、ぁ」
「意地を張るな。オレは……女だからと言ってお前を見捨てたりしない」
「!」
慌ててリゾットへ視線を向ければ、相変わらず真顔のまま。
だが、その声色はやけに優しくて――
「ぁっ!?」
「だから、正直になれ」
グチュリ。膣内が捉えた指の感触。
自分の秘部は、自然と男を受け入れていた。
「はっ、や、ぁ……しょうじ、きってわからな……ああっ」
「……委ねればいい」
「ゆだ……っひぁ、ソコは……ソコは――」
「陰核が、そんなにいいのか?」
中指でナカを掻き回し、親指と人差し指でその上の突起を弄る。
その両方に刺激を与えれば、名前の腰が微かに震え始めた。
「はぁっ、は、っ……そんな、いじられたらッ」
「……それもそうだな」
「んんっ……、ぇ?」
迎え始めていた絶頂。
目を瞑り、その快感に堪えていた名前は、圧迫感をなくした膣内にそっと瞼を開く。
すると――
「! む、っ無理……そんなおっきいの、入らないって……!」
現れた彼の一物。
自分にはないその脅威に、思わず身体を後ろへ引きずる、が。
「安心しろ。赤子の頭よりは小さいはずだ」
「ぁ、……っ」
ガシリと掴まれてしまう腰。そして――
「や、ぁあああっ!?」
「くッ……」
リゾットは、愛液の溢れる名前の秘部へ自分の性器を押し込んだ。
刹那、彼女が喉を晒し、嬌声を上げる。
「ひぅっ……ん、はぁ……り、だーなぐるッ、あとでぜった――ぁああん!」
「嫌だと言うなら、押し出してみろ……ッ」
「ぁ、やあっ! ナカ……奥に進めな、でぇ!」
蠢いて離そうとしない膣内に、男は顔をしかめながらも腰を打ち付け始める。
結合部から飛び散る愛液。
生々しい経過音。
帯びる熱。
包み込むようなナカを抉りつつ、ふとあることを思いついたリゾットは、彼女を快感へ追いやっていた動作をピタリと止めた。
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