03



「ぁっ、そこやらぁ……!」


「やだ? そうは見えないが」


「あんっ」



再び名前をベッドへ押し倒したリゾットは、中途半端に取れていたボタンを、すべて外した。


すると、ぶるんと音を立てるかのように現れる少女の乳房。



何度目にしても、興奮してしまう。



「あっ、むね揉んじゃ……ひぁッ!」


自然と手が伸び、柔らかさと弾力を堪能し続ければ、堪えるように彼女が顔を背けて目を瞑る。


だが、それを不満に思った彼は、容赦なく硬くなり始めた突起を摘まみ上げた。



「ぁああっ!?」


「名前、こっちを見ろ」


「やっ、リゾットさん、の……いじわる……っ!」


「!」


ドクン。激しく鳴り響く鼓動と、熱くなる自身。



正直に言おう。


涙目で意地悪と呟く名前に、とてつもなく萌えた。



「ひぁ、あっ……やん!」


コリコリ。気が付けば、彼女の首を振っている姿を見ながら、ピンクに色づく乳首を強く弄っていた。


「はぁっ、や、やあっ! リゾットさ、そんな、いじっちゃ……っ」


「気持ちいいんだろう?」



片方の突起を唇で食み、見上げると――情欲を孕む美しい瞳とかち合う。


「ちがッ……ぁ、やだっ、わたし……ぁぁああっ!?」



刹那、全身を駆け巡る快感。


少女はびくりびくりと、腰を浮かせることしかできなかった。



暗い部屋に吐息だけが残る。



「はぁ、ん……っは」


「ふっ……こんなに早くイってしまうなんて、名前はやらしい子だな」


「!」


「……こちらは、どうなっているんだ?」



衝撃で目を見開く名前。


そして、彼女が羞恥に顔を赤く染めたのを見計らって、リゾットは下着をズボンとともに取り払ってしまう。



「っ!? リゾットさん……ぁ!」



足に力が入らない。


改めて絶頂を迎えてしまったのだと、名前は自覚して泣きそうになる。


一方、愛液が光る秘部を覗き込み、心に喜びが広がるリゾット。

「……」


「んっ、そん、な見ちゃ……やあ」



彼女の言葉を聞き入れつつ、おもむろに指で花弁を開いた彼は、ひくひくと誘い込むソコに人差し指と中指を挿入した。


「ひゃあっ! あ、っ……ぁあっ!」


「ナカは、とても熱いな」


「やぁっ……言わない、でぇッ……ぁ、んんっ」



快感より恥ずかしさが占めるのか、手で口元を覆ってしまう名前。


それを一瞥した男は、残っていた左手で彼女の手を剥ぎ取り、右の親指で秘部のすぐ上にある突起をつついた。



「ん……やあっ、なんで……ッ!」


「名前の喘ぎ声が聴きたい」


「っ! ひぁ、っ……あッ、はぁ」


「……そろそろいいだろう」



止まることなく溢れる愛液。


優しくも激しい愛撫をピタリと止め、情景に口元を緩めたリゾットは膝立ちになり、自分のベルトへ手をかける。


耳に届く金属音と布の擦れる音。


それに名前がいつもドキリとしてしまうのは、彼には秘密だ。


「あ、う……っリゾットさん」


「オレも限界なんだ」



肌が鮮明に捉える男の逞しい身体。


きっと、それに慣れる日は来ないだろう。


恥ずかしさで壊れてしまいそうな心臓を少しでも抑えるように、少女は肩に顔を埋め、いくつもの傷が残るリゾットの背中へと両腕を回した。



「ッ、名前……!」


「リゾットさ……ひああっ!」



ズブリ。凶器と勘違いしてしまいそうなほど、彼のモノは自分のナカを抉る。


だが、それが嫌なはずもなく――むしろ感じるのは喜びと妙な切なさだけ。


「くッ……そんな、締めるな」


「っあ、無理……むりぃっ」



自分の肩口で懸命に首を振る名前。


そっと細い腰をなでると、ますますきつくなる彼女の膣内。


溢れ出す愛しさに、どうすればいいのかわからない。



「名前ッ……」


「はぁ、ああっ……んッ!」



気が付けば、リゾットは自分の歯が今鋭いことも忘れて、少女をこちらへ向かせ、その小さく開かれた唇を貪っていた。


「んんっ、ふ、ぁ……っ!」


「ん……んッ」



カチリ。さまざまな音の中で届いた、名前と自分の八重歯がぶつかる音。


口内を荒らし、腰を突き上げながら、男はふと思った。




――いっそのこと、名前と一つになれたら。




「んっ、ぁあ、っは……リゾット、さ……やぁ!」


「……名前!」



≪だが≫――すぐに心を過るのは、逆説。



――もし、一つになってしまったら……君を愛せない。



「ッ、く……!」


「っあ……、ひぁあああッ!」



蠢く名前のナカで爆ぜる想いとともに、このジレンマも消えてほしい。


そんな似合わないことを一瞬考えて、リゾットは苦笑をこぼした。









「……名前」


床に散らばる名前のパジャマと自分が着ていた黒い衣装。


それを心の隅に留めておきながら、隣に並ぶ彼女へ声をかけたが――反応がない。


眠ってしまったのだろうか――そろりとリゾットが視線を天井から横へ移せば、こちらへ背を向けるようにもぞもぞと動く名前の姿が見えた。


「名前?」


「……(つーん)」


「……?(何かしてしまっただろうか)」



ナニか――と言えば確かに今しがた行なったが、それは同意の上だ。



「……、名前、どうした?」


おろおろ。

彼にしては珍しく困惑した表情を浮かべていると、するりと掛け布団を奪われてしまった。


「!? す、すまない。オレに非があるなら、言ってくれ……!」


彼女と交わったことで寒くはない。

むしろ、全身が熱く布団は不要なぐらいだ。


だが――名前に口を利いてもらえないのは、つらい。つらすぎる。



――キスのときに、歯をぶつけてしまったのがいけなかったのだろうか。


――それとも……愛撫が足りなかったか?


――いや、まさか性交自体が気持ちよくなかった……のか!?


何を謝ればいいのかわからない。


快感が支配する頭を叩き起こし、必死に思い返していると、顔半分だけを掛け布団から出した少女と目が合った。


しかし、その視線はかなり冷たい。




「私のことは気にせず、≪清楚≫な子とお話して来たらどうですか?」


「え!?」


「……(ふいっ)」



想像もしなかった言葉に聞き返すも、再び背を向けられてしまう。



――清楚? いったい、何が……あ。



≪やらしい子だな≫。


次の瞬間、リゾットは白い塊と化した名前をしっかりと抱き寄せていた。



「! 何して――」


「名前、冗談でもそんなことを言うんじゃない」


「っ……冗談じゃ――」



ありません。彼女の少しつんけんとしたその声は、鋭い歯を取り去った男の唇に飲み込まれて消えた。


目を見開き、ピシリと固まってしまった少女の頬を優しくなでながら、彼は言葉を紡ぎ出す。



「オレは、嬉しさを込めてああ言ったんだ」


「……」


「ちなみに、名前以外の女に興味を持つことは、一生ないと思っている」


「!?」


「だから、嘘でもオレに≪離れろ≫なんて、言わないでくれ」



真剣さを帯びたリゾットの声色。


布団越しに背で彼の体温を感じていた名前は、おもむろに動き、男と向き合うことにした。



「……名前?」


「私も、少し意地を張ってしまいました……リゾットさん、ごめんなさい」


「いや……オレはどうやら性交中、かなり加虐的になってしまうらしい」



許してくれるか?


眉を下げて問う彼に、微笑んだ少女は頷く代わりにその鍛え抜かれた胸へと抱きつくのだった。










逆転に惑う
それは、心地いいスパイス?






「――それと」


「んっ……は、い?」


「オレは、自分の手で名前がやらしくなってくれるのなら構わない、むしろ喜ばしいと思っている。……というわけで、もう一回シないか」


「!? リゾットさんの……バカーっ!」


「なッ!?」



その後、本当に黙り込んでしまった名前の隣で、リゾットがかなり慌てていたとかいなかったとか。








お待たせいたしました!
リーダーと連載ヒロインでハロウィン裏でした。
けれども、ハロウィン……と言っていいのでしょうか、これ。
また、違う形でも挑戦できたらと思います。


リクエストありがとうございました!
感想&手直しのご希望などございましたら、お願いします。
Grazie mille!!
polka



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