01
※ロリ(巨乳)なヒロイン
※ギャグ






「ねえ、ギアッチョ」


「……ンだよ」


「名前の胸ってさ、一種の凶器だよね」


「ブーッ!?」



すべては、メローネのこの一言から始まった。







天使の観察日記
――ただし、かなり局部的。







「うわっ、汚いな〜、もう」


「ゲホッ、テメーが! ゴホッ、変なこと言い出すからだろうがッ!」


「えー? オレって、いつも変なこと言ってる気がするけど?」


「……確かにそうだな……って、自覚してんなら直せよオオオオオッ」



コーヒーを吹き出し、慌てて布巾で服を拭くギアッチョ。


シミが残りやすいからこそ、辛いものがある。


そして、服を汚すとパードレ(リゾット)が怖い。




「あはっ! とか言って、お前もあの最終兵器、揉みしだきたいとか思ってんだろ?」


「バッ! な、仲間になんでそんな欲湧かせねえといけねえんだよ! テメーじゃあるまいしよオ」


「仲間ねえ……でもさ、あれ見ろよ」



憤る彼に、メローネはあるものを指し示す。

そこには――




「い、イルくん! 返してよーっ!」


「ダメッ! おやつは三時まで許可しないィィィイ!」


「あっ! 返してー!」



少し高い所にある鏡へ逃げ込むイルーゾォ。


そうすれば必然と――揺れる揺れる。





「……」


「ディモールト・ベネッ! ハア……あの幼くて可愛らしい顔にプラスされる、とてつもない破壊力……ハアハア、あそこに……ハア、どれほどの夢を詰め込んでるんだか……!」


「オイ。とりあえず、鼻血拭け」



だらだらと血を流して話すことのおぞましさと言ったら。

ギアッチョは頬を引きつらせながら、隣の男へティッシュを差し出した。


もちろん、それは彼に対する優しさなどではなくソファを汚さないためである。




「ああ、Grazie! でもさあ、たぶんあの天使を連れてきた張本人、リーダーもきっと……」


「いや、リゾットはただの≪ロリコン≫だろ」


「あはっ、それもイイな! どこから連れてきたってプロシュートが問い質したとき、濁してたし……アレは絶対≪誘拐≫だろ」


「……うちには誘拐犯がいんのか」








「メロくん、チヨくん! なにお話してるの?」


「!」


「やあ、名前! 今日も君は可愛いなあ」



鈴を転がすような声が響いたかと思えば、自分たちの方へ少女が駆け寄ってきた。


今まで話していたこともあり固まるギアッチョと、満面の笑みを浮かべるメローネ。


メローネが名前の頭をなでれば、くすぐったそうに彼女が微笑む。



「実はね、オレたちはオトナの話をしていたんだ」


「オトナ? 名前もオトナだよ!」


にこにこ。自分も仲間に入れてほしいのか、ますます近付く少女に対して、ギアッチョが鼻で笑う。



「はア? テメーはまだ子どry」


「そうかそうか! じゃあ、性的にもオトナの階段上っちゃおう――」


「殴りぬけるッ!」


「ゴハッ! ッぐ、ギアッチョ……今の角度と言い、拳の肉厚と言い、ディモールト・ベネ! ただ、もう少し体温が上がればもっと良好グハッ!」



コイツはほんとにしぶとい男だ――しばらくしてようやく動かなくなったメローネに、男は頭を抱えたくなった。



「チヨくん……メロくんどうしたの?」


「ああ、コイツは悪事を働いて天に召されたんだよ。だから気にすんじゃねエ。それより……なんか用事があったんだろ?」


「! う、うんっ! 実はね――」










「……」


「う、うーんっ……取れないぃぃ!」


天井へ手を伸ばす名前。


その先には、お菓子の入った缶が置いてあった。



「んん〜っ!」


おそらく、身体に悪いと判断したプロシュートが没収して、ここに置いたのだろう。



「……」


確かに、自分が手を伸ばせば一発だ。



しかし――






「届かないよーっ!」


ぴょんぴょん



「(集中できねエエエエエッ)」


先程あんな会話をしていたせいで、思わず少女の胸元に魅入ってしまうのだ。


服の中で窮屈なのでは――と心配になってしまいそうな凶器。



「……クソッ」


「チヨくん! チヨくんも手伝ってよっ」


「(なんで俺がこんなことに……)ああ、わか――」



見なければいい。


見なければすぐに終わる。



そう思い、頬を膨らませている名前から視線を外そうとしたそのときだった。





「……」



彼女の背後に、





変 態 が 迫 っ て い た。



「名前ッ!」


「きゃっ」


刹那、右腕で少女を押しのけ、ギアッチョは手をわきわきとさせているメローネの頭に――





「グエッ」


「一生寝てろッッ!」



踵落としを食らわせた。



ドゴン。嫌な音を立てて床へ沈んだ男。


これで一件落着だ。ギアッチョはそう信じて疑わなかった、が。




ムニ


「!?」


「ち、チヨくん……っ」



身長差ゆえだろうか。


彼の右腕は偶然にも、名前の最終兵器に直撃しており――







「ギィアアアアアアアアアッ!?」



顔を真っ赤にしながら、涙目でこちらを見つめる少女。


可愛い――と柄にもないことを考えつつ、ギアッチョの意識はあっという間にフェードアウトした。







その後、駆けつけたリゾットによって男二人は説教を受けたらしい。



「チッ(なんで俺まで……)」


「ギアッチョ、聞いているのか?」


「……聞いてる」



「ねえねえ、リゾくん(つんつん)」


「どうした? 名前(なでなで)」


「ん……お菓子、食べてい?」


「(ズキューン)もちろんだ。足りないなら、買ってくるぞ」


「んーん、今日はこれで十分だよ? はい、リゾくんもあーん」


「……(あーん)」





「(甘やかしの元凶は、やっぱあんたかアアアアッ!)」


「うわっ、リーダーいいなあ! 名前名前、オレにもちょうだい! なんなら、口移しでもいry」



「「お前(テメー)は黙ってろ」」



終わり










長らくお待たせいたしました!
メローネ&ギアッチョでギャグ夢でした。
リクエスト、そしてお祝いのお言葉まで……ありがとうございます!
ただ、落ちはリーダー寄りになってしまいました、すみません。
ご希望に添えていたか、不安ではありますが受け取ってくださると嬉しいです。


感想&手直しのご希望などございましたら、clapへお願いします!
Grazie mille!!
polka



 

1/1
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -