03


絶望、という言葉がふさわしいのかもしれない。



「っは、はぁ……名前……ッ」



艶やかな黒髪や可愛らしい顔に残る、白。


それを見て、リゾットは身体の芯に痺れを感じると同時に、自分を殴りたくなった。



「……」


「っ、すまない」



わざとじゃないんだ。


そして、弁解にもならないが、離れてほしくない一心で、彼は口を開いた、が。




「ん……ふふ」


「名前?」



とにかく顔を拭かなければ。


そう思い、彼女の方へ視線を向けて――絶句した。




「んんっ……」



少女は、自分に付着した白濁液を指で掬い、舐めとっていたのだ。



「……ッ」


吐き出すんだ。


その一言が言えない。いや、本当は言いたくないのかもしれない。




チロチロと動かされる舌や恍惚の表情、名前のすべてが魅力的で――



「んむ、ふ……っリゾットさんの、せーえき……」


「――」







次の瞬間、リゾットは頭巾のことも忘れて、両腕を自由に動かしていた。


カラン、と名前を示すボールの落ちる音が響くが、気にしてはいられない。




「……ぇ? ひゃんっ」


「名前……」



驚く彼女の身体を抱き上げ、あっという間にベッドへ押し倒す。


ああ、やはりこれが一番いい――動揺を交えた瞳でこちらを見上げる少女に、彼は静かにほくそ笑んだ。






「っリゾットさん……今日は、わたしが――」


「黙れ」


「んんっ!?」



非難の声を上げる名前の唇を己ので塞ぐ。


「んっ、ふ……ぅ」



少し苦い口内を舌で荒らし回れば回るほど、組み敷かれた彼女の目尻には生理的な涙が浮かんでいく。



「ふっ……やはり可愛いな、名前は」


「は、ぁっ、はっ……なんれ」


「今度は、オレの番だ」


「ん……ひぁっ!」



荒い息をこぼす唇へそっとキスをして、パジャマのズボンを一気に引きずりおろす。


そして、現れた名前の下着をじっと見つめて――リゾットは笑った。



「どうした? 濡れているじゃないか」


「ぁ、っ……だって……!」


「まさか、オレのを咥え込んで、興奮したのか?」


「ッ!」



蔑むように言葉を吐き、少女を見下ろす。


どうやら、今日は加虐心が旺盛な日らしい。


答えることに戸惑う名前の耳に、そっと唇を近づけた彼が囁く。




「……身体、まだ熱いんだろう?」


「っ、はい……ぁ!」


「オレもだ。だから――」




求めてくれ。



「はぁっ……リゾット、さん」


「ん?」


「リゾットさんの、くらさい……っ!」



懇願するような瞳。


刹那、口元を緩めて下着を剥ぎ取ったリゾット。



内腿を掴み上げ、次に見えた予想通りの光景に、ますます笑みを深める。



「……ドロドロだな」


「ひぅッ……リゾットさんのモノが、ほしいから……っぁ」


「ッ、可愛いことを言うな」



いつの間にか、硬さを取り戻している男の性器。


その先を彼女の秘部へ擦り付ければ、ひくりと誘い込むように震える花弁。



「ぁっ、やぁ……じらさな、でぇっ!」


「……っ名前」


早く欲しい。

せがむように、リゾットの首へ腕を回す。


今日はやはり積極的だ。

耳を掠めていく少女の吐息に促されるように、彼は膝裏に手を差し込み――



「ひぁ、ぁあああっ!」


「くッ」


彼女のナカを一思いに貫いた。


相変わらずきつい、膣内。

少し動くだけで、名前は身体を震わせて小さな悲鳴を上げる。


「ぁん……はっ、リゾット、さ……!」


「名前ッ……く」


「ん、んっ、ふ……ぅ」



引き寄せられるようにキスを交わせば、幸せそうに微笑む。


愛しい。


「はぁ、っ名前、名前……!」


愛している。


リゾットは、その想いだけを胸に、肌蹴た少女の胸元へ口づけを落とし、腰を揺らし続けた。






「はっ、ぁッ……リゾットさ……ぁあああっ!」


「ッく……!」


収縮するナカと、弾ける自分の温かい白濁液。


二回目とは思えないほど、その量は彼女の子宮を満たした。




「はぁ、はっ……」


広がるそれに、彼は己の性器を引き抜こうとした、が。




「っう……名前?」


出したくない――と言うかのように締まる膣内。

明らかに故意的だと気が付き、そっと見下ろせば――



「っぁん、もう一回……しましょ?」


「!」



可愛い。可愛すぎる。


「……だめ?」




もちろん、リゾットが名前の誘いを断るはずもなく――行為は朝まで及んだ。









Vodkaの魔法
時には人を変えてしまう……かも?











〜おまけ〜



ドタドタドタドタ


「ぎ……ギアッチョさんっ!」


翌朝、慌ただしく駆け寄ってきた少女に、ギアッチョは何事かと目を丸くする。


「うおッ!? 名前、何後ろに隠れてやが――」


「名前」


次に現れたのは、リゾット。

昨日かなり仕事があったにもかかわらず、かなり活気に満ちているのはなぜか。


聞かない方がいい――即座にそう思った。



「部屋へ戻るぞ」


「……っ(首を懸命に横へ振り)」


「オイ。痴話喧嘩ならよそで……って、リゾット、ずいぶん≪蚊に刺された≫んだな」


しかし、この少女がこれほど拒むのも珍しい。


そう思いつつ、リゾットの方を見れば、男の首筋が赤い点でいっぱいだ。


指し示すと思い当たる節があるのか、彼はにやりと笑った。



「……ああ。どうやら、オレが好きでたまらないらしい」


「!? し、しばらく旅をさせてください……っ」


「旅!? ダメに決まっているだろう! ……≪メタリカ≫ッ!」


「きゃっ!」



刹那、自分の横を通り過ぎ、リーダーに引き寄せられる名前。


まさか――ギアッチョは察した。



「ど、どうしてっ」


「最近、気が付いたんだが……名前の体内にもメタリカが潜んでいるのならば、こうして引き寄せられるようだ。マグネットのように、な」


「〜〜っ!」



ああ、これはますます少女を離せなく――いや、離さなくなるな。


可哀そうにも思えるが、仕方ない。


どうせ相思相愛なのだから。



「ちなみに」


「っ、なんですか?」


部屋へ戻ろう。

小さく舌打ちをしながら、ギアッチョは踵を返そうとした、が。



「昨日名前は言ったな、オレのことを≪意外に感じやすい≫と」


「!」


「……(は!? いったい、どんな状況だよッ!?)」


「あれは正しくもあるが、間違ってもいる」





「オレは、名前がシてくれたから、感じたんだ」


「!? な……なっ////」


「……(はあアアアアア!?)」


「むしろ、名前でなければ感じない。それだけは、わかっていてほしい」


「あ、え……う、そのっ……はい」


「ん?」





「テメーら、地球の果てで爆発してきやがれ」





〜おまけ2〜



「ホルマジオ」


「! よ、よォ、リーダー! なんか悪かったな!」←察した人


「何を謝っている?」


「へ?(もしかして、気付かれてねェのか?)」


「……お前が酔っていたことにより、名前に渡した水が実はウォッカで、それを一気に飲み干した彼女が性交に対し、とてつもなく大胆になったことは水に流そう」


「はは、そうかそうか、そりゃよか……って、ん?(や、やっぱりバレてんじゃあねェか!!)」


「ところで」


「!? な、なんだよ」


「……そのウォッカ、また≪貸して≫くれないか」←小声


「え(……名前。お前は逃げた方がいい、ぜってェに)」



続く









いいえ、続きません。
というか、なんかすみませんでした――ッ!
そして、リクエストありがとうございます!!
お酒に酔った連載ヒロインとリーダーでした。
Vodkaはイタリア語で「ウォッカ」です。

ところで、攻め攻めヒロイン、需要あるのでしょうか。
そもそも当サイトに皆様が何を求めてくださっているのか……よろしければ教えてください(切実)。


感想&手直しの希望がございましたら、どうぞ!
Grazie mille!!
polka



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