犬猿の仲?
※メローネ&ギアッチョ夢
※ロリ(巨乳)ヒロイン
※ギャグ
「いい? 名前。二人から離れちゃダメだからね?」
「うん!」
「あと、メローネと二人っきりも絶対にダメだから! 別行動を取るなら、ギアッチョと一緒に!」
「? わかった、チヨくんと一緒にいる!」
にこにこ。凄まじい剣幕で話すイルーゾォに対して、名前はメローネとギアッチョに挟まれながら大きく頷いた。
「あはっ、オレって信用なさすぎ!」
「日頃の行いがワリーんだろうが、テメーはよオオオオ! チッ……それにしても、なんでオレが名前の買い物に付き合わなきゃいけねえんだよ」
ポシェットを肩から掛け、隣でうきうきしている少女に、ギアッチョがため息をつく。
すると――
「! ギアッチョ、行かないのか? なら、やはり名前の保護者であるオレが――」
「おい、リゾットさんよお……お前は仕事しろッ!」
「そうだよ! あにきの言うとおり、リゾくんは仕事してて? 名前、二人と行ってくる!」
すぐさま飛び出してきたリゾットの顔をプロシュートが長い足で蹴り、部屋へ押し戻す。
大きな音を立てた彼らのコントに、目撃していた全員が口元を引きつらせた。
「あ、兄貴……さすがにリーダーが哀れじゃ……」
「ハン、名前にかまけて明日出さねえといけねえ仕事をおっぽり出してたのが悪い。つーわけで名前、気を付けて行って来いよ」
「うん、行ってきます! メロくん、チヨくんよろしくね!」
見送ってくれた男たちに手を振り、少女はアジトを後にする。
「……大丈夫かな」
メローネ、名前、ギアッチョと並ぶちぐはぐな背を見つめつつ、イルーゾォがぽつりと呟いた。
それを慌てた様子でフォローするのは、決まってペッシである。
「だ、大丈夫だよ! なんだかんだ言ってあの二人、やるときはやるし……あれ? ところでホルマジオは?」
「そういや……」
「ハン、あいつはリゾットの部屋の前で見張らせてるぜ。我らがリーダーの心配性は、なんと言っても異常だからな」
「「へえ……(信用ねえな、リーダー)」」
その頃。
「名前ー! どう? どう? この服、すげー可愛いだろ!?」
「うん、可愛い! でも、お金の無駄遣いはダメってあにきが……」
「ははっ、だいじょーぶ! これはプレゼントとして(リーダーの給料で)払うから!」
「オイ! 何してやがんだ、テメーはよオオオオオッ! 今日は日用品や食料を買いに行くのであって、んなフリッフリのモン買いに来たわけじゃねえだろうが!」
右隣でメローネが少女を誘惑すれば、そんな彼に左隣のギアッチョが喝を入れる。
絶対に目立たないこと。
アジトで決めた約束――早速それを破ってしまった彼らは、言うまでもなく街中から視線を浴びていた。
「な、なあ。真ん中の可愛い女の子、もしかして誘拐されてるんじゃ……」
「(ギロリ)」
「ひいっ!」
囁き合う野次馬を睨むギアッチョ。
彼の一睨みに憶測を立て続けられるほど、一般人はタフではない。
「チヨくん! チヨくん!」
「……ンだよ」
「街では笑顔! にこにこ、だよ!」
自分の袖を小さく引っ張り、精一杯見上げてくる名前。
その懸命さに、温度が下がりきっていた男の心はあっさりと温まってしまう。
「……ハハ、ハ(頬を引きつらせて笑顔のつもり)」
「ギャハハハハハハッ! ギアッチョ、何それ! 頬筋の痙攣、止まんないわけ!? オレの生まれたてのベイビィの方が、もっとうまく笑え……ゴハァッ!」
「ッうるっせエエエエエエ!」
人選のミス。
他のメンバーが見ればそう評してしまいそうなほど、≪このときは≫荒れに荒れまくっていた。
そう、このときは。
「じゃ、オレはあっちで日用品(という名の娯楽品)を見てくるぜ! 名前、また後で!」
「うん! メロくん、買い過ぎはダメだからねー!」
「クソが……アイツ、とんでもねえモン買って来やがったら、氷漬けにしてやる」
スーパーマーケットにて、メローネと別れた二人は、食材を見に行くために迷ってしまいそうな道を歩き続けていた。
笑顔を絶やすことのない名前に対して、すでに疲れ切った顔をしているギアッチョ。
そんな彼の荒んだ目に、あるものが映った。
「! これ……新しい奴出てたのかよッ!?」
「? あ、ゲームかあ! チヨくん、ゲーム好きだもんね!」
「ッ、そういうわけじゃねえ!」
しかし、好きなものをディスプレイ越しに見てしまえば、気になるのが人間の性というもので。
「ねえ、チヨくん。お店の中、見てきてもいいよ?」
「はア!? テメッ、何言って――」
「名前、あそこのベンチに座って待ってるから……ね?」
後ろへ指差し、微笑む少女。
彼女とゲームをしばらく交互に見ていた彼は、いつものように舌打ちをして、おもむろに口を開いた。
「…………すぐ戻るから、ちゃんと待ってろよ」
「うん! 任せて!」
走っていった男の背を見送った名前は、ちょこんとベンチに座る。
そう、ここまではよかったのだ。
「ねえ、お嬢ちゃん。君、一人?」
「へ? あ、(今は)一人ですけど……あなたは?」
下卑た笑みを浮かべた男が、隣にやってくるまでは。
「へへっ、いやあ……君のお父さんの知り合いでねえ」
「お父さん……? あ、リゾくんのことかあ……いつもお世話になってます!」
「(リゾくん?)いやいや、こちらこそ。でね? お嬢ちゃん、よかったらお菓子食べに行かない?」
「!? お菓子……?」
名前を呼ばない時点で、明らかにおかしい。
しかし、人を疑うことを知らない少女は、そのお菓子という単語に目を輝かせてしまった。
「そうなんだよ〜……あ、でもここにはなくてね? ちょっと、歩かないといけないんだけど、いい?」
「歩く……あの、チヨくんとメロくんを待ってて」
「大丈夫! そのお友達も、後で呼ぶから……さ、立って立って」
「あわわっ、でも……!」
立たされたかと思えば、当然であるかのように抱かれる肩。
その手に、少しだけゾワリとしながら、名前はあからさまに困った顔をする。
――ど、どうしよう。なんだか、怖い……。
「あ、そうだお嬢ちゃん、名前は?」
「えっと、その……っ、です」
先程から向けられている視線は、自分の顔とその下――胸にある。
だが、基本優しい仲間に囲まれている彼女が、男の悪意と下心に気付くわけもなく。
「んー? よく聞こえないなあ」
ますます引き寄せられ、彼の耳がこちらへ近付いた――そのとき。
「グエッ」
「……オイ……うちの仲間に何してくれてんだア? あアッ?」
「! チヨくん……!」
聞き覚えのある声。
俯いていた名前が視線を上に移せば、額に青筋を立てたギアッチョが男の顔を鷲掴みしていた。
自然と、少女を抱き寄せていた腕は力が抜ける。
「んごっ、んぐぐ……!」
「あアん!? よく聞こえねえなあアアアッ?」
人が少なくてよかった。
これでは、どちらが被害者かわからない。
見る見るうちに青ざめていく男に、ギアッチョが睨みを効かせていると――
「!? きゃっ……」
「名前ッ? クソ、まだ≪仲間≫が――」
「いやあ、名前が無事でよかったぜ」
彼女の背後に、メローネが立っていた。
安心したように笑う彼の両手は――もちろん、胸にある。
「っ、メロくん……こしょばい、よぉ……!」
「はは、可愛いなあ名前は。それに、胸も揉みごたえがあって、ディモールト・ベネグホアッ!」
「テメーは! 場面ってモンを選べねえのかアアアアアッ!」
メローネ、鋭い回し蹴りにより撃沈。
二つの死体が出来上がった状況下で、パンパンと埃を払うように手を叩いたギアッチョは、口をへの字にしたまま名前の腕を引いた。
「? チヨくん、メロくん置いてくの?」
「名前、あの変態は気にすんな。それに……アイツには≪やること≫があんだよ」
「やる、こと?」
「チッ……買い物行くぞ」
「ッ、くそ……」
淡々と進んでいく男とそれを小走りで追いかける少女。
二つの背を凝視しているのは、先程ギアッチョにあっさりと打ちのめされた男。
そして――
「チャオ!」
「!」
「まったく、ギアッチョもわかりにくいよなあ……あんたが組織と敵対してる奴ならさ、口かメールで言えばいいのに。おかげで、オレの顔ボロボロだぜ? ま、そんなことはどうでもいいんだけど」
「あ、あんた……!」
動かない身体を酷使して、後退る。
しかし、名前には決して見せることのない冷めた目をしたメローネが、そう易々と逃すはずもない。
「なあ、名前を攫って、何するつもりだったわけ? 監禁? 暴行? どちらにしても、解放してやんないけど」
「……ひ……ひいいっ」
「ははっ、大丈夫! いろいろ聞くために≪ちょっと≫痛くするだけだって! ……死なない程度にな」
悲鳴に似た雄叫びが轟いた直後、メローネは二人の所へ戻っていた。
「おっ待たせ〜!」
「あ、おかえり、メロくん!」
「ったく、遅えぞ。ほら、袋一つ持て」
すでに、買い物は終えていたらしい。
イラついた様子のギアッチョから袋を受け取ったメローネは、彼の傍でにっと笑ってみせる。
「面白い情報、≪貰った≫ぜ」
「……フン、そうかよ」
「? 二人とも、どうしたの?」
よっぽど気になるのか、首をかしげる名前。
自分たちを見上げる彼女に、男たちはしばらく考え込み――
「「なんでもないよ(ねえ)」」
妙に、声が合ってしまうのだった。
犬猿の仲?
実は、意外と名コンビ?
〜おまけ〜
夕焼けを背に、手をつないだ影が三つ。
「えへへー、楽しいね!(上機嫌)」
「物好きだな、オイ。……で、結局メローネは何買ったんだよ」
「え? 知りたい知りたい?」
「……いや、別に――」
「知りたい! メロくん、名前にも教えて!」
「Va bene(もちろん)! えーっとねえ、まずはローションに鞭でしょ? あとは手錠や魔法の薬に……(大人の)おもちゃ?」
「……念のために聞くけどよオオオ……それ、なんに使うつもりだ?」
「え? そりゃあ、純粋無垢な名前をじわじわと開発するための――」
「ホワイト・アルバムッッ!!」
「開発……?(研究でもするのかな?)」
アジトへ戻るころには、影は二つになっていたらしい。
![](//img.mobilerz.net/sozai/1610_w.gif)
お待たせいたしました!
キリリクでロリヒロインとメローネ&ギアッチョでした!
1000hitと同様、この二人を中心にさせていただきましたが、よろしかったでしょうか?
リクエスト、本当にありがとうございます!
感想&手直しのご希望があれば、またお願いいたします!
polka
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※ロリ(巨乳)ヒロイン
※ギャグ
「いい? 名前。二人から離れちゃダメだからね?」
「うん!」
「あと、メローネと二人っきりも絶対にダメだから! 別行動を取るなら、ギアッチョと一緒に!」
「? わかった、チヨくんと一緒にいる!」
にこにこ。凄まじい剣幕で話すイルーゾォに対して、名前はメローネとギアッチョに挟まれながら大きく頷いた。
「あはっ、オレって信用なさすぎ!」
「日頃の行いがワリーんだろうが、テメーはよオオオオ! チッ……それにしても、なんでオレが名前の買い物に付き合わなきゃいけねえんだよ」
ポシェットを肩から掛け、隣でうきうきしている少女に、ギアッチョがため息をつく。
すると――
「! ギアッチョ、行かないのか? なら、やはり名前の保護者であるオレが――」
「おい、リゾットさんよお……お前は仕事しろッ!」
「そうだよ! あにきの言うとおり、リゾくんは仕事してて? 名前、二人と行ってくる!」
すぐさま飛び出してきたリゾットの顔をプロシュートが長い足で蹴り、部屋へ押し戻す。
大きな音を立てた彼らのコントに、目撃していた全員が口元を引きつらせた。
「あ、兄貴……さすがにリーダーが哀れじゃ……」
「ハン、名前にかまけて明日出さねえといけねえ仕事をおっぽり出してたのが悪い。つーわけで名前、気を付けて行って来いよ」
「うん、行ってきます! メロくん、チヨくんよろしくね!」
見送ってくれた男たちに手を振り、少女はアジトを後にする。
「……大丈夫かな」
メローネ、名前、ギアッチョと並ぶちぐはぐな背を見つめつつ、イルーゾォがぽつりと呟いた。
それを慌てた様子でフォローするのは、決まってペッシである。
「だ、大丈夫だよ! なんだかんだ言ってあの二人、やるときはやるし……あれ? ところでホルマジオは?」
「そういや……」
「ハン、あいつはリゾットの部屋の前で見張らせてるぜ。我らがリーダーの心配性は、なんと言っても異常だからな」
「「へえ……(信用ねえな、リーダー)」」
その頃。
「名前ー! どう? どう? この服、すげー可愛いだろ!?」
「うん、可愛い! でも、お金の無駄遣いはダメってあにきが……」
「ははっ、だいじょーぶ! これはプレゼントとして(リーダーの給料で)払うから!」
「オイ! 何してやがんだ、テメーはよオオオオオッ! 今日は日用品や食料を買いに行くのであって、んなフリッフリのモン買いに来たわけじゃねえだろうが!」
右隣でメローネが少女を誘惑すれば、そんな彼に左隣のギアッチョが喝を入れる。
絶対に目立たないこと。
アジトで決めた約束――早速それを破ってしまった彼らは、言うまでもなく街中から視線を浴びていた。
「な、なあ。真ん中の可愛い女の子、もしかして誘拐されてるんじゃ……」
「(ギロリ)」
「ひいっ!」
囁き合う野次馬を睨むギアッチョ。
彼の一睨みに憶測を立て続けられるほど、一般人はタフではない。
「チヨくん! チヨくん!」
「……ンだよ」
「街では笑顔! にこにこ、だよ!」
自分の袖を小さく引っ張り、精一杯見上げてくる名前。
その懸命さに、温度が下がりきっていた男の心はあっさりと温まってしまう。
「……ハハ、ハ(頬を引きつらせて笑顔のつもり)」
「ギャハハハハハハッ! ギアッチョ、何それ! 頬筋の痙攣、止まんないわけ!? オレの生まれたてのベイビィの方が、もっとうまく笑え……ゴハァッ!」
「ッうるっせエエエエエエ!」
人選のミス。
他のメンバーが見ればそう評してしまいそうなほど、≪このときは≫荒れに荒れまくっていた。
そう、このときは。
「じゃ、オレはあっちで日用品(という名の娯楽品)を見てくるぜ! 名前、また後で!」
「うん! メロくん、買い過ぎはダメだからねー!」
「クソが……アイツ、とんでもねえモン買って来やがったら、氷漬けにしてやる」
スーパーマーケットにて、メローネと別れた二人は、食材を見に行くために迷ってしまいそうな道を歩き続けていた。
笑顔を絶やすことのない名前に対して、すでに疲れ切った顔をしているギアッチョ。
そんな彼の荒んだ目に、あるものが映った。
「! これ……新しい奴出てたのかよッ!?」
「? あ、ゲームかあ! チヨくん、ゲーム好きだもんね!」
「ッ、そういうわけじゃねえ!」
しかし、好きなものをディスプレイ越しに見てしまえば、気になるのが人間の性というもので。
「ねえ、チヨくん。お店の中、見てきてもいいよ?」
「はア!? テメッ、何言って――」
「名前、あそこのベンチに座って待ってるから……ね?」
後ろへ指差し、微笑む少女。
彼女とゲームをしばらく交互に見ていた彼は、いつものように舌打ちをして、おもむろに口を開いた。
「…………すぐ戻るから、ちゃんと待ってろよ」
「うん! 任せて!」
走っていった男の背を見送った名前は、ちょこんとベンチに座る。
そう、ここまではよかったのだ。
「ねえ、お嬢ちゃん。君、一人?」
「へ? あ、(今は)一人ですけど……あなたは?」
下卑た笑みを浮かべた男が、隣にやってくるまでは。
「へへっ、いやあ……君のお父さんの知り合いでねえ」
「お父さん……? あ、リゾくんのことかあ……いつもお世話になってます!」
「(リゾくん?)いやいや、こちらこそ。でね? お嬢ちゃん、よかったらお菓子食べに行かない?」
「!? お菓子……?」
名前を呼ばない時点で、明らかにおかしい。
しかし、人を疑うことを知らない少女は、そのお菓子という単語に目を輝かせてしまった。
「そうなんだよ〜……あ、でもここにはなくてね? ちょっと、歩かないといけないんだけど、いい?」
「歩く……あの、チヨくんとメロくんを待ってて」
「大丈夫! そのお友達も、後で呼ぶから……さ、立って立って」
「あわわっ、でも……!」
立たされたかと思えば、当然であるかのように抱かれる肩。
その手に、少しだけゾワリとしながら、名前はあからさまに困った顔をする。
――ど、どうしよう。なんだか、怖い……。
「あ、そうだお嬢ちゃん、名前は?」
「えっと、その……っ、です」
先程から向けられている視線は、自分の顔とその下――胸にある。
だが、基本優しい仲間に囲まれている彼女が、男の悪意と下心に気付くわけもなく。
「んー? よく聞こえないなあ」
ますます引き寄せられ、彼の耳がこちらへ近付いた――そのとき。
「グエッ」
「……オイ……うちの仲間に何してくれてんだア? あアッ?」
「! チヨくん……!」
聞き覚えのある声。
俯いていた名前が視線を上に移せば、額に青筋を立てたギアッチョが男の顔を鷲掴みしていた。
自然と、少女を抱き寄せていた腕は力が抜ける。
「んごっ、んぐぐ……!」
「あアん!? よく聞こえねえなあアアアッ?」
人が少なくてよかった。
これでは、どちらが被害者かわからない。
見る見るうちに青ざめていく男に、ギアッチョが睨みを効かせていると――
「!? きゃっ……」
「名前ッ? クソ、まだ≪仲間≫が――」
「いやあ、名前が無事でよかったぜ」
彼女の背後に、メローネが立っていた。
安心したように笑う彼の両手は――もちろん、胸にある。
「っ、メロくん……こしょばい、よぉ……!」
「はは、可愛いなあ名前は。それに、胸も揉みごたえがあって、ディモールト・ベネグホアッ!」
「テメーは! 場面ってモンを選べねえのかアアアアアッ!」
メローネ、鋭い回し蹴りにより撃沈。
二つの死体が出来上がった状況下で、パンパンと埃を払うように手を叩いたギアッチョは、口をへの字にしたまま名前の腕を引いた。
「? チヨくん、メロくん置いてくの?」
「名前、あの変態は気にすんな。それに……アイツには≪やること≫があんだよ」
「やる、こと?」
「チッ……買い物行くぞ」
「ッ、くそ……」
淡々と進んでいく男とそれを小走りで追いかける少女。
二つの背を凝視しているのは、先程ギアッチョにあっさりと打ちのめされた男。
そして――
「チャオ!」
「!」
「まったく、ギアッチョもわかりにくいよなあ……あんたが組織と敵対してる奴ならさ、口かメールで言えばいいのに。おかげで、オレの顔ボロボロだぜ? ま、そんなことはどうでもいいんだけど」
「あ、あんた……!」
動かない身体を酷使して、後退る。
しかし、名前には決して見せることのない冷めた目をしたメローネが、そう易々と逃すはずもない。
「なあ、名前を攫って、何するつもりだったわけ? 監禁? 暴行? どちらにしても、解放してやんないけど」
「……ひ……ひいいっ」
「ははっ、大丈夫! いろいろ聞くために≪ちょっと≫痛くするだけだって! ……死なない程度にな」
悲鳴に似た雄叫びが轟いた直後、メローネは二人の所へ戻っていた。
「おっ待たせ〜!」
「あ、おかえり、メロくん!」
「ったく、遅えぞ。ほら、袋一つ持て」
すでに、買い物は終えていたらしい。
イラついた様子のギアッチョから袋を受け取ったメローネは、彼の傍でにっと笑ってみせる。
「面白い情報、≪貰った≫ぜ」
「……フン、そうかよ」
「? 二人とも、どうしたの?」
よっぽど気になるのか、首をかしげる名前。
自分たちを見上げる彼女に、男たちはしばらく考え込み――
「「なんでもないよ(ねえ)」」
妙に、声が合ってしまうのだった。
犬猿の仲?
実は、意外と名コンビ?
〜おまけ〜
夕焼けを背に、手をつないだ影が三つ。
「えへへー、楽しいね!(上機嫌)」
「物好きだな、オイ。……で、結局メローネは何買ったんだよ」
「え? 知りたい知りたい?」
「……いや、別に――」
「知りたい! メロくん、名前にも教えて!」
「Va bene(もちろん)! えーっとねえ、まずはローションに鞭でしょ? あとは手錠や魔法の薬に……(大人の)おもちゃ?」
「……念のために聞くけどよオオオ……それ、なんに使うつもりだ?」
「え? そりゃあ、純粋無垢な名前をじわじわと開発するための――」
「ホワイト・アルバムッッ!!」
「開発……?(研究でもするのかな?)」
アジトへ戻るころには、影は二つになっていたらしい。
![](http://img.mobilerz.net/sozai/1610_w.gif)
お待たせいたしました!
キリリクでロリヒロインとメローネ&ギアッチョでした!
1000hitと同様、この二人を中心にさせていただきましたが、よろしかったでしょうか?
リクエスト、本当にありがとうございます!
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