鉢合わせの奇跡
※暗チ夢
※男装夢主
「……よし」
簡素な一人部屋。
朝、そこでいつもオレ――私は一番上までシャツのボタンを留める。
さすがに性別がわかってしまう胸元も、薄いタオルでグルグルと巻いた。
なぜかメローネからされるセクハラに対する防衛も、ちゃんと備えてある。
「今日も頑張ろ」
声は変えようがないけれど、できる限り低めを意識。
そして、男だらけのある意味むさくるしい集団へ繋がる廊下に出るため、私はゆっくりとドアノブを回した。
しばらくして、リビング前で見えた大きな背中に、名前はたったっと走り寄る。
「おはよー、リーダー」
「ああ。おはよう、名前」
振り向いたのは、私服姿のチームリーダー、リゾット。
とても頼りになる男だが、かなりの確率で天然だ。
あと、暗殺時の格好とあの妙に自己主張の強い頭巾が不思議で仕方がない。
「今日、仕事は?」
「いや……誰もないみたいだな」
「……なんか暇人の集まりみたいだな! オレたち」
「それを言うんじゃあない」
はあ、とため息をつく彼に、名前がにししと歯を見せて笑う。
男だから女だから――そんな固定概念がこの裏の世界に染み付いているわけではない。
しかし、チームは良くても≪女だから≫となめられるのはどうしても嫌だった。
だからこそ、女であることを隠し通して、肉体労働にも近い仕事を必死にこなしている。
敵を欺くにはまず身内から――仲間を騙したいわけではないが、互いの素性をなかなか明かさないチームだ。
お互い様。
馴れ合いすぎて、仕事が疎かになるのも避けたい。
そう、できるだけ淡々と割り切っていた。
「あ、おっはよー! 名前! 今日も完全防備だねえ……剥いでもい? ね、いいよねッ?」
「おはよ、メローネ。いや、剥いでも意味ねえし……大体、お前らが露出しすぎなんだろ」
リビングに足を踏み入れた途端、両腕を広げて飛んでくる変態の顎をアッパーで躱し、周りを見渡す。
すると、どうやら全員が何かを囲んでいるようだった。
「? 何してんの?」
「あ、名前おはよう」
「おはよ、ペッシ。これは……って」
ほんのりと頬を赤く染めたペッシを一瞥してから、その代物へ目を移せば――現れたのはグラビア写真。
水着だから≪うわー≫で済んだものの、もしそれ以上ならば名前は一瞬で口端を引きつらせていただろう。
――男装して特に困ったことはないけど、これはな……正直、あんまり興味ないし。
「名前! ちょうど良かったぜ!」
「なんだよ、ちょうどいいって」
「まァまァ……こっち来いよ!」
豪快に笑うホルマジオに引き寄せられ、その力ゆえにポスンとソファへ座り込んでしまう。
何事だと眉をひそめれば、左隣のイルーゾォが苦笑しながら口を開いた。
「今この中で、どの子がタイプか話してるんだけどさ……名前、どの子がいい?」
「……はあ!? どの子がいいって……」
――そんなこと言われても……。
煌びやかにはしゃぐ女の子や、おとなしめの女の子。
10人はいるその開かれたページを繰り返し見て、逡巡した彼は≪そうだ≫とあることを思い至る。
それは――
「なあギアッチョ。お前、誰にしたの?」
「はアッ!?」
先に周りに尋ねてみること。
もちろん、そのターゲットにされた相手はかなり迷惑になることもあるのだが。
「チッ、ンなモン……誰でもいいだろうがよオオオ!」
「あはっ! とか言って、さっき答えてたじゃん! ≪こいつ、可愛いな≫って!」
「! テメッ、メローネエエエッ! 何、人の感想バラしてんだよ……!」
「答えてたのは答えてたんだな」
なるほど、ギアッチョはこういうタイプか。
予想通りっちゃあ予想通りかも。
追いかけっこを始めた男二人を横目に、次は誰に聞こうと視線を移して――いた。
「プロシュートプロシュート。お前はどの――」
「こいつ」
「……少しぐらい動揺しろよ」
先程の氷男とまではいかなくとも、せめて表情に驚愕を滲ませてほしい。
平然と答えた彼をじとりと見つめると、それに気付いたプロシュートが鼻で笑った。
「ハン、お前の魂胆なんかバレバレなんだよ。とりあえずポーカーフェイスでも勉強しろ、マンモーニ」
「……(クソー)」
いつか見返す、というより驚かせたい。
だが、自分より年上でさまざまな経験をしているプロシュートを動揺させるには、まだまだ程遠いらしい。
簡単にあしらわれ、少しばかり唇を尖らせた名前は、次なるターゲットを探す。
すると――いるではないか。
コーヒーを片手に、新聞を読む我らがリーダーが。
「リーダー!」
「ん?」
「リーダーは、どの子がいい?」
ソファを飛び出し、彼へその雑誌を見せる。
どうやら、皆もこのストイックな男の反応が気になるのか、視線は一点へと集まった。
「ふむ……つまり、タイプということか?」
「そうそう」
「……」
「(ゴクリ)」
おもむろに持ち上げられた右手。
その指先が向かう先を、誰もが見守っていると――
「……え?」
「お?」
「あはっ」
指し示されたのは、こちら――つまり名前だった。
思わず、≪リーダーってまさか……≫と言ってしまいそうなのを堪えながら、彼はあははと頬をヒクリとさせる。
「ちょ、リーダー。なんでオレを指してんだよ」
「いや……以前、名前が忘年会で女装をしていただろう。≪アリ≫だと思った」
「ぶっ……! 確かに! あれは良かったよなァ!」
「だな。口調さえ直せば、いけるんじゃあねえか?」
「(ギロッ)」
黒歴史。
それをまさか今ここで蒸し返されるとは。
あのときの羞恥を思い出した名前は、背後で笑い転げる年長組を睨みつけてから、紅潮した顔で≪怒り≫を剥き出しにする。
「いやいやいや! アリとかじゃなくて、せめてこの中で選べよ! ホント天然だなあ、あんたは!」
「? なぜ怒る。オレはあくまで思ったことを――」
「だああああ! もういい! シャワー。今、誰も入ってねえよな? よし入る!」
「あ、名前……!」
ペッシの慌てた声も(申し訳ないが)無視して、リビングを出て行く名前。
その後ろ姿を見つめながら、リゾットはただただ首をかしげた。
「どうしたのだろうか……反抗期か?」
「反抗期って。ほっとけよ、別にガキじゃねえんだからよオオオオ」
「そうそう。大丈夫だよ。名前、シャワーでさっぱり流しちゃうタイプだから。なんというか、ツンデレ?」
「まあ、イルーゾォにそう言われるのもどうかと思うけどね」
ギアッチョ、イルーゾォ、メローネが各々で口を開く。
相変わらず騒がしくなる空間に、ふっと紫煙を吐き出したプロシュートはやおら立ち上がった。
「兄貴? どうしたんですかい?」
外へ行くのならば自分も――そう言いたげな弟分に、彼は頭を振るう。
なぜなら、目的地は近いのだ。
「トイレだトイレ」
そう。その場にいる全員が≪男だからこそ≫、気にしていなかった。
アジトのトイレ。
それが、浴室とつながっていることを。
「……あ?」
ガチャ
開かない。
ドアノブを何度回しても動かないそれに、短気なプロシュートは当然青筋を立てる。
「チッ、なんで鍵閉めてんだよ」
仲間内であまりしたくないが、しょうがない。
こちらも切羽詰っているのだ。
そう結論づけた彼がおもむろにポケットから出したのは――細い針金。
「……」
それを鍵穴に差し込み、しばらく動かす。
カチャリ
「ハン、悪いな名前」
ふっと口端を吊り上げた男は、本能の赴くままドアノブを掴んだ。
一方、浴室では。
「……ふー」
服を着ているときとは違い、それなりに凹凸のある身体。
温水で隅々まで綺麗に洗った名前は、シャワーのノズルを回し、お湯を止める。
「さて、と」
今日は仕事もないし、やっぱり部屋に戻ろうか――そんなことを考えながら白いバスタオルを胸元から下へ巻きつけた。
そして、カーテン越しを確認することなく、彼女は布の端を掴んだ。
シャーッ
ガチャッ
「は!?」
「え……!?」
刹那、何が起こっているのかわからなかった。
目の前には、呆然とこちらを見つめるプロシュート。
その視線の先にあるのは、もちろん自分の身体。
たとえタオルで大部分を隠していても、浮き上がる胸の膨らみや素肌で気付かれてしまう。
「〜〜っ」
≪きゃー≫と悲鳴を上げることはしないが、勢いよく両腕で己を覆う。
しかし、髪の先から滴る水や女性特有の色香。
さらに強すぎる現時点でのファーストインパクトが、男の脳内を埋め尽くすに決まっていた。
百戦錬磨と称される彼にしては珍しく、考えもしなかった仲間の秘密。
ようやく再稼働し始めた頭が、最初に命令したのは――
「おん、な……?」
事実確認だった。
「あ、その……えっと……ッ」
「おい名前、どういうことだよ」
「!?(ヤバイ……!)」
浴槽へ向かって、近付いてくるプロシュート。
そのオーラは、当然いつも通りではない。
「ち、違うんだよ! これは、その、事情があって……!」
「ほーう……じゃあその≪事情≫とやらを、今ここでじっくり話してもらおうじゃねえか。え? ……時間はたっぷりあるんだからよお」
「!?!?!?」
漠然としていて正直わからない。
だが、何かが変わる――それだけははっきりと感じ取っていた。
鉢合わせの奇跡
悪足掻きはせず、潔く認めましょう。
![](//img.mobilerz.net/sozai/1610_w.gif)
大変長らくお待たせいたしました……!
暗チと男装夢主のお話でした。
兄貴にバレた夢主は一体どうなってしまうのか……それは皆様のご想像にお任せいたします(笑)。
式様、リクエストありがとうございました!
感想&手直しのご希望がございましたら、お願いいたします^^
polka
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※男装夢主
「……よし」
簡素な一人部屋。
朝、そこでいつもオレ――私は一番上までシャツのボタンを留める。
さすがに性別がわかってしまう胸元も、薄いタオルでグルグルと巻いた。
なぜかメローネからされるセクハラに対する防衛も、ちゃんと備えてある。
「今日も頑張ろ」
声は変えようがないけれど、できる限り低めを意識。
そして、男だらけのある意味むさくるしい集団へ繋がる廊下に出るため、私はゆっくりとドアノブを回した。
しばらくして、リビング前で見えた大きな背中に、名前はたったっと走り寄る。
「おはよー、リーダー」
「ああ。おはよう、名前」
振り向いたのは、私服姿のチームリーダー、リゾット。
とても頼りになる男だが、かなりの確率で天然だ。
あと、暗殺時の格好とあの妙に自己主張の強い頭巾が不思議で仕方がない。
「今日、仕事は?」
「いや……誰もないみたいだな」
「……なんか暇人の集まりみたいだな! オレたち」
「それを言うんじゃあない」
はあ、とため息をつく彼に、名前がにししと歯を見せて笑う。
男だから女だから――そんな固定概念がこの裏の世界に染み付いているわけではない。
しかし、チームは良くても≪女だから≫となめられるのはどうしても嫌だった。
だからこそ、女であることを隠し通して、肉体労働にも近い仕事を必死にこなしている。
敵を欺くにはまず身内から――仲間を騙したいわけではないが、互いの素性をなかなか明かさないチームだ。
お互い様。
馴れ合いすぎて、仕事が疎かになるのも避けたい。
そう、できるだけ淡々と割り切っていた。
「あ、おっはよー! 名前! 今日も完全防備だねえ……剥いでもい? ね、いいよねッ?」
「おはよ、メローネ。いや、剥いでも意味ねえし……大体、お前らが露出しすぎなんだろ」
リビングに足を踏み入れた途端、両腕を広げて飛んでくる変態の顎をアッパーで躱し、周りを見渡す。
すると、どうやら全員が何かを囲んでいるようだった。
「? 何してんの?」
「あ、名前おはよう」
「おはよ、ペッシ。これは……って」
ほんのりと頬を赤く染めたペッシを一瞥してから、その代物へ目を移せば――現れたのはグラビア写真。
水着だから≪うわー≫で済んだものの、もしそれ以上ならば名前は一瞬で口端を引きつらせていただろう。
――男装して特に困ったことはないけど、これはな……正直、あんまり興味ないし。
「名前! ちょうど良かったぜ!」
「なんだよ、ちょうどいいって」
「まァまァ……こっち来いよ!」
豪快に笑うホルマジオに引き寄せられ、その力ゆえにポスンとソファへ座り込んでしまう。
何事だと眉をひそめれば、左隣のイルーゾォが苦笑しながら口を開いた。
「今この中で、どの子がタイプか話してるんだけどさ……名前、どの子がいい?」
「……はあ!? どの子がいいって……」
――そんなこと言われても……。
煌びやかにはしゃぐ女の子や、おとなしめの女の子。
10人はいるその開かれたページを繰り返し見て、逡巡した彼は≪そうだ≫とあることを思い至る。
それは――
「なあギアッチョ。お前、誰にしたの?」
「はアッ!?」
先に周りに尋ねてみること。
もちろん、そのターゲットにされた相手はかなり迷惑になることもあるのだが。
「チッ、ンなモン……誰でもいいだろうがよオオオ!」
「あはっ! とか言って、さっき答えてたじゃん! ≪こいつ、可愛いな≫って!」
「! テメッ、メローネエエエッ! 何、人の感想バラしてんだよ……!」
「答えてたのは答えてたんだな」
なるほど、ギアッチョはこういうタイプか。
予想通りっちゃあ予想通りかも。
追いかけっこを始めた男二人を横目に、次は誰に聞こうと視線を移して――いた。
「プロシュートプロシュート。お前はどの――」
「こいつ」
「……少しぐらい動揺しろよ」
先程の氷男とまではいかなくとも、せめて表情に驚愕を滲ませてほしい。
平然と答えた彼をじとりと見つめると、それに気付いたプロシュートが鼻で笑った。
「ハン、お前の魂胆なんかバレバレなんだよ。とりあえずポーカーフェイスでも勉強しろ、マンモーニ」
「……(クソー)」
いつか見返す、というより驚かせたい。
だが、自分より年上でさまざまな経験をしているプロシュートを動揺させるには、まだまだ程遠いらしい。
簡単にあしらわれ、少しばかり唇を尖らせた名前は、次なるターゲットを探す。
すると――いるではないか。
コーヒーを片手に、新聞を読む我らがリーダーが。
「リーダー!」
「ん?」
「リーダーは、どの子がいい?」
ソファを飛び出し、彼へその雑誌を見せる。
どうやら、皆もこのストイックな男の反応が気になるのか、視線は一点へと集まった。
「ふむ……つまり、タイプということか?」
「そうそう」
「……」
「(ゴクリ)」
おもむろに持ち上げられた右手。
その指先が向かう先を、誰もが見守っていると――
「……え?」
「お?」
「あはっ」
指し示されたのは、こちら――つまり名前だった。
思わず、≪リーダーってまさか……≫と言ってしまいそうなのを堪えながら、彼はあははと頬をヒクリとさせる。
「ちょ、リーダー。なんでオレを指してんだよ」
「いや……以前、名前が忘年会で女装をしていただろう。≪アリ≫だと思った」
「ぶっ……! 確かに! あれは良かったよなァ!」
「だな。口調さえ直せば、いけるんじゃあねえか?」
「(ギロッ)」
黒歴史。
それをまさか今ここで蒸し返されるとは。
あのときの羞恥を思い出した名前は、背後で笑い転げる年長組を睨みつけてから、紅潮した顔で≪怒り≫を剥き出しにする。
「いやいやいや! アリとかじゃなくて、せめてこの中で選べよ! ホント天然だなあ、あんたは!」
「? なぜ怒る。オレはあくまで思ったことを――」
「だああああ! もういい! シャワー。今、誰も入ってねえよな? よし入る!」
「あ、名前……!」
ペッシの慌てた声も(申し訳ないが)無視して、リビングを出て行く名前。
その後ろ姿を見つめながら、リゾットはただただ首をかしげた。
「どうしたのだろうか……反抗期か?」
「反抗期って。ほっとけよ、別にガキじゃねえんだからよオオオオ」
「そうそう。大丈夫だよ。名前、シャワーでさっぱり流しちゃうタイプだから。なんというか、ツンデレ?」
「まあ、イルーゾォにそう言われるのもどうかと思うけどね」
ギアッチョ、イルーゾォ、メローネが各々で口を開く。
相変わらず騒がしくなる空間に、ふっと紫煙を吐き出したプロシュートはやおら立ち上がった。
「兄貴? どうしたんですかい?」
外へ行くのならば自分も――そう言いたげな弟分に、彼は頭を振るう。
なぜなら、目的地は近いのだ。
「トイレだトイレ」
そう。その場にいる全員が≪男だからこそ≫、気にしていなかった。
アジトのトイレ。
それが、浴室とつながっていることを。
「……あ?」
ガチャ
開かない。
ドアノブを何度回しても動かないそれに、短気なプロシュートは当然青筋を立てる。
「チッ、なんで鍵閉めてんだよ」
仲間内であまりしたくないが、しょうがない。
こちらも切羽詰っているのだ。
そう結論づけた彼がおもむろにポケットから出したのは――細い針金。
「……」
それを鍵穴に差し込み、しばらく動かす。
カチャリ
「ハン、悪いな名前」
ふっと口端を吊り上げた男は、本能の赴くままドアノブを掴んだ。
一方、浴室では。
「……ふー」
服を着ているときとは違い、それなりに凹凸のある身体。
温水で隅々まで綺麗に洗った名前は、シャワーのノズルを回し、お湯を止める。
「さて、と」
今日は仕事もないし、やっぱり部屋に戻ろうか――そんなことを考えながら白いバスタオルを胸元から下へ巻きつけた。
そして、カーテン越しを確認することなく、彼女は布の端を掴んだ。
シャーッ
ガチャッ
「は!?」
「え……!?」
刹那、何が起こっているのかわからなかった。
目の前には、呆然とこちらを見つめるプロシュート。
その視線の先にあるのは、もちろん自分の身体。
たとえタオルで大部分を隠していても、浮き上がる胸の膨らみや素肌で気付かれてしまう。
「〜〜っ」
≪きゃー≫と悲鳴を上げることはしないが、勢いよく両腕で己を覆う。
しかし、髪の先から滴る水や女性特有の色香。
さらに強すぎる現時点でのファーストインパクトが、男の脳内を埋め尽くすに決まっていた。
百戦錬磨と称される彼にしては珍しく、考えもしなかった仲間の秘密。
ようやく再稼働し始めた頭が、最初に命令したのは――
「おん、な……?」
事実確認だった。
「あ、その……えっと……ッ」
「おい名前、どういうことだよ」
「!?(ヤバイ……!)」
浴槽へ向かって、近付いてくるプロシュート。
そのオーラは、当然いつも通りではない。
「ち、違うんだよ! これは、その、事情があって……!」
「ほーう……じゃあその≪事情≫とやらを、今ここでじっくり話してもらおうじゃねえか。え? ……時間はたっぷりあるんだからよお」
「!?!?!?」
漠然としていて正直わからない。
だが、何かが変わる――それだけははっきりと感じ取っていた。
鉢合わせの奇跡
悪足掻きはせず、潔く認めましょう。
![](http://img.mobilerz.net/sozai/1610_w.gif)
大変長らくお待たせいたしました……!
暗チと男装夢主のお話でした。
兄貴にバレた夢主は一体どうなってしまうのか……それは皆様のご想像にお任せいたします(笑)。
式様、リクエストありがとうございました!
感想&手直しのご希望がございましたら、お願いいたします^^
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