※死ネタ
※一般人ヒロイン
いいか、名前。
この花が枯れるまでに帰ってこなかったら、オレのことは綺麗さっぱり忘れて、他の男を見つけろ。
ん?
オレみてえな最高の男はなかなかいないって?
ハン!
んなこたわかってんだよ。
それでも。
たとえそうだとしても。
なんとしてでも、見つけろ。
そして──オレが顔も知らねえ奴と一生を添い遂げて、長生きして、しわくちゃの婆ちゃんになって、ガキや孫に囲まれながら息を引き取って──幸せになれ。
……そんな意味で贈ったのによお。
お前ってほんと、バカだな。
けど、だからこそ──こうして会いに来れたんだぜ。
それは、ある年の3月晦日のお話。
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