due




キスを交わして、どれほどの時間が経っただろう。

いつの間にか、懸命にリゾットの舌を吸い上げていた名前は、ふと胸に違和感を感じて唇をそろりと離す。


自分のモノと彼との間に伝う銀の糸にゾクリとしながら、静かに見下ろせば――



「え!? リゾットさん、何して……あんっ」


「せっかく浴室に裸でいるんだ。シよう」


「ひぁっ、ダメ……っ今日は、ダメです……ぁッ」



普通にリゾットが自分の乳房を揉みしだき始めているではないか。

グニグニと形を変えるそれから視線を外しつつ、男の無骨な手を止める。


しかし、何度味わっても飽きない柔らかさを堪能していた彼は、不満そうに少女の顔を覗き込んだ。



「なぜダメなんだ? 生理であることを気にしているなら、気にするな」


「!? だ、だって……っひゃん! ぁっ……しゃべってるあいだは、やめてくださッ……やあ!?」


問答無用というかのように、愛撫を続けるリゾット。

無防備になっている白い首筋に噛み付けば、ビクリと名前は震えた。



「ふ、あっ……やら、はぁっ、はっ……!」


「……生理だからか? いつもより、感じやすそうだな」


「! ちがっ……やぁ! ちがう、の……ぁんっ」


「まあ、名前はもともと性感帯が多いこともある……辛いだろう」


「ぁっ、舐めちゃ……っ弾いちゃダメぇ……!」



耳の裏、そして耳たぶをねっとりと舐めながら、指は乳首をおもちゃのように扱う。

息を切らし、顔を真っ赤にしている名前に、リゾットの身体の芯も見る見るうちに熱が帯びる。

それをわざとらしく押し付ければ、少女はますます肢体を震わせた。


「名前……」


「んっ、はぁ、はぁ……リゾットさんの、あついよ……ッあ」


足が常に捉えている、シャワーのお湯が流れる感覚。

今更だが、外に喘ぎ声が聞こえていないか――快感に囚われた意識の片隅で名前が不安に思っていると、ふと男の胸にあった手が離れた。



「……他のことを考えるとは、ずいぶんと余裕なんだな」


「えっ? あ、そうじゃ……ッ!」



次の瞬間、愛撫で蕩け始めていた身体に鞭を打って、少女は必死に彼の――下へ向かおうとした右手を阻んだ。

気にしない、とは言われたがさすがに自分の赤に染まる指は見たくない。




「……手、汚れちゃいます……っ」


「言っただろう、オレは気にしないと」


「で、でもっ……」



懇願するようにリゾットを見上げる。

その水の滴る姿が眩しくて、思わず視線をそらしてしまいそうになるが、なんとか劣情を孕んだ目を凝視し続けた。


自然となる上目遣い。

愛しい彼女がするそれに、彼がついに折れた。



「……名前がそこまで言うなら、仕方ない」


「!」


すっと離れてくれた男の手。

それにホッとしていていると、リゾットはなぜかおもむろに名前の右足を持ち上げた。


「えっ……?」


そして、シャワーを手に取った彼に、わけもわからず動揺すれば――




「っや、ぁああ!?」



秘部を襲う水圧。

予想だにしなかった快感に、少女は止める術さえ忘れてしまう。


「ひぁっ、おねが……おねがいっ、止めてくださ……あああッ」


「やめる必要はないはずだ。陰核をこんなに腫らして……」


「あっ、ソコ当てちゃ、っ……ひうっ!」


しゃがみ込んだリゾットが、まじまじと花弁を見つめているのがわかる。

せめてもの抵抗と腰を揺らしても、それはまるで自ら快感を求めているようになってしまう。



「ふっ……名前、いつの間にか自分のイイところに当てているんじゃあないか?」


「!? はぁっ、はっ……そんなんじゃ……やぁ!?」


「ほら、こんなに足をガクガクさせているんだ……誰もイくなとは言っていない」


名前の頬を濡らす生理的な涙をペロリと舐めとり、半開きの唇から伝う唾液へ舌を移す。

そして、抵抗を忘れた右手にシャワーの柄を持たせた彼は、ノズルに手を伸ばし――出力を上げた。



「ぁっ、やら……っわた、し……ひぁっ、ぁあああ!」


ガクン


崩れそうになった少女の腰をすかさず右手で支える。

彼女を辱めたシャワーが、カランと音を立てて浴槽の底に沈んだ。

だが、己の左手はいまだに足を持ち上げたまま。



「っぁ……はっ、ん……リゾット、さ……はぁっ、わ、たし」


「名前……」


気が付いていないのか、くたりと自分に押し付けられる胸の柔らかさ。

そっと肩に置かれた白く細い右手。

蒸気と共に溢れ出す彼女の吐息。

さらに、月明かりとは違う光が照らし出す、名前の蕩けた表情と際立つ身体のライン。



リゾットは自然と、もう一方の――左手を自分の右手と絡ませていた。

それに応えるかのように、握り返された瞬間、



「名前……!」


「ぁっ、ああっ!」



すでに限界を示す自分の性器を、少女の小さくもヒクヒクと雄を求める秘部に宛がい、グチュリと突き上げた。


刹那、飲み込むように蠢く肉璧。

いつもはない≪感覚≫が愛液と絡まって、潤滑油の役割を果たしているらしい。


先端は、すぐさま彼女の子宮口を捉えた。


「ッ……まるで、オレの形を覚えてしまったかのようだな」


「はぁ、はっ……だって、リゾットさんが……やぁっ」


「オレが、どうしたんだ?」


「ひぁッ、あっ、あんっ……まいば、ん、するからぁ……!」


「ふっ、今かなり締め付けたが……思い出しでもしたのか?」



シャワーの音に重なる、肉と肉がぶつかり合う淫靡な音。

それに負けないほど、名前の喉からは嬌声が上げられていた。



「っ! そうじゃなっ、そうじゃない、の……ああっ!」


「……嘘はダメだろう」


「はっ、はぁっ……ひゃぁあ!」



お仕置きと告げるように、その反らされた喉にリゾットが食らいつく。

濡れていくすべてに、名前は自分のモノだと自己満足してしまう。

その姿を客観視し、もはや野獣のようだと――小さく自嘲した刹那、こちらを見つめる少女と目が合った。



「……ッ、名前?」


「ぁっ、リゾットさ……あのっ」


「? どうした」



名前が(本当に)嫌がることはしない。

性交においてそれが大前提なのだが、どこか嫌なところがあったのかもしれない。


腰を動かすのは止めないまま、俯いた少女の顔を覗き込むように近付けば――



「!」


「んっ……ふ、ぁ」



肩から後頭部へと彼女の手が移動し、突然重なり合う唇。

胸に広がるのは、自分にとって大切な幸福感。

さらに、舌を差し込もうとする名前に、リゾットはようやく意図を理解した。



「ふっ……≪血が欲しい≫とも言わずに……躾が必要かもしれないな」


「んんっ……!」



主導権はあくまでも自分に。

そんなちっぽけなプライドに笑いがこみ上げながらも、それを優しく受け入れてくれる彼女が愛しいのだ。


血と引き換えに、押し寄せる快楽。

そして、男はこちらも忘れるなと深く、鋭く少女の膣内を突き上げる。



「!? ぁあっ、いきなりしちゃ、やぁっ」


「くッ……この速さが好きなんだろう?」


「ぁっ、あっ……擦るのダメッ、ダメぇ……!」



指に力が入る、互いに重ねた手。

自分の肉棒に負けないぐらい、熱い肉襞。

快感に正直なその二つを、緩急つけて擦り合わせた。



「ひぁ、っあ! リゾットさ、ん……はぁっ、わたし……っもう……!」


「……オレも、注ぐぞ……ッ」


「はっ、ぁッ……は、い……いっぱいくらさ……やぁあああっ!」


「! ……く、ッ」



これでもかと言うほど蠢き始めた名前のナカ。

次の瞬間、びくりと震える少女と額を合わせながら、リゾットは爆ぜる白濁液を注ぎ続けていた。









捕食者にご注意を
一番危ない男に、囚われているのかもしれない――




〜おまけ〜



「〜〜っ////」


「名前……?」


「よ、浴室でもしちゃうなんて……!」


「そうだな。部屋のみだと、愛は深まってもシチュエーション的に萌えないだろう」


「!? そ、その感じだと……まさか、他の場所も考えていたり、しません、よね……?(恐る恐る)」


「……ふっ」


「笑ってごまかさないでください!!」


「誤魔化しているつもりはないんだが……ところで、名前こそ≪その状態≫で浴室から出る気なのか?」


「え? あ……っ////」


彼の視線の先には、自分の内腿に伝い落ちる白いモノ。

それが先程までの行為の激しさを彷彿とさせて、名前の顔は一気に赤くなってしまう。



「えと、洗っていきます…………リゾットさん?」


「ん?」


「どうして、浴槽から出てくれないんですか?」


「後処理までしっかりと行うのが、普通だと思うが」


「!? ままままさか……!」


「……オレが掻き出そう」


「え、遠慮しま――あんっ」



その後、ピクリピクリと反応を示す少女にリゾットが再び欲情し、ベッドへ戻った後も朝日が顔を出すまで名前を美味しくいただいたのは言うまでもない。







番外編で裏でした。
というより、マニアックに近くて申し訳ないです……。
ただ、裏シチュエーションはどれだけあっても足りないぐらいなので、何かありましたらぜひネタをください(笑)。


お読みいただきありがとうございました!
感想などございましたら、clapまでお願いします。
polka



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