『暗殺チームに入ったきっかけ』
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連「大丈夫、ですか?」
ギ「別になんともねえ。……念のため聞くがよオ、さっきの部分だけぶった切るこた――」
連「生放送ですから……(即答)」
ギ「チッ。まア、どうしようもねーな(ため息)」
連「えと、水を差すようで申し訳ないんですが……進めてもいいです、か?」
ギ「(頷き)この放送を進行させんのがテメーの仕事だろ。気にすんな」
連「あ、ありがとうございます! 次のご質問は『暗殺チームに入ったきっかけはありますか?また、どういう過去がありますか?』」
ギ「≪きっかけ≫ェエ? ハッ! ンなモン」
ギ「路地裏でリゾットに喧嘩吹っかけられて、負けたからアイツがリーダーやってたあのチームに加わった。そんだけだぜ」
連「え!? あの、できればもう少しだけ詳しく……(おずおず)」
ギ「ッはア!? 詳しくっつったって何を言やァいいんだ! つかあんま≪いい思い出≫たァ言えねーっつーのに、フザけんじゃねえッ!!」
連「あう。一つずつ聞いていきたいので、そこをなんとか……!」
ギ「……ったく、さっさと質問しやがれ!」
連「はい! まずそれは、ギアッチョさんが何歳だったときのお話ですか?」
ギ「あー……うろ覚えだが確か14だな」
連「差し支えがなければそのときのギアッチョさんについて、教えていただけますか?」
ギ「12で孤児院を出たあとは、街の薄暗えとこでぶらぶらと適当に生きてたが、ちょうどその頃は≪自分たちのシマ≫だなんだほざきながら毎日飽きもせず絡んでくる奴らを殴り飛ばしてたぜ」
連「そ、そうだったんですね……ありがとうございます。最後に……えっと、その」
ギ「ンだよ」
連「どうしてリゾットさんは、ギアッチョさんに喧嘩を挑まれたんですか?」
ギ「……」
連「ぎっ、ギアッチョさん?」
ギ「…………が」
連「え?」
ギ「ッこンの≪リゾットバカ≫が!」
連「へっ!?」
ギ「テメーのその頭ン中は、リゾットばっかかァアアアアアッ!? 無自覚か知らねーがいちいちアイツの名前に反応しやがってよォォオオ――ッ!! にやにやしてんじゃねえぞ、ボケが!」
連「にやにや!?(どうしよう。す、すごく恥ずかしい……っ)ごめんなさい! でもリゾットさんって、喧嘩をするイメージがなくて」
ギ「……チッ。まァ、確かにあンときもそうだったな。リゾットの奴、≪気性が荒いうちの仲間から聞いたんだが『面を貸せ』、だったか。とにかくお前に用がある≫とかなんとか突然抜かすから、正直油断させられたぜ。≪あ、コイツ喧嘩慣れしてねえ≫って」
ギ「だが、結果はあのザマだッ! クソッ! アレは思い出しただけでムカつくぜェエエエエエ! オメーが聞きたがってる、アイツがわざわざ喧嘩売ってきた理由は、俺がチンピラ共をぶん殴りまくってたから、街ン中で目立っちまってたっつーのもある。あとは……」
連「あとは?」
ギ「他の奴らとは違って、≪アイツにゃ俺のスタンドが見えた≫。それが最大の理由なんだろうよ。俺がパッショーネ入りの誘いに乗ったのも、自分の周りに時々現れる≪白い奴≫のことを、ようやくスタンドと認識させられたからだ。俺ァ、組織に所属するまでその≪スタンド≫っつー名称すら知らなかったんだからな」
連「ギアッチョさん……」
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