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  『一番恥ずかしい失態を』


※女装などの話が出ます、注意!




連「次は――」


イ「ん?」


連「『暗チの皆さんにちょっとした下ネタありの過去に犯してしまった一番恥ずかしい失態を聞いてみたいです』」


イ「あー、失態か……」


連「はい」


イ「あの……名前、1つ聞いていいかな?」


連「?」


イ「この質問、≪答えない≫って選択肢は――」


連「できれば教えてほしいです(にこにこ)」


イ「……。うん、前回のラジオ聞いてから、なんとなくそう返されるってわかってた。正直不安だけど、話すよ」


連「お願いします!」


イ「…………名前、引かない?」


連「え? そ、それはお話にもよるんですが……努力はしたいと思いますっ」


イ「ん、そうしてくれると助かる。(名前に引かれたら、たぶんオレ立ち直れねえから)」









イ「オレが暗殺チームの一員になって、9ヶ月ぐらい経ったときの話なんだけど。また1人、チームに入ってきてさ」


連「えっと……どなたでしょう?(ペッシさん、かな)」


イ「メローネ」


連「め、メローネさんですか?」


イ「うん。あいつ、チームに来たの最後から2番目だから」


連「(そうなんだ……)」


イ「で、メローネの話はどうでもい……いや、よくない。あいつらグル、絶対グルだった! あのブロンド組ィ」


連「あ……(察し)」


イ「〜〜あーッ、思い出しただけでもムカつくし、全然気付かなかった自分が恥ずかしい!」










〜回想〜




プ「おい、イルーゾォ。オメーに仕事回ってきたぜ」


イ「……どんな仕事?」


プ「≪潜入≫だ。要人の妻や愛人ばっか集まってるパーティーに行って、ターゲットどもの情報探ってこい」


メ「なんだって!? イルーゾォ、あんたベリッシモ羨ましいぜ! 要人のお気に入りどもが集まるパーティーなんて、ディ・モールトイイ母親がたくさんいそうじゃあないか(舌なめずり)」


イ「変態マスクもこう言ってるんだしさ、こいつの悪趣味なスタンドに任せた方がいいんじゃね?」


メ「んンッ!? 悪趣味とは失礼な! いいかい? 生き物の生殖行為というのは、崇高なモノであって――ブベネッ!」


プ「妙な語り、始めてんじゃねえよ。イルーゾォも、グダグダ言ってんじゃねえ」


イ「……命令は許可しない」


プ「オメーなあ……ゴタゴタ言わずにちゃっちゃと行ってきやがれッ! 新人にゃ、何事も経験が必要なんだ! テメー、その歳で悪いことしたガキみてえにアジトから叩き出されてえか? あ?」


イ「(この説教オヤジ……)」










イ「このときから≪珍しい≫とは思ってたんだよ。オレ、鏡越しに情報を収集することが多かったから、潜入なんて仕事滅多にリーダーから指定されなかったし」


連「イルーゾォさん。そのお仕事は、結局行かれたんですか?」


イ「そりゃあ……って! べ、別にプロシュートの蹴りとグレフルに怯えたわけじゃねえからな!?」


連「は、はい」


イ「……ごめん、熱くなりすぎた。それで話の続きだけど、実際潜入してみたら思いのほか声かけにくて」


イ「どうしようかしばらく悩んでたら、突然1人の美女が話しかけてきてさ。その瞬間、≪こいつから聞き出そう≫って思ったんだよ。(……二の腕もよくて、胸もデカかったし)」


イ「それが間違いだった」


連「間違い、ですか?」


イ「(頷き)不意にその美女に≪二人きりになれる部屋に行きましょう≫って言われて、オレはてっきり……まあ、名前には言いにくいけど、目的はベッドだろうって予測してたんだ……、けどなあ」


連「?」


イ「部屋に着いた途端、その女は鏡台の前にオレを座らせて、化粧道具を取り出したんだよ」


連「???」


イ「オレが潜入したのは――」










イ「VIPたちの≪女装パーティ≫だった」


連「――へっ?」


イ「つまり、会場にいた女は全員男。今にして思えば体格とか声とか違和感はあったかもしれねえのに、そのときのオレは≪私たちの仲間よね? ならちゃんとおめかししなきゃ≫って女に言われてやっと気付いたんだよ」


連「あ、う、えと……その後は、どうなったんですか?」


イ「オレも女装させられた。まあその分、親近感でも持ってくれたのか有力な情報も引き出せた」


イ「結果として部屋に行こうって誘いは、化粧諸々をするためだったからよかったんだけど、さ」


イ「ただ……なんだろう、心は少し汚れた気がする……(遠い目)」


連「た、大変だったんですね……」












連「でも……偶然でしょうか?」


イ「何が?」


連「ホルマジオさんのお話でもそうだったんですが、こうしてプロシュートさんのお名前が登場するのは――」


イ「偶然じゃないッ!」


連「!」


イ「プロシュートは、メローネも言ってたけど≪綺麗な顔してえげつないことする悪魔≫だ! あの後も、オレが≪騙したな≫って責めたら」


イ「≪美女は美女でも、化けの皮を剥げば何が出てくるかわかんねえってこった。勉強になったろ? いい経験、できたじゃねえか≫とかなんとか抜かすんだぜ!?」


イ「しかもリーダーに聞いたら、≪そのような仕事、誰にも頼んだ覚えないぞ? ターゲットたちの情報は、別の方法で探ってもらうつもりだった≫って言うし!」


イ「経験が大事ってのは正しいかもしれねえけど、正直ちょっとだけペッシに同情する!」


連「え、っと」


イ「新人いびりは許可しないィイイ!(絶叫)」


連「(どうか今、プロシュートさんがラジオを聞いてませんように……っ)」





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