『暗殺チームに入ったきっかけ』
ホ「さてと、次の質問に移るか」
連「そうですね! あ、次のご質問は差し支えがなければ、ということなんですが……」
ホ「ん?」
連「『暗殺チームに入ったきっかけはありますか?また、どういう過去がありますか?』」
ホ「あー、なるほどな。俺の場合、他の奴らより大したきっかけじゃねェと思うんだがよォ」
連「はい(ゴクリ)」
ホ「10代の頃から俺はいわゆる≪チンピラ≫っつー奴で。これといった目標があるわけでもなく、だからといって世ン中を憂いてるわけでもなく、ただ気ままに路地裏に屯してるような奴らとくっちゃべったり、時にゃ喧嘩したりして過ごしてたわけだ」
ホ「けどま、さすがに≪このままのらりくらりしてていーのか?≫と不意に思い始めてな」
ホ「だが……そう気付いた頃にゃもう二十歳超えてたしよ、今更学校戻って何かをする気も起こらねえ」
ホ「今よか安定して報酬もそれなりにある、ここら一帯を締める組織の存在を思い出してな」
連「その組織が、パッショーネですよね?」
ホ「おう。しっかし今でも覚えてるぜ……組織の入団試験がかなり変わっててよォ。ライターの火を24時間消さずに過ごすって奴だったんだが、その火を消しちまった瞬間なぜか意識が飛んでなァ」
連「(それってもしかして……)」
ホ「で、次に目ェ覚ましたときには、俺を襲ってきてたらしいその正体が見えるようになって、さらには俺の後ろにも不思議な奴が現れて」
ホ「結局ワケもわかんねーまま合格しちまって」
ホ「あとは縦にも横にもデケェ奴に≪信頼≫がどうたらとか、≪侮辱≫がどうたらとかいろいろ聞かされて……そのあとが、な」
連「? 何かあったんですか?」
ホ「あァ……≪どこでもいいっすよ!(金が入れば)≫って何も考えずに言ったのが運の尽き。結果、配属されたのが」
連「今のチーム……」
ホ「正解。ありゃー驚いた。報酬は予想以上に低かったし、≪殴り方≫じゃなく≪殺り方≫を初めて教えられた頃は、胃ィ痛めては仕事の惨さに吐き、痛めては吐きの繰り返しだったな。ターゲットの反撃に遭いかけたときは、ガチで死ぬかと思ったぜ」
ホ「……正直甘く見てた。思ってた生易しい世界とは全然違ェ、ギャングっつー裏の世界の強大さと危険性を味わったよ」
ホ「ま! いつの間にか≪これは仕事だ≫って割り切るようになって、なんだかんだあいつらと楽しくやってんだけどな! 名前っつー可愛い娘ちゃんにも会えたし、人間関係に関しては万々歳かもしんねェ」
連「ホルマジオさん……」
ホ「ってな感じでいいのか?」
連「はい! 教えてくださってありがとうございます」
>
prev next
15/20