『ペッシとの出会い』
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プ「名前、熱は冷めたか?(顔を見つめ)」
連「は……はい」
プ「ならよかったぜ。次の質問に行くか」
連「(こくりと頷いてから)次はこちらです! 『二人はどういう出会いをしましたか?』」
プ「ペッシにも聞いてた奴だな」
連「そうですね」
プ「オメーにとっちゃ、もういっぺん同じ話を聞かされることになるが、いいのか?」
連「もちろんです! ぜひ聞かせてください(にこにこ)」
プ「ふっ……わかった」
連「ありがとうございます……!」
プ「ペッシは初めて見かけたときから、甘ったれのマンモーニでよお」
連「確かそのとき、ペッシさんは絡まれてたんです、よね?」
プ「ああ。つってもオレは助けてやる気なんざ、さらさらなかったんだがな」
連「え!? そうだったんですか?」
プ「あの界隈でああいう輩に絡まれるってこたぁよくある。たとえ一回や二回、殴られても死にはしねえ」
連「……」
プ「だから、最初は素通りしようとした」
連「なるほど……では、どうして――」
プ「がッ!」
連「!?(驚き)」
プ「ちょうどそのときに、チンピラ共があいつから金を巻き取ろうとしたんだよ」
連「あ、それが許せなかったんですね(にこにこ)」
プ「いや、むしろオレが頭に来たのは、そいつらに対するペッシの反応だッ!」
連「へ?」
プ「あのマンモーニ、大人しくテメーの財布を出そうとしやがってな……その抵抗すらしようとしない態度に、堪忍袋の緒が切れた!」
連「(だからペッシさん、≪助けてもらってから、殴られた≫って仰ってたんだ……)」
プ「……ま、あとはオメーも知ってる通りだ」
連「はい! ありがとうございます!」
プ「ちなみに」
連「?」
プ「≪弟分にしてほしい≫っつって、その場で頭を下げてきたペッシをオレがぶん殴ってから、あいつのパッショーネ入りを認めるまで。名前、オメーはどんぐらい間があると思う?」
連「えっと……三日、でしょうか?」
プ「一ヶ月」
連「(目をぱちくり)」
プ「ククッ、信じられっか? 次の日から、その路地裏でバカ正直に待っててな。オレが道を変えた瞬間、一巻の終わりってわかっていながら、だぜ?」
プ「暗殺者としての矜持、心のあり方、技術。すべてからっきしだったが、オレはあいつのそういう≪強さ≫を買ったんだよ」
連「そうだったんですね……(ふふ。ペッシさん、喜んでるだろうなあ)」
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