緋いNastroで結ばれて
※連載「Uno croce nera...」の番外編
※SM裏





「皆さんのお部屋を掃除したいんですが、いいですか?」


髪をポニーテールにした名前がリビングで放った一言。

皆が皆、組織によって増やされた仕事で忙しいため、せめて自分にできることをしたい――今にして思えば、そう考え至った瞬間から彼女の災難は始まっていたのかもしれない。


胸の前で両手を組み、にこにこと微笑む紅一点に多くの視線が集まる中、もっとも早く反応を示したのは、ビーチ・ボーイを丁寧に磨いているペッシだった。



「え? でも名前、いいんすか? オレらの部屋に入っちゃいけないってリーダーに念を押されてるんじゃ――ムグッ」


「ハン! いいじゃあねえかペッシ。名前がしたいって言ってくれてんだ、頼もうぜ。……それにリゾットの野郎は今買い出し中。ククッ、名前に……いや、名前が≪何しても≫バレるこたァねえよ」


「ちょ……ップロシュート、お前本気で言ってるのかよ……!?」



悪巧みを企てる笑み。それを表情に宿しながら、プロシュートがわざとらしく言い直す。

一方、掃除されると何かしらの不都合があるのか、これでもかと言うほど目を剥いたイルーゾォ。

しかし、彼以外にはその動揺が理解しえないようだ。


ソファに悠々と腰を下ろしたまま、豪快に笑ってみせるホルマジオ。



「ハハッ、何焦ってんだよイルーゾォ。嫌がる必要なんざねーだろォ? どうせならあの喫茶店の服、着てほしいぐらいだぜ!」


「だから! そんな呑気なこと言ってる場合じゃ――」


「ケッ! 部屋の掃除頼むぐれーでいちいち騒いでんじゃねえよ、ネガティブ野郎が」


「な……ッじゃあお前ら、一切持ってないんだな!? ≪名前に絶対見られたくないモノ≫!」




…………。




「え? あはは、見られたくないモノってなんだろうね、兄貴……って大丈夫っすか、プロシュート兄ィ!? ホルマジオもすげえ青ざめてるよ!」


「……お前の兄貴分の反応は正しいぞ。なんつったって……もし名前みてェな可愛い娘ちゃんに、あんな場所やそんな場所探られてよォ、≪アレ≫が見つかったら――」









「女子高校生にナース、人妻、シスター、諸々。〜〜こ、こんな破廉恥なモノをお持ちだったなんて……≪     ≫さん不潔ですっ」(※妄想)








ガタッ


「「「「「ヤバいッ!!!」」」」」


その瞬間、男五人の心は一致した。


廊下へ飛び出したペッシ。

「しょーがねェな〜〜、ハッハッハ」と相変わらず笑ってはいるものの、頬をかなり引きつらせたまま部屋を後にするホルマジオ。

スピードスケーターの如く走り去っていくギアッチョ。

さらに、うなじに右手を置きつつ苦笑を交えたプロシュートは、不思議そうな少女とすれ違いざまにその綿雪のように白い頬へキスを落とす。



「名前、悪いな。ちょっと待ってくれよ?」


「あ、あの……?」


「プロシュート! 抜けがけは許可しないィィ、ってそうじゃなくて! 名前、すぐ戻ってくるから!」


そして最後の一人、イルーゾォは叫びたい気持ちを抑えて、鏡に飛び込んでしまった。


先程と比べて閑散としたその場に、わけもわからぬままぽつんと残される名前。

少なからず狼狽した彼女は、助けを求めるように唯一残った人物へ話しかける。


「? えと、私何か変なことを言ってしまったのでしょうか?」


「んふふ、大丈夫! 名前が気にすることはなーんもないよ。むしろ……何焦ってんだろうね、あいつら。別に隠す必要なんてないのにさ」



すると、満面の笑みを浮かべながら、平然と胸へ手を這わせようとするメローネ。

身の危険。彼の雰囲気から珍しくそれを感じ取ることができた少女は、両腕でサッと覆い隠してから小さく微笑んだ。



「ふふ、ありがとうございます。皆さんが出て行ってしまった理由はわかりませんが……メローネさんはその何かを隠されないんですね」


「(残念、防御されちゃったな。まあいいや、まだ≪策≫はあるし。)そりゃあ! 名前にはもっとオレを知ってほしいぐらいだから。それでオレの部屋なんだけど、早速お願いしていいのかな?」


「あ……よろしいんですか?」


「Va bene、もちろん。ベリッシモ助かるよ。……あ、ただし――」








「≪机の棚の下から二段目≫。ここは絶対に、ぜーったいに触っちゃダメだからね?」








数分後。意気込んだ名前は男の部屋を見渡し、こくりと頷いた。


「よし」


きちんと整頓されている本やノート。

掃除機をかけ始めた彼女は、ふと思い至る。


脳内に過ったメローネの言葉。



「(そういえば、二段目はダメって仰ってたけど……)」



心を侵食する≪興味≫。その気持ちを振り払うように、少女はブンブンと首を横に振った。

だが、一度考え出すと、気になってしまうのが≪サガ≫というもので。


「(あ、開けるだけなら、いいかな……?)」



息を一つ、飲み込む名前。

揺蕩う深紅の視線が貫く、目的の場所。

机の前でしゃがんだ彼女は引き戸の取手を掴み、恐る恐る自分の元へ引き寄せる。


と、出てきたのは――



「えっ、と……縄?」


かなり長い赤色の荒縄。

何に使うのだろう。驚愕と不可解ゆえに首をひねった刹那、少女の背後にぬっと一つの影が生まれた。



「あっあー、見ちゃったんだ」


「!? め、メローネさんっ……あの、これは――」


「オレとの約束を破っちゃうなんて、名前はディ・モールト悪い子だねえ。そんな悪い子には――メローネさんとっておきの、お・し・お・き!」


「(サアアア)」








「きゃああああっ」


アジト内に轟く、切羽詰まった悲鳴。

すると間髪容れずに、いくつもの足音が近付いてくる。


メローネの部屋へいち早く駆けつけたのは、般若の形相をしたプロシュートだった。



「どうした!? 今、変態の部屋から名前の声が……って……」


「ゲッ!?」



そこには――後ろ手に囚われる両手と両足を近付けた、すなわち海老反りの状態で名前が天井から吊るされていたのだ。

付け加えるならば、豊満な乳房の形や肢体の輪郭が際立つように、修道服に包まれた身体はかの有名な亀甲縛りで縛られている。

赤い縄に巻き込まれたロングスカートがかろうじて股座を保護しているようだが、明らかにそういう問題ではないだろう。



「うう……」


「ディ・モールトベネ! いやー……名前が緊縛用の縄を見つけてさ、思わず活用しちゃったぜ!」


「おま……それ絶対≪罠≫だろうが」


やけにスッキリといった顔つきで犯行を言い放つ変態。

肩を竦め、呆れ気味のホルマジオ。ちなみに、彼らの目線だけは常に拘束中の彼女へ注がれていた。



「み、皆さん……んん……ぁ、見ちゃ、いやです……っ/////」


緊縛状態は覗いてしまったゆえにこうなったのだから仕方がない。ただ、男たちから見世物になることだけは勘弁願いたいのだ。

食い入るようにこちらを突き刺す合計12個の眼に言わずもがな赤面するが、どうやら縄は身動ぎすればするほど服越しの柔肌に食い込む性質らしい。

見る見るうちにナミダ目になった少女は俯き、ふるふると首を左右に動かしつつ、微かに色めいた息をこぼしていく。


ところが、無慈悲なことにこの場には助けるどころか、≪懇願≫に対して≪Si≫と宣ってくれる男はいない。



「ッ(これは目をそらしたら、負けな気がするぜ。つか、見逃すはずねえだろ……!)」


「(ヤッベーなァ……これ、リーダーにバレたらガチでヤバい奴じゃねーか。ま、偶然こうなっちまったんだからしょーがねェよ!)」


「(うわー、おっさん二人はニヤニヤしてるし、ペッシとギアッチョなんか赤い顔のまま固まっちゃってるよ……あ、オレ鼻血出てた)」


「ハア、ハア(そもそも女の子一人なのに、リーダー以外と間違いが起こってないことの方がおかしいよねえ……)さてと。ついに……名前の首からくるぶしまですべてを隠しちゃってる、いつも完全防備な修道服の裾を捲るときが――」







ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ






「何をしている」


その後。

両手に買い物袋を抱えた、暗殺者とは思えない男がちょうど帰宅したことで主犯を含めた六人が粛清され、名前は下着を晒されることなく無事未遂に終わった。


一件落着――と思われたが、部屋へ連れられたと同時に彼女はぎゅうと強く抱きすくめられながらリゾットの説教を聞き続けている。



「まったく……あいつらの部屋には入らない、と約束したはずだが」


「はい……ごめんなさい」


しょぼん、と失念していた自分に気を落とす少女。

だが、彼らの部屋へ足を踏み入れたことには理由があるわけで。


≪イタズラ≫と言えどもさすがに怖かったのか、優しい香りが漂う白いシャツをクシャリと掴んだまま名前は彼を静かに見つめる。

無意識にプラスされる上目遣い。



「で、でも……! 最近、皆さんお忙しそうなので、せめて何かしたくて……許可もいただきましたし」


「名前。それが無防備だと言っているんだ。あいつらに限らず、君に近付く男の中には下心を抱く奴もいる。相手を信頼するところは、君の長所だが……実際、気を許しすぎたことで危険な目に遭ってきているだろう。警戒心は持たなければならない」


「あう」



まさに瞬殺。すぐさま言い含められてしまう。


無防備、下心、警戒心。改めて反省ゆえに視線を落としたが、それらの単語には少々納得がいかないらしい。

頷きつつも珍しく唇を尖らせた彼女に、男は口端を少しばかり吊り上げた。



「……どうやら、約束を破った≪イケない子≫にはお仕置きが必要のようだな」


メローネの部屋で信じがたい光景を目にした途端、胸を見る見るうちに埋め尽くした憂慮。さらに、少女の擦り寄るような今の仕草が、欲望という名のスイッチを押してしまったのだ。顔を出す独占欲と願望――≪もっと自分なしではいられないようにしたい≫。


一方、言葉の意味を察した名前は、ただただ青ざめていくばかり。


「お、おおお仕置きって……っその……どのような?」


「ふむ」


迷いを宿す赤い眼。

少々眉をひそめたリゾットは顎に手を当て、刻々と考え始めた。




しばらくして。


「確かに普段通りでは≪仕置≫とは呼べないかもしれない。となると…………、そうだな。まずは服を≪脱げ≫」



漂う無言の空間。瞳をかち合わせたまま、彼女は彼の発言に対する理解にゆっくりと時間をかける。


「ふ、く……っええ!?」


「どうした? 毎晩と言っていいほどその魅力的な裸体を君はいつも見せてくれているんだ、たじろぐ必要はない。それとオレは毎回、名前の一糸まとわぬ姿をしっかり目と胸に焼き付けているぞ」



回答がどこかズレている上に、問題はそこではない。むしろその記憶を今すぐ脳内から滅却してほしい――と、残念ながら叶いそうにない願いを抱きつつ、少女は男の腕の中で一歩後退ろうとした。



しかしその試みすら阻まれ、表情筋が鈍っているのでわかりにくいが、眼前には鮮明に加虐を滲ませた笑みが。



「自ら脱ぐことが難しいならば無理やり剥ぎ取ってもいいが……やはり名前は≪強引気味≫が好きなのか」


「〜〜っ(ブンブン)」


「ふ……少しでも、仕置の内容を和らげたいだろう?」


子宮を震わせるテノールの囁き声。ゾクゾクと背筋を駆け上っていく快感を享受しながら、名前はリゾットから解放された自身を見下ろす。

恐る恐る首元へ寄せられた細く白い手。



「(うう、せめて後ろを向いてくれたら……)」


彼女の切なる想いは届かず、食料としてカエルを射竦めるヘビのように、まじまじとこちらを貫く視線。

戸惑いと共に、ボトリと音を立てて足元に落ちる黒い修道服。

パステルカラーのブラジャー。そしてショーツ。


ついに、少女を守るモノは何もなくなってしまった。



「……りぞ、とさん……あの」


心を侵食するいたたまれなさ。

早くテンポを刻む鼓動。肌はひたすら火照るばかりだ。


止めどない羞恥ゆえに下唇を噛んだ名前が、そそくさと己の腕で裸体を抱き締めようとすると――



「こら、手で隠すんじゃあない」


「ぁ……っ」



文字通り、あっという間に手首を掴まれてしまう。

爪先からつむじまで。おもむろに目線を移動させていった彼が、前触れもなくぽつりと一言。


「≪ご主人様≫。今日はオレをそう呼ぶように」


「え!?」


「ん? なぜそこまで驚く。以前、メイド服のときにもそう呼んでくれただろう」



それはメイド服という名の雰囲気に囚われていたからこそ、なんとか言えただけで。


慌ててそう紡ごうとするも、彼女のすべてを包む有無を言わせぬ眼差し。

従う他ない。深い色の眼光に息をのんでから、深紅を潤ませた少女はおずおずと唇を動かし――



「ご、ごしゅじんさま……?」


「ッ……イイ、な。(やはりイイ。こんなにもはにかんで、可愛すぎるぞ……)」



その一言で容易く満たされてしまう支配欲。

次の瞬間、男は少し力を入れれば折れそうな手首からするりと手を離した。


すると行き場を失った両手が、華奢な躰つきにしては豊かなバストと股座を隠したくてたまらなさそうに動く。

加えて、馬のしっぽのようにゆらゆらと揺れるポニーテールに口元を緩ませつつ、名前の頭を穏やかになでたリゾット。


「少し待っていろ」



ゴソゴソ

しばらくして、机の引き出しの中から彼が取り出してきたのは、ずいぶん長めの緋いリボン。それと現状の繋がりを見つけることができず狼狽えていると、約2センチ幅のリボンが突然女体に巻き付けられ始めた。



「……」


「へ!? や、やだ……っ、え、ひゃあ……ご主人様、なんで……!」


「……こら、動くんじゃあない。メローネにはおとなしく従ったと言うのに、主人に縛られるときは拒絶するのか?」


「!」



もちろん前者は不意打ちであり、事故であって――そう理解しているにも関わらず、すぐ独占欲に掻き立てられる自分の心。

大人げないと自覚はしている。

だが、大きく目を見開いた彼女はひどく申し訳なさそうに抵抗をやめてしまうのだから、効果覿面だ。


数十秒後。思わず男からこぼれたのは、コスプレをさせるたびに決まって口遊む言葉。



「ふ……いい眺めだな」


「やぁ……、ん……おねが、とってください、っ」


「? 取ってどうする。せっかく巻き付けたんだ……もったいないだろう」


縛り付けられた手首や足首から首元。興奮をもたらすコントラスト。

あえて隠した乳首や割れ目に沿って布を食い込ませた秘部が、より情欲をそそらせた。

鎖骨の前で大きな蝶々結びが施された緋。まるでプレゼントだ――そう歪んだ口端に少女はただただ視線を落とす。



「名前。次はベッドに仰向けになれ」


「は、い」


「オレに秘部を見せつけるように足を開くんだ」


「っ……/////」



今から撮影されていくかのような的確な指示に、ますます朱に染まる頬。


「ん。いい子だな」


一方、満足げに頷きながら少々息を荒げたリゾットが名前に覆い被さった。

そして、一纏めにされた手首を頭上に抱え上げてから、胸部の布を歪な形に変えた原因を人差し指と親指の腹で捏ねくり回していく。



「ふ……どうした。乳首が先程より浮き彫りになっているぞ」


「ひぁっ!? ぁっ、や……んっ……ふ、ぅ……くにくにしちゃ、っだめ、ぇ!」


「こんなにも恥ずかしい格好をしていると言うのに、興奮したのか?」


一頻り小刻みに震える彼女を襲う電撃。

強い快楽に抗おうにも、身動きを取ることができない。

ふと彼が谷間を横切るリボンを指で弄べば、ぶるんと弾けるようにたわわな乳房が揺れた。



「ぁあッ……はぁ、っはぁ……あん……やらっ、ごしゅじ、っさま……ぁっ、あ……!」


刹那、布越しですらはっきりとわかるほど、際立った胸の頂きを唇で咥えた男。

赤子のごとく無心でしゃぶられ、左右交互からピチャリ、クチュと攻め立てる水音に喘ぐ少女。


時折肌を啄まれたかと思えば、舐られる感覚。濡れた箇所だけが濃く変色するため、ひどく卑猥だ。

そうした最中、わざと恋人へ見せつけるように舌先をゆっくり動かしていたリゾットは、不意に右手を下腹部へ這わせ――



「ん? これは……」


「!」



秘境の湿った触り心地に、膨らみが解放されると同時に彼が身体を下へずらす。

すかさず間に入られ、足を閉じることすらできない。掴まれる内腿。



「この部分だけ、色が変わっているな。ヒダがリボンを離すまいと咥え込んでいて、取ることができない」


「ふ、っぅ……らめっ……なか、ぁっぁっ……くいこんじゃ、っぁ、ひゃああ!」


「リボンを引き上げるだけで膣口をヒクつかせるとは。敏感なクリトリスだ」



一つ結びされた部分がすでに勃起した陰核を刺激するのか、より甘やかなモノへと変わる嬌声。

寄せては引いていく絶頂の波。


しかし指先で肉芽を覆う包皮を直接剥かれた次の瞬間、名前は惜しげもなく白い喉を晒していた。


「っん、ぁ、っ……ひゃうッ……ふ、ぁっ……ごしゅ、じっ、さま……あんっ、ぁっ、あっ……イ、ちゃ……イっちゃ、ぁっ、ぁあああんっ」


身動ぎができないなか、精一杯弓なりになる背筋。

同時に尿道から飛び散った体液に、陰裂に食い込むリボンを横へずらしつつ男があえて責めるような口調で紡ぐ。



「ふ……また噴き出してしまったのか」


「はぁっ、はぁ……わた、し……」


「シーツをびしょびしょに濡らして……あとで洗濯しなければ」


「! ごめ、なさ……っ」



絶頂の余韻に浸る肢体。すると、先程とは打って変わってリゾットが、相変わらず息を乱す彼女を優しく手招いた。


「名前」


「?」



首をこてんとかしげてから、気だるい上体をのそのそと起こす。

心で交わる期待と不安。内緒話をするように顔を近付けてきた彼に一度は安心したものの、無防備な耳孔を吐息が掠めた途端、言いようのない性感が胎内からうなじを駆け抜けた。


ビクン、と痙攣する全身。


「ひぁんっ……ぁっ、はぁ、はぁっ……みみ、らめぇ」


「ああ、すまない。名前はここも性感帯だったな」


「〜〜っ」



わざとですね――キッと精一杯睨みつける少女。

だが、悲しきことかな。その効果はまったくないと言っても過言ではない。

なぜなら男の心中では、名前の発言、仕草すべて≪可愛らしい、いじらしいetc.≫と変換されてしまうのだから。


しばらく表情をほころばせていたリゾットだったが、本題へ戻そうと紅潮した耳たぶにそっと口付ける。



「それでなんだが、――――」


「!? な、にいって」


耳元で放たれた≪命令≫は想像を越えるモノだった。

焦燥と羞恥。それらを胸に彼女が示す拒否。



「言えないと言うならば、続きはできないな」



とは言え、やはり拒否権はないらしい。

深い意味を湛えた彼の視線にそう悟らざるをえない。


大きく安堵をもたらす男の手が慈しむように頬をゆるりとなでた刹那、それが合図となったのか少女は縛られた自分の躯体に鞭を打つ。


「はぁ、っ……はぁ……っん」



部屋の明かりに照らし出された薄紅色の花弁。

恥ずかしげもないM字開脚で、顔から火が出てしまうのではないかと錯覚に陥るほど熱を帯びた名前は、≪おねだり≫をおずおずと紡いだ。



「ぁっ……ごしゅじ、さまの……ふと、くてあついの、を……その、名前のナ、カで……っ、うう……」


「ふむ、愛液でグショグショに濡れた名前のナカでどうすればいいんだ?」








「〜〜い、いっぱい……はっ、はぁっ……ん……ずぽずぽ、っして、ぇ!」


もはや自棄だったのかもしれない。

穴があったら今すぐ入りたい彼女に対して、平常心を保とうと試みるリゾット。


しかし、可愛い恋人のあられもない姿といやらしい懇願に、欲の塊である男根は痛々しいほどズボンの中で限界を主張していた。


「ッは……そうだな。オレの指示通りではなかったが、いいだろう。(むしろ想像した以上に≪たまらない≫)」


「ん、ぅっ、ふ……ごしゅじん、さまの……っばか、ぁ」




ちなみに、彼がどのような指示をしたのかは、皆様のご想像にお任せする。



「っ」


焦燥気味に脱ぎ捨てられる衣服。彫刻のように逞しい裸体と情欲に滾る男性器を見て、これでもかと言うほど少女の身体にこもる緊張ゆえの力。

この緊迫感に、名前が慣れることは、ない。


そして、手首を締め付けるリボンが緩められたかと思えば、あっという間に横抱きされてしまった。


「きゃっ」


「名前。今日はシーツではなく、姿見の左右を掴むんだ」


「……ぇ、っ!? そ、それって」



縦長の鏡の前に立たされた瞬間、ふらつく足。

すると、後ろから腰辺りを支えながら、躊躇う彼女の顔を男が覗き込んでくる。



「どうしたんだ? 枠を掴むだけだ、できるだろう」


「こ、この格好で……あの、ほ、本当に……?」


「……忘れていないか、名前。これは≪お仕置き≫だぞ」


「っ……はい」



少女の躯体も心も、隅から隅まで服従によって捕らえられていた。


姿見の前に立つ二人。ふとリゾットが鏡越しに見えたのは、首筋や胸元に散らばった赤い華。全身を纏う緋いリボン。ひどく潤む紅い双眸。


自然と歪む唇。名前は本当に赤が似合う。

仕事としていつも目にしている≪どす黒い赤≫ではなく、美しい赤が。



「ッ」


「ひぅ……っぁ、あん……ごしゅじ、さま、っ……はぁっ、ぁっ……おし、り……掴まな、でぇ」



突如、小ぶりな恥丘を鷲掴まれ、背後の彼へ後孔や蟻の門渡りと呼ばれる会陰を晒すように左右へ押し拡げられた。

言わずもがな高まる羞恥。


「やっ、ん……!」


先走りと蜜が淫靡に交じり合って、ヌチャヌチャという音と共に焦熱が内腿に擦り付けられる。


不意に鏡を通してかち合った赤と紅。

次の瞬間、はにかむように視線をすぐさま彷徨わせる名前。

さらに膨らむ愛おしさ。



この子は自分をどれほど虜にすれば、気が済むのだろう。


「んっ」



溢れる気持ちに従うがまま、恐る恐るこちらを振り向いた彼女の桜色の上唇を食む。


「ふ、ぁっ……ン、はぁっ、は……ぁ、んん……っ」


「ん……、は……ッ名前」


流れるように少女の口腔へ侵入した舌。顎先に垂れるどちらのモノかもわからない唾液。存分に熱い口内を貪り合い、名残惜しそうに離れた二人の間を伝う銀の糸。

一度ならず何度も、トクリと跳ねる心音。


そして、視線を交わらせつつ男の唇が自然と愛の言葉を紡ぎ出せば、柔らかな頬はますます朱を帯びた。



「! ず……ずるい、です」


「ずるい?」


「〜〜はっ、ぁ……そうですっ! こんなときに、いうなんて……っりぞ、とさんの、イタリアーノ!」


「……」



今はご主人様だろう――と訂正する気持ちも起こらない。

あるのは≪納得≫。ただそれだけ。



「確かに。……名前の言う通りかもしれないな」


「え? あの、どういう……っぁ! やっ、ぁあああ!?」


刹那、赤く熟れた膣肉へ背後から無遠慮に捩じ込まれた、淫欲によって張り詰めた陰茎。

名前の言う通りだ――自分は、≪神≫に囚われた聖女をまんまと誑かし、できるだけ誰にも触れさせないようあらゆる手段を以て閉じ込めているのだから。

言葉。温もり。吸血。そして快感。


一方追い出す、というよりは歓迎するかのように収縮する狭い蜜壷に、苦悶と自嘲ゆえにリゾットは眉をひそめる。



「(ふっ、なんて罪深いんだ。しかし、だからこそこの子やチームを貶める輩は滅ぼそうと――消し去ろうと躊躇いなく思える)」


「ぁっ、ぁっぁっ、あん……ふ、ぁ……ひぁっ……ぁっ、んん……ごしゅじ、っさま、ぁ」


「く、ッ……」



理性を掻き消し、本能を煽り立てるのは、情愛と背徳感。

育まれる人間らしさ。


彼女の腹部に回した手に改めて力を込めた彼は、ズチュリ、ズチュリと痙攣する肉襞を確かめるように下から鋭く突き上げた。


「やぁあん!? っ、ぁ……らめっ、ぁっ、あっ……はぁっ、はっ……ひっ……そ、なに動いちゃ……やら、やらぁっ!」


「やだ? こんなにも恍惚とした顔をしているというのに、よく言う」


そこでようやく自分が今掴んでいるモノ、さらには自分たちが身体を重ねている場所を思い出す少女。

ナミダを浮かべた瞳を見張りながら、名前は鏡から視線を外そうとする、が。



「ぁ……!?」


「視線をそらすことは許さない。前を見るんだ。リボンで縛られたいやらしい姿を、オレのモノをすべて飲み込んでしまった結合部をしっかり目に焼き付けろ」


「はっ、はぁ……ん、やら、ぁっ」


右手に固定された顎先。生理的なナミダに彩られる頬。


こぼれるその水滴を掬うように、彼がぺろりと目尻へ舌先を添わせた。

そして、鏡の方へ顔を戻せば、膣内から分泌された愛液が肉棒の根元をテラテラと濡らす。



「ッビクビクと膣を締め付けて。わかっているのか、名前。今君は……姿見の前で、痴態を晒しているんだぞ?」


「ン、っぁ……おねが……ぁっぁっ、言わな、っで……や、ぁ……!」


「ふ……ナカがさらにキツく締まったな。一年でずいぶん淫乱な子に育ったものだ」


「ぁっぁっ、あん……ら、って……らって、ぇっ! ごしゅじっ、さまが……っいっぱいさわ、て……ひぁっ、ぁあん」



室内に漂う情事の香り。

律動によって速まる二つの吐息。


「はッ……名前、名前……名前、ッ」


「んんっ、ふ……ごしゅ、じんさま、ぁっ……ぁああ!?」



次の瞬間、血を取り込むように、≪吸血鬼≫の首筋へ唇を押し当てる≪人間≫。

男が何よりも望むのは彼女の拠り所であること。もっと自分に、縋ってほしいと思う。


足が掬われるほど深い沼から抜け出せなくなるまで、≪抜け出したい≫とすら感じなくなるまで、堕ちてしまえばいい――劣情として現れる≪本能≫が、そう囁いた。



「名前……」


「っぁっぁ、っあ……ぁっ、や、ぁん……わた、しっ」


「ッふ……もうイきそうなのか?」


「ひぁっ! ぁ、んっ……ごめ、っなさ……でもっ……ぁっ、あんっ、ふ……ッも、イっひゃ」



泡立つ体液が鏡にまで飛び散る。腰を揺らしたまま小柄な少女を抱き込んだリゾットは、色めいたテノールを響かせた。


「ッ、名前。オレも最奥に注ぐぞ……」


「んっ、ふ……ぁっぁっ、あっ……はい、っ……ごしゅじ、さまの、くらさっ……ン、っぁ……ひぁ、っぁ、っぁああん!」


「く……ッ、ぅ」



亀頭と密着した子宮口を押し上げるかのごとく爆ぜたひどく熱い白濁液。

だが、膣内から圧迫感が消えることはない。


「名前。子種が胎内に染み込むよう、しばらく≪栓≫をしておかなければな」


「ん、ひぁっ……は、い……っ」



いまだ残る鋭い快感に震えつつ、小さく頷いた名前は想いに導かれるように精悍とした胸板にそっともたれかかった。









「名前?」


「……」


官能に乱れた二つの息が空気に滲んだ頃、ぽつりと紡いだ名前が室内に虚しく響く。

ベッドへ寝そべった白い肌には、いまだ外されていない緋いリボン。

動きづらいに違いない。それにも関わらず、名前は「話しかけてこないでください」と言いたげに白い布団を頭上まで被っていた。


興奮の余韻はいまだ体内に残り、ひどく熱を帯びているため寒くはないが、隣から一切反応のない恋人に案の定慌てるリゾット。



「怒って、いるのか? だが、リボンで包まれた上に、≪ご主人様≫とはにかみながらも呼んでくれた君があまりにも可愛らしくてだな……いや、それがいけないのか。すまない」


一挙一動に導かれるがまま、現れては消える動揺。

それにしても、何度≪会話禁止≫や≪接触禁止≫を宣言される危機に瀕しても、彼女を組み敷いてしまうとは――なかなか懲りない性欲である。


野獣から賢者へ。切り替わったことで冷静が胸中を覆い尽くしたのか、彼がガクリと項垂れた。その動作に釣られてさらさらと揺れる美しい銀。



「(どうする? 確かジャッポーネには、責任を取るための≪切腹≫とやらがあったが、止められるに違いない。……名前はメタリカが好きだが、メタリカを出そうと思えば切腹と変わらない惨事になってしまう。むしろ、何かで彼女を釣るのはいかがなものか。となれば……どうすればいいんだッ!?)」


「あの、リゾットさん?」


「!? 名前ッ! ゆ、許してくれた、のか……?」


「え……? そ、そんな。私……元々リゾットさんに怒ってるわけじゃないですから、ね?」



ごそごそと素肌とシーツを掠めながらこちらを向く少女。誤解を招いてしまったのならごめんなさい――そう眉尻を下げて謝る恋人を、男はぎゅうぎゅうと抱き込む。

広がっていく安堵。だが同時に、ある一つの疑問が脳内に浮かんだ。


「ん……? では君は、なぜそのような表情をしているんだ?」



呆れと苦笑と羞恥。まさに複雑な面持ちと呼んでも過言ではない。

体温は低くも、確かにここにある優しい温もりを腕に閉じ込めたまま、リゾットは黒目がちの瞳を以て見つめる。


その瞬間、きょろきょろとあらぬ方へ彷徨う紅い双眸。


「あ、う、えと……それは……」


「それは?」


「〜〜っ」









「リボンで縛られたのに、≪気持ちよかったな≫って思った自分に怒ってただけ……です」



べ、別に私はそういう体質じゃなくて、リゾットさんに触れてもらえるからこうなっちゃうんですよっ?――と赤らんだ頬で珍しく捲し立てるように叫んだ名前。彼女は、切迫する恥ずかしさにそそくさと背を向けつつ、火照りが再来した顔を改めて白い布団で隠そうとする、が。


当然、許すはずもないのか――




「ふ……逃がさないぞ」


「ひゃ……っ、ぁ、え……リゾットさん?」


グイッといとも簡単に引き戻されてしまった。

少女が目をぱちくりとさせるなか、より密着する一糸まとわぬ姿の二人。

そして、頸部あたりにそっと無骨な指が添えられたかと思えば、彼は繊細な手つきで拘束具となっていたリボンを解いていく。


突然の行動、さらになぜか姿見を一瞥した男に対して、当然ながら≪どうしたのだろう≫と首をかしげた。



「? えっと……?」


「名前。プレゼントは、開ける前はもちろんだが、≪リボンをほどいた後にも楽しみがある≫と思わないか?」


「え? ……! ま、まさかっ」


「ああ、察しの通りだ」


ふわふわとそよぐ前髪へ贈られた甘いキス。

やはり≪バック≫というモノは目が合わせられなくて辛いな。次はこのまま、向き合ってシよう――そう耳元で紡がれたテノールと共に、屈強な肉体によって一瞬のうちに抱き込まれた小柄な身体。

こうして、ベッドの脇へ憐れにも追いやられたリボン以上に顔を紅潮させた名前は、いつものごとく恋人に捕まってしまうのだった。









緋いNastroで結ばれて
それは――身体を縛れば拘束具、小指同士で結ぶと糸になる。




〜おまけ〜



翌朝。ある意味お約束で絶賛寝不足中の名前は、あくびを噛み締めつつのんびりと廊下を歩く。



「ふあ……、んっ(うう、眠たい……)」


「あ、名前」


「イルーゾォさん!」



どこからともなく届いた声。


慌てて顔を上げれば、眼前には壁にかかる鏡からちょうど抜け出たイルーゾォの姿が。

見知った人との邂逅に穏やかな笑みを浮かべた彼女は、激痛を帯びる腰も顧みずに彼の元へ駆け寄った。


「おはようございますっ! えと、どうかされたんですか?」


「いや! べ、べべ別に何もないんだけど……さ」



何もない。そうは言っているものの、明らかに挙動不審だ。

一体どうしたのだろうか――深紅の瞳を微かに丸くした少女がこてんと首を傾けると、何かしらの意を決したらしい。男が静かに口を開く。



「その……なんていうか……昨日、のことなんだけど」


「(昨日? もしかしてお掃除のことかな……)はい」


「ッごめん! やっぱなんでもない! オレ、用あるの思い出したから!」


「え? あ……」



刹那、青ざめた顔をブンブンと左右に振ったイルーゾォは、名前が声をかける間もなく走り去ってしまった。

頭上に漂い続けているクエスチョンマーク。

そう。彼女は知る由もないのだ。







とある情事。それが、アジトの中でも人気のないところへ向かった彼の脳内にこびりついて離れないことを。



「ああああ、ダメだ! あの光景が頭に浮かんで、名前のこと直視できねえ……!」


「はっはーん、なるほどねえ。清純なイメージとは正反対の名前を思い出してセクハラの一つもできなかったワケだ。ホントあんたってディ・モールト、マンモーニ!」


突如背後からからかうように飛び込んできた言葉。

加えて、追い打ちをかけるように紡がれたのは、ペッシが度々プロシュートから叫ばれている≪マンモーニ≫。

今、もっとも言われたくない単語が心に突き刺さり、言わずもがな男はグッとたじろぐ。



「別にマンモーニじゃ……って! い、いきなり背後に立つなよ!」


「あは、ごめんごめん。でもさあ、リーダーと名前のセックスが激しいことは元から知ってただろ? アジトに防音なんて優れた機能ないし」


「〜〜ッ≪見る≫と≪知る≫とじゃ全然違うだろ! 大体メローネ! お前が≪ちょっとでいいからリーダーと名前の性生活見させろ≫って言うから、オレは仕方なく、マジで仕方なーくマンミラで…………、あ」


「ん? どうしたんだい? この世のものではないモノを見たような顔して――」











「お前たち、ずいぶん楽しい≪覗き≫を堪能したようだな」


勢いよく振り返ったイルーゾォの視線の先。

メローネの肩越しに立ちはだかる、腕を組んだ当事者。

ゴゴゴゴゴ、と二人を見下ろす彼から地響きが聞こえてくるのは残念ながら気のせいではない。


気付かれていたのか――現実逃避をしたくてたまらない男とは正反対に、変態はリゾットに向かって挨拶を交わすように意気揚々と右手を挙げた。



「やあリーダー! もっちろん! 数え出したらキリがないけど、なんと言っても名前のトロ顔がベリッシモよか……グエッ」


「頼むからお前はもう黙ってろ! リーダー……あーっと、いろいろ言うべきというか、謝るべきなんだろうけどさ…………とにかくッ! アジト内で殺人は許可しないィィイイ!」


息を荒げ始めたメローネを素早く殴り、そう絶叫するや否や、顔の前でバツ印を掲げるイルーゾォ。かなり必死だ。


ところが、あくまで無表情の男から返ってきたのは、想像以上に呆気ない反応だったのである。



「まったく、何を言い出すかと思えば……。頼りにしている仲間を殺めるほど、オレはさすがに無慈悲ではない」


「(ホッ)」


「ただし」










「昨日の光景をすべて忘れる程度には、鉄分を吐いてもらうぞ」


「え。そ、そそッ、それってかなりヤバいんじゃ……ちょ、たんま! メタリカは許可しな――ゲボァアアッ!?」


「ブベネッ! ハア、ハア……金属を吐くこの感触たまらないけど、待ってくれリーダー! ちょっとだけなんだよ? ちょーっとリーダーと名前のプレイを覗いただけなんだぜ? ハアッ……ベネ、下唇を噛んで、鏡越しのオレに乞うようなエロい視線を向ける名前を思い出しただけで股間が反応して――」


「それが言語道断だと言っているんだッ! メタリカァアア!」



恋人に対する卑猥な発言を耳にしたことで、あっという間に≪怒り≫を露わにしたリゾット・ネエロ(28)。


金属音と共に響き渡る雄々しい悲鳴。

そして、想い慕う彼の怒声が鼓膜を震わせたのか、相変わらず小首をかしげた少女がその場へやってきてしまった。


「(今、リゾットさんの声と悲鳴が……)え!? お二人共、どうして……」


「名前……ふ、こいつらのことは気にするな。それよりお腹が空いているだろう。シリアルとりんごを切り分けてあるから食べよう」


「? はい……、?」


壊れ物を扱うかのように右手をそっと握られ、後ろ髪を引かれる想いを抱きつつも食卓へ誘導されていく名前。

男女が去ったそこはアジトの隅。カミソリ諸々を吐き出した二人の姿は、しばらく誰にも保護されることはなかったらしい。





終わり








大変長らくお待たせいたしました!
リーダーと連載ヒロインでSMでした。
リクエストありがとうございました!
最後、イルーゾォとメローネに被害者になってもらいましたが……いかがでしたでしょうか?


感想&手直しのご希望がございましたら、clapもしくは〒へよろしくお願いいたします!
Grazie mille!!
polka



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