整体師にお任せ
※天然ヒロイン
※甘裏






暗殺チーム1キレやすい男――ギアッチョには、(本人の前では口が裂けても言わないが)目の中に入れても痛くないほど可愛がり、周りが五十歩は後退ってしまうほど溺愛している恋人がいる。


彼女の名前は名前。

かなりのんびりとした性格からなかなか暗殺の任務は指名されないが、その分仕事で扱う情報収集や操作に関しては誰にも引けを取らない、れっきとした暗殺チームの一員だ。



「お邪魔しますっ」


「オイ、何緊張してんだ。俺の部屋なんていつでも来てるだろうが」


「そ、そうだけど……ギアッチョの部屋だからこそ、緊張しちゃうん、だもん」


「……お、おう……そうかよ。(いーんだよな? 緊張してるっつことはつまり、これからヤることをわかってるっつーことだよなァ――ッ!?)」



ぶっきらぼうだが、彼のはっきりとした告白を経て、ようやく恋人という関係になることができた二人。しかし安心したのも束の間、男の胸には最近ある≪ジレンマ≫が蔓延っていた。


――付き合って半年。少女とまだ一線を越えられていないのである。

≪今日こそ≫。一体何度、意を決しただろう。


仲間の多くが眠りに就いた深夜。その日もまた、ギアッチョは報告書を整頓し終えた名前を自室へと招いていた。



「ギアッチョ、今日は何するの?」


「何って……ンなモン…………、≪遊ぶ≫に決まってんだろうが……」



緊張も交わったせいか、彼の口から溢れたのは自分がもっとも好まない遠回しな表現。とは言え状況が状況だ。通じているだろうと鷹を括っていた男。


ところが、こてんと首をかしげた彼女の手にかかれば、その言葉は≪ありのままの意味≫へと変わってしまう。



「遊ぶ……? あっ、そっかあ! 前に言ってたもんね、今度あのゲームの続きしようって!」


「は?」


「ギアッチョ強いから、今日もちょっとだけハンデ付けてね? ……はい、コントローラー!」


箱から取り出される二人分のそれ。

無表情――というよりは無心をしばらく貫き通したギアッチョ。

どうしたの、と言いたげな≪天然≫な少女。


ああ、なんということだろう。顔を覗き込んでくる名前に、渋々コントローラーを受け取りながら、彼は内心絶叫した。



「(クソ! 呑気にニコニコしやがって……ッいちいち可愛すぎだろ、チクショオォ――――ッ!)」


自分の言葉足らずと行動力のなさに悶えるその姿は、さながら≪狼≫になりきれない男。

彼女とゲームづくしの一夜を過ごした翌日は、楽しさと悔しさゆえの寝不足に膨らむばかりの欲求が重なって、ギアッチョの機嫌は特に悪かった。


そんな悶々とした日々を過ごす彼だったが――ある日のことである。









「ギアッチョ! ギアッチョって、マッサージ得意なのっ?」


「あア?」



いつも通り、キャミソールにショートパンツという無防備な格好で部屋を訪れた少女が、キラキラとした眼差しでそう呟いたのは。

何言ってんだ、コイツ――訝しげな色を表情に宿す男に対して、名前は相変わらず期待に満ちた瞳を携えたままベッドへちょこんと腰を下ろす。



「実はね! 腰がちょっとだけ痛いから、揉んでほしくて――」


「待て待て待て待て! オメーな、勝手に話進めてんじゃねえ……つか、なんの情報だよ!」


「え? ≪ギアッチョってマッサージがベリッシモ上手いんだぜ? テクニシャンだぜ?≫って、メローネから聞いたんだけど」


「……(あンの変態ッ……またコイツを誑かしやがってェエエエッ!)」



隙あらば彼女に近寄ってくるメローネ。抜け目のない男の行動にギアッチョが苛立ちで歯ぎしりをすると、さすがに気付いたのだろう。申し訳なさそうに眉尻を下げた少女がおずおずと口を開いた。


「もしかして、違うの……?」


「違うに決まってんだろ! 俺が、≪特技はマッサージです≫なんて言ったことあったか!? メローネの奴、俺のことナメやがって〜〜ッ!」


「そっかあ…………うん、わかった!」










「マッサージは、メローネにお願いしてくる!」


「……は?」



ありがとう――柔らかな笑顔で感謝の気持ちを述べつつ、平然と部屋を出て行こうとする名前。


当然、彼はそんな彼女の細腕をすかさず掴み、強引に引き戻す。

そして部屋に響き渡る怒声。



「オイ名前ッ! テメー、フザケてんじゃねえぞ! こんのボケがァアアアッ!」


「え? ええっ?」


「俺はオメーのなんだ! あ? 三秒以内に言ってみろ!」


「えっと……恋人?」



少女の頭上に浮かぶ、はてなマーク。

ちょうど同じタイミングで男の額にますます浮き上がった、青筋。



「なンで疑問形なんだよ! 正真正銘、恋人だろうがッ!」


「う、うんっ! 恋人! ギアッチョは恋人だよ! ……ん?」


「テメッ、まだわかんねえのか! その恋人の前でよォ――ッ! ≪他の男に会ってくる≫なんて言うか? フツー!?」



名前はとにかくネジが何本か外れていて、運動神経がない。

以前も一回の任務中に、何も転がっていないはずの道で何度躓いていたことか。


さらに持ち前の≪天然≫が矢となって、男たちの心を一瞬で打ち抜いては、バサリと打ち砕いていった。


そんな、振り回されている男の一人である自分に呆れ果てながら、離れるという選択肢の居場所を脳内に一切用意していないギアッチョがふと視線を落とせば、しゅんと項垂れる彼女が。


「あの……私、ギアッチョを怒らせたかったわけじゃないの……ごめんね? メローネのところには行かない、から」


「……」



初任務を共にしたあのとき。躓き、転び、仕事の後には足腰に力が入らなくなりおんぶをして帰るという――どこまでも世話が焼ける少女の性格に、彼は頬を引きつらせたと同時に。


――守ってやらねーと。

柄でもないが、そう感じたのだ。



「チッ……。うつ伏せで寝転べよ」


「?」


「だァアア! ボサッとしてんじゃねえッ! マッサージしてやるって言ってんだよ! テメーの要望通りな!」


刹那、ぱああと表情を明るくする名前。

我ながら≪甘い≫と思う。


しかし――



「〜〜ギアッチョ大好きっ!」


「ッ!」


同業者とは思えない、溢れんばかりの華やかな笑みが可愛いのだから仕方がない。










「いいか? マッサージっつっても俺流だからな? 文句言うんじゃねえぞ」


「えへへ、言わないよ〜! ギアッチョにしてもらえるだけで嬉しいんだもん」


「……」



落ち着け、コイツに他意はない――その一言を沸き立つ胸中で念仏のように繰り返す男。

そして冷静をなんとか取り戻したギアッチョはベッドの脇に立ち、楽しそうに足をバタバタとさせる彼女の腰部に手を添えた。


「(クソッ……なんの生殺しだ。このまま襲っちまった方がマシなような気がしてくるぜ)」



キャミソール越しに伝わる女特有の柔らかさ。

それを必死に意識しないようにしつつ、不規則に動かし始めた五指。


すると、彼のちょうどいい両手の圧迫がよほど効くのか、枕を抱き締めた少女の唇から淫らな声が漏れる。



「んっ……ふ……」


「……オメーな。そういう変な声出すんじゃねーよ」


「え、っと……変な声? ぁっ、ん……そこ、きもち、ぃ」


「ッ(はあ……また無自覚っつー奴か)」



どうにかして耳を塞ぐ代物はないだろうか。

呆然とそう思った男だったが、生憎この部屋に耳栓はない。


残された候補は≪無心≫――ただひたすら指に力を込めていると、ちらりとこちらを窺う双眸。


今度は一体なんだ。顔をしかめたギアッチョが、マッサージを続けたまま名前を一瞥した、ら。



「っは、ぁん……できれば、直接揉んでほしいなあ」


「!?(あァアア、コイツは……ッワザとそうしてねえって気付けよ!)」



感情に従って声を荒げられたら、どれほど楽なのだろう。とは言え、彼女が意図して発言しているわけではないので、怒るに怒れない。

無言で裾を捲くれば、肩がビクリと揺れたのもお構いなしに動きを再開する。



「はぅ、っ……んん」


「(チッ。何動揺してんだ、俺は……これは単なるマッサージじゃねえか。そうだ、マッサージだ。ただコイツの筋肉に刺激を与えて、新陳代謝をよくしてるだけだっつーの。別にやましい意味は――)」


「ぁ! ふっ、ぅ……ギアッチョの手って……ン、っ、冷たくて……気持ちいい、ね」


「〜〜ッ!」



喘ぎに入り交じった一言。男は手を勢いよく離し、情欲を沸き起こさせる動揺を隠しながら喉を震わせた。


「他も凝ってんだろ!? 早く言え、ボケがッ!」



もはや自棄に近い形で放った言葉。それがさらなる悲劇を招くとは――ベッドの上で仰向けになった瞬間、少女は己の太腿を指差したのだ。

瞬きをする余裕もなく、眼鏡越しの瞳をこれでもかと言うほど見開くギアッチョ。


あえて今まで視界に入れていなかった、なめらかで白い柔肌。蠱惑的なそれに釘付けになった彼が慌てて顔を上げると、さすがに照れ臭いのか名前も頬を赤らめている。



「あ、あの……こっちも、お願いしていい?」


「は? え、ちょ、おま……ッ」


「ダメ……?」


不安げに揺蕩う、鈴を張ったような眼。

ああ、どれほどストイックと思われども、理性という皮を剥いでしまえば一人の≪男≫。可愛らしい彼女の≪お願い≫に対して首を横に振れるはずもなく。



「……いいぜ」


「ありがとう……!」



少女から見えないようにはしているが、ズボンの下で痛いほど張り詰めた一物。これをどうにかするために、マッサージを早く終わらせて自然な形で追い出そう――微かに震える手を内腿に回しつつ、できるだけ淡々と試みる会話。


「ッ、は……そもそも名前。オメー、こんだけ凝ってる原因わかってんのかァ――?」


「んー……ぁ、っ……なん、だろう?」


「ケッ、歩き癖か鈍臭いからか理由は知らねえが、テメー自身がわかってねえなら直しようがねーだろ。(つか、なんでコイツの太腿、こんなに柔けえんだよ。細っこいクセに、ムニムニッとしてるっつーか――)!」



そのとき。ショートパンツが捲れ上がったことで、図らずとも視界に飛び込んだ薄いピンクの布――レース素材のショーツ。


もう限界だ。


ブチッ

刹那、言わずもがなギアッチョの中で、何かが切れた。



「オイ名前。どうせならこっちも揉ませろよ」


「? こっちって……っ、どっち――ひゃあんっ!?」



彼が紡いだ言葉の意味がわからず、名前が首をかしげた途端、掴まれた服越しの乳房。

そして、グニグニと男の意外に大きな手のひらに翻弄され、容易く形を変える柔肉。


もちろん驚愕ゆえに瞠目した彼女は、鳶色の双眸を潤ませ始めながらいやいやと首を振る。



「どっちって≪こっち≫に決まってんだろうが」


「ひぁっ、ぁ……ぎあ、ちょ……んっ、はぁっ、はぁ……て、とめてぇ」


「ハッ、マッサージしろって頼んできたのはテメーだろ? 俺はそれに応えてるだけだぜ。凝ってんならちゃんと揉みほぐさねエとなァアアア?」


「ちが……っあん! やぁ、っふ、ぅ……ひゃう、んん……もみもみしちゃ、っぁ、っぁあ!」



下着が何度も敏感な乳頭を掠め、押し迫る快感に少女が慌てて身を捩ろうにも、時すでに遅し。

ギアッチョが小柄な躯体を逃さないよう、太腿あたりに伸し掛かっていたのだ。


ビクビクと小刻みに痙攣することしかできない名前。

狼狽と快楽。その二つが混在する中、抵抗しつつも彼女は確かに甘い嬌声を上げていた。



「はっ、はぁ……ぎあっちょ、っん、ふ……やら、ぁっ……、あ……!」


「……クソ、ちったァ黙ってろ」


「ぁ、んん!?」



次の瞬間、あっという間に豊潤な唇を塞がれ、粘膜を舐られる。

二人は濃厚な口付けを、指で数えられるほどしかしていない。


当然、いまだ慣れない少女は息を口端から取り込もうとするわけで。



「ン、っ……ふ、ぁっ……はぁっ、はっ、ぁ……いき、できな……っ」


「ッは……ムードもへったくれもねーな、オメーは……。鼻ですりゃいいだろ、鼻でよォ――ッ」


「っふぅ、ん……んん、ッ……ぁっ、はぁ、っ……むりぃ」


「(ったく、コイツは……ンな顔すんじゃねえ)」



しばらく口内を貪っていた彼が、窒息はさせられないと恋人を解放すれば、互いをつなぐ銀の糸。

乱れた息を整えることもしないまま、名前が淫靡なそれをじっと見つめていたそのとき、不意に太腿がありありと捉える焦熱。


さすがにこれがわからないほど、幼くはないらしい。その正体を悟り、彼女は見る見るうちに自分の顔が火照るのを感じた。

ドクリと高鳴る鼓動。耳たぶと頬を紅潮させつつ、恐る恐る視線を上げる。



「/////はっ、はぁっ……ん、ぎあ、ちょ……あの……え、えっちな……気分なの?」


「ケッ! テメーが誘惑なんてすっから、ンなことになっちまったんだよ。…………ワリーか」


改めて問われたことでバツが悪そうにそっぽを向く男。

もちろん少女は、ギアッチョを≪そういう意味≫で誘ったつもりはない。だが――



「ううん。……す、すごく嬉しい」



眼鏡越しにギョッと丸くなる双眸。不信を示す眉に小さく微笑んでから、名前は精一杯彼を見つめた。


「だって……さっきは恥ずかしくて嫌がっちゃったけど、ずっと私も思ってたんだ。≪ギアッチョに触れてほしいな≫、って/////」


「!」



彼女がはにかみながら紡いだ一言。

それが、長い間男が繰り広げていた葛藤に潜んだ――無理強いをして、≪嫌われるのではないか≫という不安を一瞬で溶かしてしまうのだから困ったものである。


眉根のシワを消したギアッチョはもう一度少女に唇を軽く重ねてから、おもむろに舌打ちをした。



「……チッ。男を調子に乗らせること言いやがって……あとでピーピー泣くんじゃねーぞ」


「んっ……な、泣かないよ! 私子どもじゃな――っきゃあ!?」


「どうだか」


刹那、中途半端に肌蹴ていたキャミソールを持ち上げ、するりと外されてしまうフロントホックのブラジャー。

ふるんと露わになった二つの膨らみ。美しく整った柔肌に喉をゴクリと上下させつつ、彼は硬さを帯びた左右の乳首を指の腹で押し潰すようにコリコリと弄っていく。



「ずいぶんココ硬くしてんなァ。オメー、期待してたのかよ」


「っあ、ん……ぇ、そっ、なのかなあ? はぁっ、は……わたし……わかんな、っぁ、ひゃん!」



熱を宿す身体の芯を焦がし、揺さぶる性感。それを堪えるため必死に目を瞑っていると、前触れもなく男が赤く腫れた先端に吸い付いた。

舌先によって飴玉を扱うように転がされ、しゃぶられ、唾液でテラテラと濡れる胸の頂きにますます赤面してしまう名前。


「ひぅっ、ぁっ……ぎあ、ちょっ……あんっ、ふ、やらッ……ぁっ、そこ……っすわな、でぇ、っ」


「吸うな、だァア? 腰揺らしてる奴が言う言葉じゃねーだろ、オイ」


「ぁっ、ん……え? ゆ、ゆれてなんか…………っぁ、うう/////」



否定をしようと下腹部を一瞥すれば、確かに自分は内腿を擦り合わせているではないか。


今にも破裂しそうな胸に追い打ちをかける羞恥。一方、押し黙っている彼女をよそに、ギアッチョは相変わらず乳頭を弄んでいた手を脇腹にそっと這わせ、ズボンのファスナーを下ろす。

ハッとした少女の瞳に映り込む、明らかに悪どい彼の笑み。


「そろそろこっちもほぐさねえとな」


「んん……ぁっ、やら……はっ、ぁ……ひぁっ、ん、ふ……脱がしちゃ、だめぇ……っ」


「…………、クソ。≪わーった≫」


「え、っ……?」



次の瞬間、いとも簡単に上体を起こした男。

こちらを突き刺す、物欲しそうな眼差し。

当然ながら、行為をやめるつもりはない。むしろギアッチョは名前の予想以上の喘ぎ声と反応と触感に、昂ぶりがもはやはち切れそうだ。


だが、普段から彼女の行動に左右されている分、こういうときこそ自分が翻弄しようと思った。



「ンだよ、やめりゃあいいんだろ?」


「はっ、はぁ……ん、ぎあ、っちょ? ほ、本当にやめちゃう、の?」



一方で、いわゆる≪嫌よ嫌よも好きのうち≫によって、快感から意図せず解放された少女。

このままでは恋人が本当に退いてしまう――危ぶんだ刹那、恥ずかしさも顧みずに目の前の袖を指先で掴んだ。



「えっと……あ、うぅ……やっ、やっぱり続けてほしいな……なんて」


「……」


「ぎ、ぎあっちょ……っ、おねが――やんっ!」



作戦成功。そう言うべきなのだろう。

口端をこれでもかと言うほど吊り上げた彼は、名前が瞬きをするうちにショートパンツと下着を剥ぎ取っていた。

薄紅色のそれが床へ舞う最中足首を取られ、するりと開かされた両足。


ひやりと冷たい空気を纏う秘部。しかし、そこをまじまじと凝視する男の熱視線に、なぜか焦がされているような気分に陥ってしまう。



「ケッ、グッチョグチョじゃねーか」


「んっ……ちが、っ……ぁっ、はぁっ、ひぅ……そんなに見な、でぇ」


「違わねえだろーが。そう言いながら溢れさせてんだからよォオオ、世話ねえな……大きくしやがって」


「ひぁあんっ!?」



次の瞬間、ギアッチョが潤う秘境に鼻先を近付けたかと思えば、ちょこんと顔を出す赤い陰核を舌で器用に玩び始めたのだ。


さらに蜜壷を掻き分けるように差し込まれた人差し指と中指が、クプリという水音と共に彼女の心を羞恥で攻め立てる。

そして、恥骨側に潜むざらついた粘膜を掠めた矢先、細腰が一際跳ね上がった。


「……ココか」


「や、ぁっ……あん、っん、はぁッ……ぎあ、ちょ……だめ、ぇ……ぁっぁっ……んん、っ……らめなの、っぉ!」



甘やかな痺れへの小さな恐怖ゆえか、生理的な涙を零したままふるふると首を左右へ揺らす少女。

しかし≪ダメ≫だと言われて、やめるつもりは彼にはない。


ヒクヒクと蠢く外陰部。収縮する熟れた膣肉。漂う女の色香。

その囚われそうな――いや、すでに自分を捕らえている魅力に男は眉をひそめながら、丁寧かつ手荒い愛撫を続けることで名前を絶頂へと導いた。



「ひぁっ、ぁああ! やら、っぁん、っふ……ぁっ、ぁっ……おねが、っあ……そこば、っかりしちゃ……っぁ、わたし……っ」


「一回イっとけ」


「んん……っはぁ、はぁ……ぁっ、らめぇ、ッ……イ、ちゃ……っぁっぁ、っぁ……ぞくぞ、くするの、きちゃ……やっ、ぁっ、ぁああん!」



刹那、背筋からうなじへ電撃のように走る快感。

より高い嬌声を上げた彼女が、突き抜けていったそれに目をぱちくりさせている、と。


ベッドから距離を置いたギアッチョが、やおら服を脱ぎ捨てているではないか。仲間と比べて基本的に露出度の少ない彼が、今眼前で――ひどくざわめき立つ胸中。そこで、抑えきれない感情をなんとか紛らわすために、少女が一言。



「はっ、はぁっ……えっ、と、ぎあっちょの……意外におっきいん、だねっ」


「ッ……名前テメー、変なこと言い出してんじゃねえぞ、ボケがッ!」


「? え? ええ!?」


「〜〜クソ!」



本当に雰囲気もクソもない。というより、緊張感がない。

だが、ある意味名前らしい。


ギシリ、とスプリングが悲鳴を上げる。

そして膝立ちになった男は、彼女の秘裂を天井へ晒すように膝裏を抱えてから、熱の塊を膣口に寄せた。


「! ぁ……っ/////」


「……入れっからな」



頷きの代わりに恋人の首へ両腕を回した瞬間、膣壁を押し拡げる強烈な痺れが少女を支配する。

そのあまりにも圧迫される感覚に、自然と白い喉を曝け出していた。



「っあん、ぁ……ひぁ、ぁっ、ぁああ!」


「ッ、名前」


「んっ、ふ……はぁ、はっ……ぁっぁっ、あ……ぎあ、ちょ……ぎあっちょ、っぉ」



引き寄せられるがまま、何度も口付けを交わす男女。


リップ音に負けず劣らず、ジュブリという肉感的な音が結合部から少々狭い部屋に響き渡る。

恍惚の色を顔に浮かべた名前は、気付かぬうちに≪もっともっと≫と乞うかのごとく腰を揺らしていた。



「はッ……奥、コツコツ鳴ってんぜ。わかるか?」


「っひゃう……ぁっ、らめ……あん、っん、はぁ……おくっ……やら、っ……ぐちゅぐちゅ、しなっ、でぇ……!」



耳元を劈くギアッチョの荒い吐息。

素肌が直接感じ取る、安堵をもたらしてくれるぬくもり。

胸板に押し付けるように密着した右胸が悟った、速いテンポを刻む心臓の音。


ようやく身体を重ねることができた――積年の想いにふっと二人の視線が色を湛えて絡む。


「? ッ、どーした」


「ぁ、はぁ、ん……ひぅ、っ好き……ぎあ、ちょ……ぁっあっ、ぁっ……ン、っはぁ……っすき、ぃ」


「……、オメーなァ。そういうこと言うんじゃねえッ!」


「ぇっ……ぁっ、ひぁ、ッぁああん!?」



ムクムクと肥大した男根。それは小さなナカになんとか収まったが、律動ゆえの摩擦でますます彼女の胎内に焦熱を宿した。

亀頭から根元まで。すべてが膣壁を行き来するたびに、繰り返し包皮から剥けた肉芽を掠めていく。


うねり蜜を双丘へ滴らせる肉襞に、一層脈打つ肉棒に互いが思い至った互いの限界。



「そろそろ出すぜ……」


「っふ、ぅ……う、ん……ぁっぁっ、や……あんっ……はぁっ、はぁ、ッ……ぎあ、ちょの……っちょうら……っ、ン……ぁっ、あっ、ぁあああ!」


「は、ッ……く」


淫靡な喘ぎ声が鳴り渡ったと同時に、膣道を通して子宮を満たしていく焦熱。

自分へ視線を向ける、彼の苦悶と色気、そして愛しさを入り交わらせた表情に沸き立つ鼓動。


――とても恥ずかしい。

しかし、羞恥すら打ち勝ってしまった嬉しさに、相変わらず抱きついたままの少女はすりすりと筋張った頸部へひどく火照った頬を寄せるのだった。











整体師にお任せ
気が付けば、いつの間にか緊張も解れているという不思議。












大変長らくお待たせいたしました!
ギアッチョで天然ヒロインとの甘裏でした。
リクエスト、そしてお祝いのお言葉ありがとうございました!
白衣のような、ギアッチョのあの服を思い浮かべながら書かせていただきました。いかがでしたでしょうか?


感想&手直しのご希望がございましたら、お願いいたします^^
Grazie mille!!
polka



prev next

37/52

back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -