somma 〜29〜

※フルボッコにされた二人(ペッシ・ホルマジオ)




「ホルマジオさん、ペッシさん……本当にごめんなさい。私が二人に相談したばかりに……」


「はは、気にすんなって! な、ペッシ」


「そうだよ……むしろオレの方がごめんね? バイトのことバラしちゃって」



リゾット、プロシュートと帰宅してから数時間後、名前はようやく修道服の姿で、ホルマジオとペッシの治療をすることができた。

胸の前で両手を組み、しゅんと項垂れる彼女に、心配の必要はないと笑顔を見せるボロボロの二人。


「二人とも悪くありません! まさか、こんなことになってしまうなんて……」


「ったく、名前は何も悪くねェのによォ…………そうだ」


「?」


「ホルマジオ? どうしたんすか?」










「なあ、名前。喫茶店の制服、もう一回着てくれねェか?」


「え?」


きょとん。

コテンと首をかしげる少女に、男は内心嬉々としながら言葉の真意を語り始める。



「いや、オレとペッシだけだろ? 名前のメイド服見られてねェの。だから、それ着て、互いにこの話はチャラにしようぜ」


「そっか……いい考えっすね!」


「だろ?」



実は、避難場所である鏡から出たときにイルーゾォから聞いたのだ。

名前のメイド姿が可愛かった、と。



しかし、着替える張本人は、ますます申し訳なさそうに眉尻を下げるばかり。

「あの……実は今、洗濯をしていて」


「「洗濯?」」


「はい……その、よ……汚れて、しまって」



あれ、この反応──と、ホルマジオは思った。

顔を真っ赤にして汚れたと告げる少女。


その後ろでは、シャワーを浴びたところなのか、楽なズボンに上は裸、そして首にタオルをかけたリゾットが牛乳の入ったグラスを煽っている。




──まさか。



「そんなに汚れちゃったんすか? 今日の洗濯担当、オレだったから言ってくれれば──」


「ペッシ! それ以上追求すんな……!」


「え?」



勢いよくペッシの肩へ手を起き、叫ぶ。

これ以上聞いてはならない。

そして、彼を刺激すれば、被害に遭うのは目の前で俯いている名前だ。自分たちではない。


何より──



「いいか? もう何も聞くな……じゃねェと、(精神的に)泣くハメになんぞ」


「(泣く……?)わ、わかったよ」


「(ホルマジオさん、ペッシさん……ありがとう、そしてごめんなさい)」







その後、約束通り二人に制服姿をお披露目した名前だった、が。




「ん? 名前、またそんな可愛い格好をして……そうか、シたいんだな?」


「へっ? リゾットさん、なんだか勘違いを……きゃああ!」


「あー……(しょォがねーなァ〜)」


「(ホルマジオが言ってたのは、こういう意味だったんすね)」



彼らの努力もむなしく、少女はベッド行きになってしまったらしい。



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