※本編の続き
※裏
その場にあったタオルで、なんとか彼の鼻血を止めることができた名前。
しかし、本当に大変だったのはそれからだった。
「……」
「だ、大丈夫ですか……?」
「ああ。すまない」
メイド服のまま自分のためにわたわたと動く少女が、可愛くて仕方がない。
自然とふわりふわりと動く短いスカートへ視線を送っていたリゾットは、ハッとして回転式の椅子から立ち上がった。
「り、リゾットさん!? まだ無理しちゃいけませんよ……!」
「……≪ご主人様≫、だろう?」
「えっ」
驚きで目を見開く名前の前を通り過ぎ、おもむろに扉の鍵を閉める。
そして、カチャリと音が室内に響いた瞬間、ベッドへ腰かけポンポンと己の膝を叩く男。
「あの……?」
「名前。こっちにおいで」
「え? で、でも、その前に着替えたいんですけど――」
「……許して、ほしいんだろう?」
「!」
許すも何も、まず自分は怒っていない。
もちろん、ペッシとホルマジオから事実を聞き出したときは、心の中に嫉妬と怒りの炎が燃え上がったのだが、喫茶店で少女が申し訳なさそうに口ずさんだ自分の名に、それはすぐさま萎んでしまった。
「し……失礼します」
「ん。いい子だな」
「っ////」
メイド姿の名前。
そんな彼女とこの好機を放っておくほど、自分も廃ってはいない。
「……名前」
足の間にそろりと腰を下ろした少女のお腹へ、そっと両腕を回す。
それから、華奢な肩に顎を乗せて彼は愛しい名を口にした。
「!」
自分の身体に、声に、吐息に――名前が震えたのを感じながら、修道服を着ているときより白いエプロンできゅっと絞められたウエストに手を這わせてみる。
「! ぁ、っ……ダメ……、やぁ!」
「……主人に抵抗するのか?」
「ひああっ!?」
耳元で囁き、赤く染まった耳たぶを食む。
その快感にいやいやと首を振る少女が、リゾットの身体に鋭い熱を帯びさせた。
「はっ、はぁ……ッやめてくださ、ご主人、様……っ」
「……そうだな、ここを触るのはやめよう」
「ぇ……、あんっ!」
服越しでもわかる弾力。
腹部から上へと移動した男の右手は、焦らすように左胸を揉みしだき始める。
「あっ、ぁ、やだっ……やだ、ぁ!」
「名前、乳首に服が擦れて……気持ちいいか?」
「! っはぁ……そん、なことな、ぁああっ」
「嘘を付くんじゃない」
グニグニと形を変えながら白い首筋へ口付ければ、一段と名前の嬌声は高くなる。
「ひぁ、あっ、あっ……ごしゅじ、ッさま……んん!」
容赦なく押し寄せる快感から逃れたいのだろう。
少女が必死に身を捩るが、閉じ込めるようにしっかりと腹部へ回されたリゾットの左腕と、腰を両側から挟む彼の足が、それを許さない。
だから、名前は彼の服を弱弱しく握りしめ、喘ぎ声を漏らしながらその逞しい肩口に縋ることしかできなかった。
「ふ……いつも直接触ってばかりだからな……たまには服越しもいいかもしれない。そうだろう? 名前」
「はぁ、はっ……も、やら……っ」
「ん?」
「ッ、やあああ!」
蕩けた瞳、表情でこちらを精一杯見上げる少女を見下ろしつつ、下着の中で赤く色づいているであろう突起をピンポイントに指で挟めば、ますます彼女の肢体が痙攣する。
「まったく……こんなに恍惚とした顔をして、やらしいメイドだな、名前は」
「! ちがっ、ちがうのぉ……あっ!」
「……そうか。違うなら、≪確認≫してもいいんだな?」
「ぁ、はぁっ……ぇ? かくに、ん……? ッひゃあ!?」
グイッ
突如、ベッドへ持ち上げられる両足。
その動きによってスカートがいとも簡単に捲り上がり、とても恥ずかしい格好になってしまう。
さらにそれだけでなく、より密着するリゾットの腕、胸板、そして己の腰が捉えた≪熱い自身≫に慌てて名前は離れようとするが、膝裏に差し込まれた大きな手が解放してくれない。
「こら、逃げるんじゃない。確認ができないだろう」
「っあ……そこ、触っちゃ……あん!」
逃がさないよう少女の小さな身体を後ろから抱き込みながら、リゾットは開脚されたその奥へと手を伸ばす。
内腿を焦らすようになぞっていき――ついに指がしっかりと掴んだ黒タイツ越しの≪感触≫に、彼は口元を緩めた。
「この部分だけジワリと濡れているが……これはなんだ?」
「! それ、は……ひぁああっ」
「ほら、こうして指でなぞれば、ココだけ徐々に湿ってくるぞ」
ぐるぐる、と布越しに秘部を弄ると、再び震え出す名前の身体。
しかし、リゾットはただただそこに触れ、快感に堪える少女の耳へ囁きかけるばかり。
足を閉じたくても、閉じられない。
「ぁっ、はぁ、っは……やぁ、んっ」
「どうした? ますます甘い声を出して」
「ッ……はっ、ぁっ……わた、し……」
「まさか、直接触ってほしいのか?」
「!」
わかりやすく揺れる、名前の紅く濡れた瞳。
その中に自分と同じ劣情が見えて、リゾットはもう一度彼女の耳元で口を開いた。
「そうか、触ってほしいんだな……だが、あいにくオレは名前の足を支えるので手一杯なんだ」
「?」
「触れてほしいなら……自分で開脚、できるか?」
「っ…………は、い」
彼がもたらす快感に勝てない。
こちらを突き刺す赤い瞳に、その言葉に、従ってしまう自分に対して戸惑いながら、名前は己の膝裏を恐る恐る両手で掴み上げた。
タイツと下着越しではあるが、秘部を晒してしまっている――そう考えると、ますます胸の鼓動が速さを増した。
「///////」
「そうだ……可愛いな、名前は」
下唇を噛みつつも、足を支える手の力を決して緩めない少女の熱い頬に、そっと唇を押し当てた男は自由の利く左右の指で秘部あたりの黒タイツを引き裂いた。
「! ひっ」
「怖がらなくていい。ただ、このタイツは使い物にならなくなってしまったがな」
「ぁ、っ……おと、はずかし、です……ッ」
シミのできた下着も横へずらし、ひくひくと小刻みに動く秘部をなでれば、水音が部屋に響く。
「名前から出ている音だ。恥ずかしがる必要は、ないだろう?」
「やっ、はぁっ、は……そんな、ぁっ」
「それに、この陰核も……触ってほしくて仕方がなかったんだな」
ぽつりと呟き、赤く腫れあがる突起を摘まめば、
「ひっ、ぁああっ!?」
名前の身体はこれでもかと言うほど跳ねた。
「はぁ、はぁっ……ソコ、ばっかり攻めちゃ……あんッ」
「ソコ、じゃあわからないぞ……ああ、愛液をこんなに溢れさせて」
「や、っナカ、掻き混ぜな、でぇ……!」
大きくなる水音。
シーツが濡れていくのを肌で感じながら、少女は身悶える。
しかし、その反応は皮肉にもリゾットの加虐心を掻き立ててしまう。
「ひぅっ!?」
「……ココが名前の弱点か」
「っ、いやっ……今のところ、何か変……やぁああッ」
膣内で見つけた、ある一点を人差し指と中指で擦り続ける。
すると、自分の中で湧き上がってきた≪別の感覚≫に、名前はギョッとして声を上げた。
「あっ、あっ……ダメ、ッリゾットさ……ごしゅじっさま、おねがい、やめ、てぇ……!」
「……なぜ?」
「ひぁっ! わた、し、何か出ちゃっ、出しちゃ……ッああああ!!」
刹那、愛液とは違う、何かが少女の秘部から飛び出す。
右手に着いた半透明のそれを見て、リゾットはおもむろに口端を持ち上げた。
一方、この歳で粗相をしてしまったと勘違いしているのか、絶頂の痙攣を受け入れながら泣きじゃくる名前。
「っ、ごめ、なさっ……わたし、私……!」
「ふっ……名前、違うぞ」
「……ぇ、?」
ひどく柔らかな声に、涙をこぼしたまま少女は首をかしげる。
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