somma 〜1〜

※ベッドについて



「おいおいおい! リーダー、あんたなァ」


「あの、私! どこでもいいので……たとえば、その、ソファとか」


「ほーう……意外に積極的なんだな、名前は」



にやにやとした笑みを見せるプロシュートに首をかしげていると――


「ねえ、名前? それって、つまり……≪襲ってください≫って言ってるんだよね?」


「へっ……!?」


なぜそうなるのか――驚きに口をパクパクさせながら周りを見ると、皆が頷いているではないか。


「そういうこった。だから、諦めてオレの部屋に来いよ」


「ぷ、プロシュートさん!?」


「忘れられねえ夜にしてやるから……な?」



ヤバい。

何が、とははっきりと言えないが、心の奥がそう叫んでいる。


――ど、どうしよう! 顔が近い……!


色気のある声と近づく端整な顔に、どうしようかと慌てていると――自分の身体が後ろへ傾いた。


「ダメダメ。プロシュートの部屋になんか行ったら、やっらしーことされまくりだぜ? オレの部屋にしときなよ」


「メローネさんの、部屋ですか?」


「ちょっと待て! やましいことがねえならよォ、その手にある変態表はなんだ!」


さすがに、お断りします――そう口を開こうとしたとき、ホルマジオが叫ぶ。


彼が指し示すのは――原作でも見た、あのキスの仕方が描かれた表である。


「まったくわかってないなあ、ホルマジオは。これは変態表じゃなくて、愛の営みへのry」


「テメー、いい加減黙りやがれ! イルーゾォ、テメーの鏡ン中にでも入れてやれよ!」


「鏡……」


うおおおと激昂するギアッチョに対して、艶やかな黒髪を弄るイルーゾォ。


「……うーん、そうだなあ」


「あの、無理しないでくださいね? ソファが無理でも、どこか探しますので」


「……いや、そういうわけじゃあないけど」


「?」



なぜか少し頬を赤くしてそっぽを向いてしまう彼に、きょとんとしていると、突然何かに引き寄せられる。



「わっ……リゾットさん?」


「お前ら、何か勘違いしているようだが……名前の寝る場所は決まっている」


――よかった、まともな人がいた……!



「オレの部屋に決まっているだろう」


「え、えええッ」


「ちなみに、拒否権はない」


「また、ですか……!?」



こうして、リゾットの権力濫用によって、彼女は彼と一緒に寝ることになったのである。



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