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「はじめまして!…えぇーっと、ユキノさん?」
『はい、そうです!』
今日ポケモンをもらいにきたのは、この前リーグ挑戦に来た…キョウヘイ?そいつの幼馴染みたいだ。さっき言ってたし。まあ最近で一番面白かったバトルはこいつだった。勝ったのは僕だけど。
「じゃあアララギ博士のところに行こう!あ、トウヤと、ええっと、キョウヘイ君はどうするぅ?」
「僕はユキノの付き添いで来たので。一緒にいます。」
「…僕はそろそろ戻るよ。いつまでもリーグを放っておけないし。」
と、言うのは口実。そもそも最近は僕のところに来れるやつは希少。大体は四天王でぼろぼろに負けて帰っていくんだから。ここにいても面倒くさそうだし、さっさと帰ろう。
「そっか!お仕事頑張ってねぇ。」
ベルの言葉に相槌をうち、サザンドラを出して飛びの…ろうとした。けれどそれは一人の小さな手によって邪魔される。
『…あの、ちゃ、チャンピオンの、トウヤさん…ですよね!?』
「え、そう、だけど…。」
それが何だというのだ。ていうか分かっているんなら離してほしい。ベルもキョウヘイも不思議そうに…って僕が一番不思議だし。
『あっ、あの…えっと…。』
「……なに。」
ひっそりと頬を赤らめる反応に嫌気がさす。英雄とたたえられ、そんな反応をした奴らとは何度も会った。ため息がこぼれそうになったとき、僕は別の意味のため息をこぼしそうになる。
『あっ、ありがとうございました!!』
「……え?」
何が?僕何かした?
そう考えているうちに、目の前のやつはキョウヘイを引っ張って研究所へ。ベルも二人を追いかける。
…なんだ、あいつ。
僕はサザンドラに飛び乗り、リーグを目指した。
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