▼ 1-3
「チェレンだよねぇ。元気にしてるかなぁ?」
「…ま、そうなんじゃないの。」
チェレンとはライバルだったけど、今となってはチャンピオンを倒した最強のトレーナーと最初の町のジムリーダー。
差は圧倒的、なにも面白くない。
ふと自分は何か面白いことを探しに来たんだった、と自分の目的を思い出す。
「うぅん、それより遅いなぁ…。もう来る時間なんだけどなぁ…。」
ベルはあたりを見回す…と、タイミングよく飛んでくる影があった。
『…すみませぇぇぇん!遅くなりましたぁぁぁ!!』
「ちょっと、耳元で叫ばないで!」
…騒がしいな。あと巻き込まれたらなんだか面倒くさそうだし、僕は研究所職員でもなんでもない、さっさと消えるとしよう。
「ベル。僕はそろそろ…。」
「ああーっ!あの子たちだよトウヤ!ほらほら、一緒にお出迎えしようよ!」
おい話きけや。切実にトウヤは思った、が、ベル相手にそれは無理だと思考を放棄した。
『…っと、到着!ありがとうキョウヘイ!』
「これくらいどうってことないよ。ま、僕幼馴染だからね!」
…ああ、なんだか見たことのあるポケモンだと思ったら。
prev / next