『えーっと、ミアレシティに行くんだから…』
私の家があるのはメイスイタウン。
タウンマップによると、ハクダンの森を抜けないといけないみたい。
『ハクダンの森かあ…』
腕の中の零を見つめる。
私はハクダンの森に入ったことがない。
つまり、私にとっては未知の領域、しかも森ときた。
〈…怖いの、ウミネ〉
びくりと肩が揺れる
『う、うん…正直、怖い、よ』
でもこれから森が怖いなんて言えなくなる
フィールドワークをするために、もっと危険なところに行くかもしれないのだ。
『お、落ち着いて深呼吸…はぁーっ…』
なかなかいかない私にしびれを切らしたのか、零はイラついた声で話す。
〈もう、早くして。日が暮れる〉
『で、でももし急に野生のポケモンが襲って来たりしたら…!』
生身の人間じゃ危ないし…!零はこんなだるイーブイだし…!
〈はあ?僕がいるでしょ、バカ?〉
『えええ辛辣!だって零戦いたく無さそうだもん…!』
面倒くさがりの零のことだ、タイミングによっては戦ってくれないかもしれない。
〈ほんとバカじゃない?さすがに主くらい守るし〉
『さすがにってどういう意味ねえ』
うーん…まあ零がいるなら、本当に心強い。
『よろしく、零』
〈…こちらこそ、大事にしてよね〉
やっぱり零は大事なパートナーだね。
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