大好きな君へ。 | ナノ




『っ零、でんこうせっか!』



<そんなの、まとわりついた状態でできるわけないわ!>



好戦的なビビヨンの声が聞こえる。


…でも、零なら。




『零なら、行けるっ!!』



揺れるボールに返事するみたいに、私は声を張り上げた。




「…ポケモンとの信頼関係?」



ビオラさんがカメラを構える。



写真を撮る眼は、鋭く、光るように私を見つめた。




「いいんじゃない、いいんじゃないの!」




ぞくり。


鳥肌が立つような、気持ちがたかぶるような。




『…絶対負けません!振り払っちゃえ、零!』




<…まったく、無茶なお願いするよね。>



気だるそうな声だが、私にはとても頼もしく感じる。




ばしゅ。



そんな音が正しいだろう。




<そ、そんなっ…!>



「ビビヨン、避けて!」




零が、ビビヨンのまとわりつくから抜け出して、






<―――これで、終わりだね。>




零が、ビビヨンに突っ込んだ。





倒せる。



絶対に、勝つんだ!




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