「ふうー!いいじゃない!でも、まだまだこれからよ!」
ビオラさんが次のボールを投げる。
ボールからまぶしい光が漏れ、私はつい目をつぶる。
『…っ、て、わぁ!』
ボールから出てきたのは、美しいピンク色のポケモンだった。
『き、綺麗…っ。』
思わず息をのんだ。
可愛らしい蝶のポケモンをじっと見つめる。
「うっふふー、ありがとう!このポケモンはビビヨンっていうの。」
ビビヨン…、よし、覚えた!
でも、今は見とれている場合じゃないよね。
『零、ビビヨンも倒しちゃえ!』
<はあ…、まだいるの?>
「ビビヨン、美しく舞いなさい!」
<ええビオラ。勝つのは私たちよ。>
うわ…、口調まできれいだ!
『ちょ、零もあんな感じになれない?』
<はあ?あんな気持ち悪い口調になるわけないでしょ。>
「ビビヨン!まとわりつく!」
『あ、れ、零!』
<……っ。>
ど、どうしよう、零が…!
次の指示に悩んでいると、私のカバンに違和感があった。
……ボール?
カタカタと揺れるボールに触れる。
……ありがとう。
もう、取り乱さない!
▼ back ▼