『き、緊張する…っ!』
ハクダンシティジム。
虫ポケモンのジムであり、トレーナーが挑戦する最初のジムだ。
〈足震えてるよウミネ…ぷっ〉
『ねえ今笑ったよね。』
このイーブイは緊張というものを知らんのか。
今日はハクダンを出発するはずだった。
ジム挑戦とか予定になかったんですけどおおおおお!!
『ジム…ビオラさん…。』
〈でもびっくりした。まさか急にジム挑戦なんて頭おかしくなったのかと。〉
…このだるイーブイ、むかつくっ!
『私がびくびくしてるっていうのに…。』
〈まあ初めてのジム戦だしね。勝つけど。〉
…その余裕はどっから出てきてるの?
「あ、昨日の!うふふ、来たわね!」
ビオラさんがシャッターを構える。
『…はい、ウミネ、と言います。』
にこりと笑って見せる。
「…勝負に挑むその顔、いいんじゃない、いいんじゃないの!」
ビオラさんは話し始めた。
「初めてのジム挑戦?いいんじゃない、いいんじゃないの!」
私は自然に零をなでた。
「負けて悔しがるのも……勝った瞬間もどちらも、被写体としてサイコー!」
いいんじゃない、いいんじゃないの!、とビオラさんは繰り返す。
心臓が高鳴るのが分かった。
「さあてこのビオラ、シャッターチャンスを狙うように勝利を狙っていくんだから!」
その言葉を合図に、ポン、と音が鳴る。
『…お願いね、零。』
〈任せなよ、僕が負けるわけないし。〉
vs、ハクダンシティジムリーダー、ビオラ。
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