部屋から追い出された私は、とりあえず前々から行きたかったところに行くことにした。
『ハクダンシティジム…っ!!』
ここのジムリーダーのビオラさん。
彼女が撮る写真が美しすぎると、雑誌でも話題なのだ。
『えっと、は、入ってもいいのかな…、で、でも挑戦者でもないのに…!』
ジムの前でうろうろしていると、
「…いいんじゃない、いいんじゃないの!」
『!?びっ、ビオラ…さん!?』
お決まりのフレーズが聞こえたかと思うと、パシャリというシャッター音。
後ろを振り返ると、カメラを持ってにっこりと笑うビオラさんが。
「あら?挑戦者…ではないのかしら?」
ビオラさんは私の腰についている空のボールに目を向けた。
『あ、私のポケモンはポケセンにいて…えへへ』
まあ普通空のボール持ったトレーナーがジムの前にいたらびっくりするよね。
「じゃあもっとあなたを撮らせて頂戴!」
『へ…って、わああ!』
ビオラさんに腕を引っ張られ、私はジムの中に入った。
『ほんとに蜘蛛の巣だあ!』
ここハクダンシティジムは虫タイプのジム。
ジム内は蜘蛛の巣を伝って移動すると聞き、ぜひ入りたいと思っていた。
「うふふー、どう?私のジム、きれいでしょ!」
『はい!蜘蛛の巣から落ちる滴がきれいですね。』
とても神秘的な空間を抜け、私はビオラさんがいつもいるというところへ。
「うーん!いいんじゃない、いいんじゃないの!」
『そっ、そーですかね…っ』
あの後、めっちゃ写真撮られた。うん。
『あ、そういえばなんですけど、ビオラさん。』
「んー?なにかな?」
なんで私をジムに入れてくれたんですか、私は気になっていたことを聞くことにした。
「うーん、私が撮りたい!って思ったからよ。」
まあ一種のカン、かなとビオラさんはまたシャッターを切った。
「そういえば、いつまでハクダンにいるの?」
『今日はここに泊まって、明日出るつもりです。』
ハクダンシティは観光できたし、早めに次の街に行きたいし。
「そう!じゃあ明日ジム戦に来ない?」
……えっ?
『じじじじジム戦!?』
「あなたトレーナーでしょう?ジムに挑戦しなきゃ何するのよ!」
明日楽しみにしているわ、とビオラさんは私を送りだしてくれた。
……いや、どうしよう。
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