『れ、零〜?今ならウミネちゃんが一緒に寝てあげるよ?』
……沈黙、てかこれもう寝てるんじゃ。
〈ん…すぅ〉
大当たり!ビンゴ!
『ええええ…』
周りを見渡してみる。
遠くからは夜行性のポケモンが移動しているのか、ガサガサという音が聞こえる。
……ダメだ、考えれば考えるほどチキンレベルが増していく!
『ど、どうしよ…』
今更零に泣きついたって、うっとうしがられて終わりだし、そもそも迷惑をかけたくない。
考えろウミネ…!ピンチをチャンスに変えるんだ!
ん…?ピンチ…?
『寝ずの番だあ!!』
名案だと思った。
私だけではポケモンに通用しないとはいえ、危険がせまったらすぐに零を抱えて逃げればいいし。
私は近くにあった丸太に座り、寝ずの番をすることにした。
『ん…ね、眠い…』
意気込んだのはいいものの、一時間くらいすぎると私の眠気はピークになっていた。
でも、ここで寝るわけには…!
ぐっとこらえ、うつらうつらし…を繰り返していると、近くのほうから、
〈ううっ…〉
といううめき声が聞こえてきた。
眠気も吹っ飛ぶくらいに弱弱しい声だった。
急いであたりを探すと、ほぼひんしにちかい状態の…
……何だろう、犬?いや、ポケモンだ!
『だっ、大丈夫!?』
揺さぶると逆効果かなと思い、カバンの中にあった傷薬で応急処置を始める。
包帯…はなかったかも。
私はとっさに自分の服を破いた。
汚れてないし…大丈夫だよね。
とりあえず水色のワンちゃんを私の寝袋に寝かせる。
……これは
『ますます寝れないなあ…』
こうして私の戦いが始まったのでした。
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