傍にいるもの

「俺は加州清光。一応この主の近侍だよ。よろしくね。」




「はい、よろしくお願いいたします、加州様。」




ここの近侍は加州清光…っと。まあ予想通りかな。初期刀みたいだし。鍛刀は調査書によると滞りなく行われているみたいだけど…。少し気がかりなのが、この資源…オール950。このレシピはとてつもなく見覚えがある。これじじいのレシピよね?今更こんなレシピで…。難民とみた。なるほど、疑われているのはこの線みたいね。





「今から夜餉なんだ。見習いの紹介もかねて、どうだ、宴でも?」



「いえ、私は…。見習いとして置いていただく身なので…。紹介していただけるのはうれしいことなのですが、仮にも使えるべき審神者様の前で酒など飲むことはできません。」





うっそー。ほんとはお酒めちゃめちゃ好きだけど、飲まないのは、もしよっぱして審神者の黒い部分のポロリを聞かなかったら困る。宴はブラック本丸の判定に大きくかかわるのだ。まあ弱いっていうのもあるけど。だから安心して沢山飲んで黒の場合は言質取らせてくれると助かるんだけどな…。




「なんだ、やっぱり固いなぁ。ううん、見習い、と呼ぶのもビジネスライクに聞こえるし…。よし、決めた。君の名を決めよう!宴はその後だ!よーし、そうと決まれば何がいいか考えなくてはなぁ…。」




「あの、審神者様…?」



「しっ。ああなった主は止めらんないから、ほっといていいよ。まあたしかにいちいち見習いって呼ぶのもどうかと思うし、いいんじゃない?」



「か、加州様まで…。私に名など必要ありません。」





というかめんどいからいらないんだけど。呼び方増えるじゃん。なんで人の話聞かないの?見習いって呼べって言ったよね?ため息を飲み込み、審神者様を無視してこの本丸のことを思い出す。資料で見た限りでは演習も会合も参加しているみたいだったけど。やっぱり難民ならではの徘徊での無理な出撃だろうか。





「華やかな名がいいよなぁ…。そうだ、花の名なんてどうだ!?華だけに!わははは!」



「………あ、はい。」




はい、滑ってますよ?そりゃあアイススケート並みに。加州様なんて完璧にひいていますからね?何この審神者。阿呆なの?






「はあ、もう主ったら…。あ、ここが見習いの部屋だよ。」



「お、そうだった。ここはもともと空き部屋だから、好きに使ってくれ!」




「あ、どうも…。ありがとうございます。」





部屋を用意してくれるだけでもありがたいか…。ひどいところは外で寝ろ、とかあったもんなあ…。そのときは太刀を抱きしめて寝て、次の日すぐ上司に報告したな。風邪?ひいてないよ。私強すぎぃ!
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