仲直りした夜


「……なぁ、レイ」
「ん?」

 金と仲直りした日の夜。
 ぎゅうぎゅう、狭いベッドで抱き合うようにして俺達は向かい合う。
 赤はもう眠ってしまっているようだ。……あぁ、腰に巻かれた手が邪魔くさい。
 起こさないように気をつけながら寝返りを打った。

「もし……もし、何か嫌な事があったら、いつでも言ってくれ」

 至極真面目な表情で言われ、俺は軽く流す事ができなかった。
 漆黒の闇の中でも分かる――その真剣な表情。
 俺は金の頬に触れた。

「レイ……?」
「大丈夫」

 仲直りできたんだし、嫌な事あっても、大丈夫だよ。きっと。
 見えたかどうか分からないが笑ってそう言うと、金も安心したように、少しだけ笑った。

「……そうだな」

 変な事言ってごめん、お休み。
 するりと頭を撫でると金は俺に背を向けた。
 ――何だ、それだけかよ。
 でも、赤と向き合って寝るのはとても気まずいので、俺はそのまま体勢を変えずに寝る事にした。

 皆同じ方向を向いて寝てるなんて、きっと上から見たら面白いだろうな、とか思いながら。
















11-1/16





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