世界は同じようにしか回らない

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「メリークリスマス!」
「うぉ!?」
「お早う静雄」

 静雄の腹の上で笑う零。静雄は避けろともがく。
 しかし、零はただ笑っているだけだった。

「今日はクリスマスだよ、静雄!」
「ん? あぁ……そうだな」
「お仕事お休みでしょ? 一緒に外食しに行こう!」

 いまだにハッカーの仕事を辞めていない零。何がそんなに彼を執着させているのだろうか。
 ――いや、そういう事ではないのだ、と静雄は思う。だって、金なら十分なのだから。
 しかし、寝起きに首を絞めるのはどうなのか。

「……そうだな」

 仕事は本当は、休みではない。
 けれど彼の為なら――休むのも、良いだろう。
 そう、たまには。

「よし! じゃあ今日は俺の奢り!」
「……え?」
「いっぱい食うぞー!」

 大食漢に『今日は奢り』とか言われると――非常に怖い。
 いつか奢らされる日が来るのではないかと静雄は身体を起こしながら思った。

「静雄ー! 用意早くしろよ!」
「おう」

 しかしたまにはこんな日も良いのだ――何故なら今日は、クリスマスだから。
 特別な日なら、特別な事をしても良いだろう。






「静雄、静雄!」
「ん?」
「好きだよ!」
「ぶっ」

















10-12/24

(しかし……昼から寿司ってどうなのか!)


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