※ただえろいことをしてるだけ
『見せてやるよ、俺の名器』
――そんなことを口にしたから。
「ん、くっ……」
狭いシングルベッドの上、男が2人。
俺は息を詰める。力むのはあまりよくないと分かっていても、力まずにはいられない。
「く、う……っ」
「……無理すんなよ」
「分かっ、あっ!」
みし、と嫌な音が聞こえた気がした。それは、男根が秘部を割る音。
蜜が流れ出るまで解し、舐めてもらった筈なのに、と俺は涙で潤む視界の中で思う。
「しずっ……や、動か、ないでっ」
「悪い……大丈夫か?」
「入って、る?」
静雄は仰向けのまま、俺を見上げ、入ってると答えた。俺は安心する。
でも、これはまだ全部じゃない。全部をくわえ込んではいない。
重力に身を任せれば、そのそそり立つモノは全て俺の中に収まる筈なのだけれど、如何せんそんな自信がない。
言い出したのは俺だけど。
「澪士……大丈夫か?」
「ん、うん……ごめん、静雄、もう少し待って」
息をゆっくり吐き出す。とにかく力を抜かなければ。
今、必要以上に締め付けるのは、俺にとっては勿論、静雄にとってもいいことではない。
静雄も必死に堪えてくれているのが分かるから、俺だって頑張らないと。
互いに久々だから、加減がよく分からない。
「くっ……」
少しずつ腰を下ろしていく。内壁が擦れ、ずっと欲しがっていた場所が、圧倒的な質量によって満たされていくのが分かる。
覚醒と、悦楽。アドレナリン出まくり。先走りは最早隠しきれず。
「静雄……俺、イっちゃ、」
「イっとけ」
「あっ!」
それでも、何とか全て入ったようだ。静雄の手が、俺の張り詰めたソレに触れる。
触れられただけでイキそうになるが、流石にそれは恥なので、膝と腹筋に力を込めて堪える。
「お前っ……」
「な、ん……う、あ、静雄、ごめ、」
静雄が恨めしげに声を上げる。何かと思えば、どうやら俺が、腹筋に力を入れたのが堪えたようだ。
しかし内部で蜜が漏れたというよりは、更に大きくなったという印象だ。……まだでかくなんの?
「ごめ、しず……やっぱ、一緒にっ」
張り詰めたのは限界だが、それはお互い様。
俺はゆっくりと腰を浮かせ、また真っ直ぐに下ろす。
「はっ、あ、あぁっ」
俺の、甘ったるい喘ぎ声の間に、静雄の呼吸の音が聞こえる。
そうか、静雄も感じていてくれているのか――俺で。
そう思って腰を下ろすと、丁度静雄の先が俺のイイところを突き、俺は呆気なくイってしまった。
「ああっ……!」
無意識の内に締め付ける。すると、静雄も一瞬ののちにイって。
ゴムなんかさせるかと言った俺の馬鹿な提案。内側に温かいものが広がっていく。
本当はダメなことだとは知っていたが、どうしても静雄を直に感じたくて。
「んんっ……う……はぁ……」
静雄が出しきったのを感じ、俺は静雄の上に倒れ込む。
「静雄……あ、ん、」
キスをねだる。静雄の左手が、俺の尖りに触れた。
「や、くすぐったい、」
「あと2、3回付き合ってもらうからな」
「……マジですか……」
ちゅ、と触れるだけのバードキス。
中で繋がったまま、俺は静雄と位置を無理矢理入れ替えさせられたため、情けない声を上げてしまった。
「ひぁっ……」
ぐりゅ、と中を擦るような音。俺のモノからはまた蜜が溢れ出す。
今度は俺が仰向けで、静雄が上に居て、漸く正常位だった。
「……澪士の、名器だな」
「……ん?」
「壊したくなるくらい気持ちイイ」
静雄は俺の下唇を舐めると、律動を開始する準備に入る。
「ちょっ、待っ、静雄……俺まだ疲れて、あぁっ!」
――どうやら、夜はまだ長いようです。
12-7/20
ただのエロ。
冒頭の台詞が書きたかっただけです