「頭が死ぬ程痛くなるんだよ」
「偏頭痛?」

 俺の言葉の片端にも興味の無いらしい臨也は、適当に言葉を返してくる。

「……だから死にたくなるんだよな、」

 知ってるんだ、頭痛が身体によくない事くらい。
 いや、痛みなんて身体にいいわけないけど。身体のサインだから。
 ツボ……? あれとかはどうなんだろうな、ちょっと専門外だ。

「臨也構ってくれないからちょっと死んでこよう。さよなら」
「ちょっと」

 がしりといきなり手首を掴まれる。

「死ぬのは駄目」
「……お前、聞いてるのか聞いてないのかどっちだよ」
「聞いてるよ」

 返事できないだけ、と随分真面目な顔で呟く。
 もう片方の手は相変わらずキーボードの上で、でも俺の為にその片手を伸ばしてくれたのなら、もう少し此処に居てあげてもいいかなって思った。


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