「臨也、今日は仕事休みなのか?」
「うん」

 パソコンから目を上げる。

「あ、臨也、はい目薬。あんまりパソコンばっかやってちゃ駄目だよ」

 冷蔵庫を覗いて、ひょいと投げた。臨也は上手くキャッチしたらしい。
 あぁ、と言いながら上を向く臨也。

「上手くいれられない、澪士」
「……え、」
「だからこっち来て」

 手招かれる。あぁ、何となく展開が読めるぞ。
 臨也は俺を、紅いその目でじっと見つめた。

「澪士、こっち。膝の上」
「膝……? 上、って、」

 困惑しながら乗り上げる。――あれだ、絶対あれだろうなぁ。
 この体勢はマズイと思いながらも、俺は臨也を見つめ続けた。

「入れてよ」

 ――それも、有無を言わさない状態で言うから。
 だって、ここまで来ちゃったのに、今更断れるわけないじゃないか。臨也のばか。
 そこまで考えているのにもいらつく。

「……動かないでよ、」

 そう言った瞬間に、ぱちり。臨也は凄く嫌そうな顔をしている。
 あぁでもこれは、俺だけに許された特権で、いつまでも俺だけが特別なんだなと思うと嬉しかった。


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