君は共犯者
- 「愛しています」
長いドレスの裾を床に落として、かしずく。
視線の先には、愛しい人。
普段であれば、こんなに近くに居てはいけない人。
「……俺もだよ」
美しい指がこの頬を撫でる度、甘く艶やかな震えが身体の奥からはい上がってくる。
嗚呼――これ程までに愛しいと思える人が、この世界に居るなんて、知りませんでした。
笑む。感じている幸せ、嬉しさ、陽の感情を全て載せて。
「綺麗だよ」
君は本当に素晴らしい、と彼に言われた。
嗚呼、何て勿体ないお言葉……今なら死んでも構わない。
彼にはもうとっくに、命、魂の全てまでも捧げているけれど。
「イレイン」
彼に必要とされているのならばそれでいい。
それ以外のものならば要らない。
ゆっくりと目を閉じた。
これを『愛』と形容したのは誰だろう
戻る