1
母さん、おはよう
すごく清々しい朝です。
今日も1日頑張るから、見守っててください。
んじゃ、行ってきます!!
――――――――――――――――
と、家を出てから17時間30分後。
現在の時刻は午後10時
やっと練習が終わって、汗だくになった練習着を着替えていると、肩を誰かに叩かれ振り返るとそこにいたのは花井。
「栄口。ちょっといいか?」
「うん、いいよ。どうしたの?」
「ここじゃちょっとあれだから、それ着替え終わったら外出てきてくれ」
そう言ってドアの向こうに消えていく花井。
なんなんだろーな。
わざわざ外に呼び出すってことは、相当重用ってことだよな。
うわー…ドキドキしてきたぁ…
適当にアンダーを着替えて、できるだけ早く外に出た。
キョロキョロと辺りを見渡して花井の姿を見つけようとする。
えっと…
花井はどこに…
「おーい!!栄口!!」
「あ、花井!」
小走りで駆け寄っていく。
「ごめん。遅くなって。」
「いや、いいんだ。」
「それで、話って?」
「それがな…。田島がこんなもん渡してきてよ…」
花井がカバンから取り出したのは、なにやらあやしそうな、ピンク色をした液体が入ったペットボトル。
500mlのペットボトルに半分しか入っていない。
「これさ、媚薬らしいんだよ。」
「え」
[ 1/7 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]