(オデン)
※R18、下品





ひどく滑稽だ。俺の股間で、赤く大きな毛玉が動いている。それと連動して腹の奥がずんと重くなっていく。ついでに俺の脳も溶かされてるみたいで、それはばかみたいに熱い息になって俺の勝手に開いている口から出ていくし、時折喉からおかしな声も混じる。そんな俺の口から零れるものも、毛玉の方から漏れる湿った音も、何も聴きたくないのに、俺の手は後ろに倒れそうな体を支えるのに必死で使い物にならないから、誰か俺の耳を削ぎ落としてくれと願っていた。当然叶うはずもない、ここには俺と毛玉しかいないのだ。自嘲したとき、ふと、目の前でふわふわ揺れる毛玉に触りたくなった。俺は上体を支えるべく頑張って片手に力を入れて、もう片手を浮かせ、毛玉の上に置いた。感触としては、擬音を付けるならば、ぽすん、だ。押し付けた手によって一部分だけへこむ毛玉はなんだかシュールで笑えた。

「…余裕?」

笑い声に反応したのか、突然毛玉の下の本体が現れて、何を勘違いしたのか変な質問をぶつけてきた。と同時に、唾液と精液で濡れた唇をぺろりと舐められて、あまりの羞恥に目を背けた。無自覚なのが、本当に質が悪い。

「…はっ、全然?」

どちらの意味に受け取ったのかはわからないが、奴はだらしなく笑って、そっか、と俺に何か言い聞かせるように呟いて、再び顔をそこに埋めた。思わず毛玉に置きっぱなしだった手が赤を掴む。ちかちか飛びそうになる意識の中で見た奴の鮮やかなそれは、やはりひどく滑稽だった。



220413
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