(オデン)



なんとなく、オレが下なのかな、ってのはあった。けど、こいつに押し倒されんの想像したらなんかムカつくし、それに、顔立ち自体はこいつの方がかわいい系だし、いやもちろんかわいいとは微塵も思わないけど、アフロだし、まあオレに比べたらの話だ。オレも男だし、正直、好きだから抱きたいと思う。つまり、オレは下になる気なんかさらさらない。

「と、いうわけだ」
「いやー、でもねえ…」

なぜか嬉しそうな顔をしながらもオーバは悩み始める。やっぱり納得いかないらしい。何が気に入らないんだ、こんなアフロを抱きたいなんて男は早々いないだろうに。

「俺が下という事態を全く想定してなかったから」
「想定してたら引く」
「んーデンジが上かー……」

オーバはそれっきり黙り込んで、シーツの皴を睨み始めた。なんだかんだでこいつはオレに甘い。折れるまでもう一押しだな、とほくそ笑んだ、と同時に、オーバが突然顔を上げたから、思わずびくっと体が揺れた。

「いや、やっぱり!」

とか明るく言いながら、腕を掴まれて、そのまま二人して布団の上へ倒れ込んだ。オレの視界には、にっこり微笑むオーバと、天井。

「……オーバ?」
「悪い、ちょっと考えたけど、やっぱこっちがいいわ」
「ふざけんな、なんでだよ」
「だってお前普段好き勝手やってんだろ。せめてこれは俺に譲れよ」

ああくそ、今すぐ死ね、普段のオレ。捕まった腕はびくともしない、こいつこんな力あったっけか、それともオレが弱いだけか。仕方ないから唯一自由な足をばたつかせて、奴の背中を踵で攻撃した。いてっ、とか言うにもかかわらず、奴はオレの上をどこうとしない。

「なんだよっ!デンジは俺に抱かれるの嫌なのか!?」
「当たり前だ!」

返事をしたのは反射だ。男に抱かれるなんてとんでもない、とオレの本能が咄嗟に判断したのだ。オーバは相当ショックを受けたようで、今にも泣き出すんじゃないかって顔でオレを見た。それからオレの肩に額を押し付けて、弱々しい声を出した。

「なあデンジ、頼むって……絶対乱暴にしないから、抱かせて」

それがあまりにも情けないから思わず笑ってしまって、オーバがむすっとした雰囲気を隠さずに顔をあげた。

「なんだよ」
「お前、必死すぎ」
「うるせえな、しょうがないだろ。好きなんだから」

今度はその真剣さに、先程とは違う笑いが込み上げる。男に抱かれるのは御免だという気持ちは変わらないが、オレは優しいので、オーバのその素直さに免じて妥協案を出してやることにした。

「……わかった、公平にジャンケンで決めよう。勝った方が上だ」
「え?ちょっと待てって」

戸惑うオーバの目の前に手を出す。じゃーんけーん、と強引に始めると、慌てて手を出した。オレは覚悟を決めた。知っているのだ、オーバはいつも最初にグーを出す。オレが出すのは、



220228

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