(ハヤマツ)



自分から下を選んだのはマツバだった。逆だと思い込んで身構えていたハヤトは拍子抜けして、裏返った声で返事をしてしまい、マツバは笑いながらハヤトの頭に手を乗せた。

「ハヤトくんってほんとかわいいねー」
「…っ、からかうなよ!」

頭を撫でる手を払い、ハヤトはマツバの両肩を強く押した。うわ、と漏らしながら、マツバはあっさりとその場に押し倒された。これに焦ったのはハヤトの方で、顔を真っ赤にして、ごめん、と手を退けようとしたが、マツバがその手を掴んで止めた。

「なんで謝るの。それに、いいんだよ。襲ってきてくれて」

もう片方の空いた手は、ハヤトの頬をなぞり、耳を掠め、首を撫で、後頭部に回る。唇を吊り上げてやると、焦りを見せていたハヤトの目の色が変わった。それでいい、と呟き、頭を引き寄せる。初めは唇が触れるだけ、マツバがハヤトの唇を舌で割ると、ハヤトも遠慮がちに応え始めた。ハヤトが呼吸の合間に漏らす声が、マツバをぞくりと疼かせた。離れる頃には、互いに息を荒げていた。マツバは未だに呼吸を整えているハヤトを再び引き寄せ、鼻が触れる距離で、噛み付くように吐いた。

「来なよ、ハヤト」



211208
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