(オデン)
※R15くらい



あつそうだな、とデンジは思った。自分の体の上に覆い被さり律動を繰り返す男を、ぼやけた角膜を通して眺めた。寄せられた眉と握るように閉じられた瞼、開いた口から漏れる呼吸。上気した頬を汗が伝い、デンジの顔の横、シーツに染みる。それが流れた跡に、重たい手をゆるゆると伸ばして触れると、想像通りひどく熱かった。男は閉じていた目を開き、頬に触れているデンジの手を取り、なに、と尋ねた。その声が掠れていたため、デンジは思わず吹き出した。

「……っ、おまえ、エロい……」
「……は?」

意味がわからない、というように、男が顔を歪めたので、デンジはさらに笑いが止まらなくなって、シーツの上を転がり、腕で目元を隠した。どういう意味だ、なんで笑ってんだよ、と問う男の声は、ただデンジの笑いを煽るだけだった。一向に笑いが治まらないデンジに苛立ったのか、男はデンジの両腕を取り、シーツに押さえ付け、埋めていた自身を再び奥に打ち付けた、

「っ、待っ…あ、う、」

途端にデンジの口から掠れた声が溢れる。人を観察する余裕を与えない程に体を揺すり続けていると、デンジの瞼が開き、ぼんやりとした瞳と目が合った。瞬きをした瞬間に涙がこぼれ落ちる、それを拭ってやって、今度は男が笑う。

「……おまえのが、エロいっつーの」

うるさい、とでも言いたげに一瞬だけ細められた瞳だが、そのまま大人しく閉じられた、代わりに、熱い息を漏らす唇が、ばーか、と動いて、ほんの少し微笑んだ。



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