(オーバ←デンジ)
※デンジが喫煙者



まったく、環境保全ブームのこのご時世に、これはエコじゃない。コーヒーひとつにトレイは必要なのだろうか、このペラペラの紙一枚作るためにインクの無駄遣い、ミルクも砂糖も俺には必要ない、まったく、この仕様は環境に優しくない。まあ、俺この前電力の大量消費をしてあいつから文句言われた俺が言うのも違う気もしなくもない。いや、俺がこうしてコーヒーを飲まざるをえない状況を作ったのはあいつだし、灰皿を埋める吸い殻達も葉の有効活用だ、そもそも、もともとこいつらはこのために生まれて来たんだから、誰かが健康を犠牲にして処理してやらないと、そう、俺のように。悪いのはあいつ、俺は相当なエコノミスト。うん、違いない。しかし暇だと人間、ろくなことを考えないな、思いながら、灰皿に燻るフィルターを押し付けて、冷めたコーヒーを啜る。タバコはもう二本しかない。買いに行くのも面倒だ。あの野郎、吸い終わっても来なかったら帰ってやる。コーヒーをもう一口。まずい。しかしうるさい、遠い禁煙席の馬鹿騒ぎ。それにに比べてここは静かだ、愛煙家万歳。もう一口飲んで、もう一本。あーあ、これ終わったらあと一本だぞ、帰っちゃうぞ、バカアフロ。そしたらきっと慌てるだろうな、いや、もう慣れた感じで、帰るんなら連絡いれとけよー、なんて困った声で電話してくるかな。それは面白くない。決めた、来るまで待ってやろう。で、タバコも空にして、お前のせいでこれだけ俺が不健康になった、責任取れっつって新しいの買わせよう。なんかそれって違くね、とか笑いながら、きっと買ってくれんだろうな。それとも、タバコくせーのは嫌だとか言って買ってくんねーかな。まあそれはどうでもいい。とりあえず罰として、今夜は俺が寝るまで帰さねえ。絶対寝てやらねー。よし、今のうちに寝ておこう、今視界の端に赤いのが見えた気がするけど、気のせいだな、うん、違いない。俺は今から寝てやると決めたんだ。おやすみなさい、散々人を待たせやがって、くたばれこの遅刻魔。



211118
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