「おう胡桃、ちょっと来い」
がやがやしている空間で、誰よりも大きい声で私を呼んだ先を見ると、天狗のゲンさんが手招きしていた。
ゲンさんはこの神社にずっと昔から住み着いている、人間からしたら妖怪というよりも神様みたいな存在なのかもしれない。天狗だけど。

他にも呼ばれた気がしたけど、ボスであるゲンさんを優先して大丈夫だろう。
猫系の妖と取っ組み合いをしているケロちゃんを置いてゲンさんの前に座る。

「飲むか?」
「未成年だからいいや、あ、つまみは欲しい」
杯を渡してくる手を無視して勝手につまみを食べる。横からクロエが渡してくる甘い、不思議な味のつまみも手に取る。元が何とか考えたらいけないことなのだ。

「で、昨日来たら頼もうと思ってたことなんだけどよお」
珍しくゲンさん直々にお願いがあるらしい。

「なんでもレイコが帰ってきたらしい」
「ん?レイコ?誰それ?どこの妖怪?」
「いんやぁ、人間だよ。厄災と私たちから恐れられるほどのね」
「…ん?」
クロエの言葉が何だか引っかかった。アレ、ナンカキイタコトアル。

「それでよう、小物達が怯えちまって困ってんだ。…それに俺も…ほら前に話しただろ?人間の女にじゃんけんで負けて悔しい思いをしたってよお。それで、その時名前を…なんだまあ貸してやったんだよ。」
「…んん?」
ちょっともじもじした赤ら顔のゲンさんとかレアだな、あ天狗だからいつも赤ら顔だけど。
じゃなくて!ヤハリキイタコトアルゾソレ。

「でも今なら胡桃とじゃんけんもとらんぷもぐりこもやったし、あいつがまた帰って来たってんなら、次こそ勝って名を返してもらおうと思ってな」
「他にも知り合いで名を返して欲しいって言ってるやつがいるねぇ」
「…んんん?」
名を返す…ソレハツマリ…。

「そこで、だ!人間のことはまずは人間のお前に頼もうかと思ってよお。ちょっくらレイコを見に行ってみてくれねえか?なに、お前にはあいつがいつも纏わりついておるから大丈夫だろ…多分…。」
「あの…レイコってもしかして夏目レイコ?」
「お?誰かが話とったのか。そうだぞ」

どう考えても夏目友人帳でした…。



2016/11/06
今原作が手元にないのでここまで!
すごいオリキャラ祭りだし、原作キャラが1人も出ないすごい。

ちょっと人間の枠から外れつつある(いや既にがっつり外れてるか)夢主にとって、妖怪と居ることはとっても居心地がいいんじゃないかな。
他の世界より2次元に没頭せずとっても健全な世界になりそうです。
ケロちゃんとはいったい、とか、ゲンさんとの死闘、とか、神社に妖怪が集まるようになった経緯とか色々書きたいなとか思いつつ完全なオリキャラ祭りすぎて躊躇。いつか書けたらな。
多分原作キャラではにゃんこ先生と誰よりも仲良くなる。猫ほいほいだし。しょっちゅう宴会に出入りするようになるんじゃないかな。それを迎えに来る夏目とも仲良くやっていけそう。価値観の面ではぶつかりそうだけど。

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