やばい…!格好良いし、ボディ長すぎだし、テカテカしてる…!

見送りの執事達が頭を下げる中、試しの門の外につけてある黒塗りのいかにもな高級車を見て私のテンションが上がっていくのが自分でも分かる。

これだよこれ!金持ちといえばやっぱ車だよね!!いや〜、普段のお金持ち生活に慣れすぎてて忘れかけてたけどゾルディック家ってお金持ちだったね!暗殺者まじ儲かる。

「クルミ」

高級車に感動してるのは私だけで、私に一声かけてイルも父さんもさっさと乗ってしまった。私も慌ててハサムが開けてくれているドアから中に入る。
ふおお!これが高級車さんの中身なんですね…!
外見同様に黒を基調にしてまとめてあり、ソファもふかふかだし(まあ我が家のソファも普通にふかふかだけど)本当に感動。
でもこう…前の生でこんな車に乗ったことないから何とも言えないんだけど、イメージならお酒とかグラスとかをオシャレに飾ってあるだろうところに、年代物の武器とかが飾ってあるのがね…ちょっと残念でありつつもゾルディックらしくて安心というか…。

それにしても、今の私は金持ちは金持ちでもチャイニーズマフィアみたいだろうなぁ。扇子やファーがあったら更にそれっぽい。
改めて今日の服装を見てみる。赤の、太ももまで大胆に切り込みが入り手が隠れるくらい長くてゆったりとした袖の所謂チャイナドレスに、今から行く少し肌寒いという目的地に合わせて着た黒タイツにブーツ、前髪は眉上で視界は良好に、両サイドで服装に合わせた三つ編み。
完璧に完成されたチャイナ娘である。ゴージャスデリシャスデカルチャーとか歌いながら踊ってるCMに出演できるぐらい完成されている、っていうか可愛い。この世にこんなにチャイナドレスが似合う5歳児いる?って思うくらい可愛い(自画自賛)。
正直仕事にチャイナ服とか、コスプレかよっていう恥ずかしさはあるけど、母さんが選ぶ服達よりもましだからね。これならこのチャイナ服が汚れても「チャイナ服が気に入ったから」とか言って予備にあったチャイナ服を適当に選んで着ればいいから、もう母さんに仕事着で振り回されなくてすむ…!素晴らしいね!チャイナドレス!!

チャイナ服を崇めつつ、初めての高級車を余すことなく堪能していたらいつの間にかに車は空港に着いていた。

あ………れ。そういえば、初めて試しの門の外側、外の世界へ出た、んだ…。おいおいおい、ここは某エル○みたいに『生まれ〜てはじめ〜て』とか歌いだしつつ能力を使いまくるシーンばりに何かしらの感動を表そうみたいに思ってなくもなくもなかったのに…黒塗りの高級車に魅了されすぎだろ。黒塗りの高級車さんったら恐ろしいお方やわぁ。

しかしこの数分後、高級車なんかよりも凄い、自家用飛行船に更に興奮することになるのは避けられない出来事だった。


2016/09/21
車はリムジンあたりを参考にしつつふわっと書いています。タイトルは名言の一部から。

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