「あんたいっつも挑戦するよね」
「安定ばかり求めてはならぬのだよ…!人生には…人生にはスパイスが必要なんだ…!!」
「………」
「無視ダメ絶対」
「そういえば寺坂たちどこ行った?」
「唐突な話題変換。まあいいけどね」

抹茶ばななカルピソはやっぱり挑戦しすぎたな。口の中の戦争やばい。綺羅々は絶対飲んでくれないから、いつも面白がって飲んでくれる3人に今日もパスしようとしてたのに、綺羅々が言うとおり何故か今日に限って居ない…。って、もしかして今日なのかな、暗殺教室1話のあの出来事。ならあの3人のビビり顔撮っとかないと。ムービーがいいかな。充電しとかなきゃ。

「何それ挑戦してんな。一口ちょうだい」
「あ〜あげるわ。前原くんにぷれぜんとふぉーゆー」
「お、さんきゅー」
丁度よく通りかかったチャラ男前原が興味を示したから献上した。きっと彼の口内も争いが始まることだろう。南無。
しかし彼とよく一緒に居る、真のイケメンと呼ぶに相応しい磯貝くんが私たちの会話を聞きながらだんだん赤くなっていき次第には変な声をあげた。

「え、いや、それっ」
「何だよ磯貝。お前も欲しいのか」
「やっ、俺は…あの…」
完全に夫婦です。本当にありがとうございました。私の前で肩を組んで仲睦ましげに話す2人に私はにやけそうになる顔を必死に抑える。

「…はっは〜ん。なるほど。なるほど。お前もしかして鈴木と間接キス、とか考えて照れてんだろ」
「ばっちっげえし、もう行くぞ」
途中から小声になり磯貝くんの耳元で喋りだしたが完全に聞こえてんぞ前原。そんな前原の言葉に更に顔を赤くしながら大げさに反応し、続けてからかう前原の口に両手を当ててこれ以上喋れなくさせながら引きずっていく磯貝くんの耳は真っ赤だ。そういえばこの子達は中学生なんだよなあ。こういう所で照れる可愛さよ。

「…あの反応。絶対胡桃に惚れてるわね。可哀想に」
「なわけ。それより寺坂たち、何か企んでるっぽかったよね。面白いことすんのかな〜。わくてか」
「…馬鹿なことしないといいけど、ね」


2015/07/10

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