「初めまして。私が月を爆った犯人です。来年には地球も爆る予定です。君達の担任になったのでどうぞよろしく」

ちょっ、待て待て待てえい!なんか色々おかしい…!どうなってんだこりゃーよお!と、いつもの私なら言っていただろう、もちろん心の中で。
だが私は多分この世界で唯一この出来事を知っていた人間なので慌てることはない。…とか余裕ぶっこいてるが内心がくぶるですよ…!だってこいつ私より強くね?助走とかなく一瞬でマッハ20まで加速できるんでしょ?何それチート…!あ、チートとかお前に言われたくねえわってやつですね。でもなんか…こう…この人暗殺者だったんでしょ?この世界最強とか言われてた…。だから私の中のエリート暗殺者だった頃のプライドが囁くのよ…!負けたくないって…!!

なんてイケメン烏間先生…ってまだ先生じゃないのか、の説明を聞き流しながらぼーっとしつつ、目の前の地球外生命体にしか見えない愛嬌あふれる顔を見つめる。
触手…けっこうリアルだな…。なんか触手プレイを見るたびにいつでも先生のこの触手を思い出しそう。…誰得だよ。
一番最近に見た触手が出てヌルフフフなのは…アニメの舞-乙HiMEかな。あれ?舞-HiMEの方だっけ?どっちにしても女の子可愛い。

「成功報酬は百億円!」
都合の良いことは全力でキャッチすることに優れた私の耳は、烏間さんのこの一言をもちろん聞き漏らさなかった。
そんなにたくさんだったっけ…?この世に出てる漫画が全部買えるんじゃね?いや全部は無理か?でもいいな。ちょっと暗殺頑張りたくなってきた。まあやらないけどさ。
そもそもこの漫画、最後まで読んだはずなのに記憶に全くないんだよね。私の記憶力で全く覚えてないって事は、記憶消されたってこと?…誰にだよ。つか、そんなことするなら全部消しといてくれればいいのに。殺せんせーがみんなの前でこのクラスの担任になった経緯を話すとこまでしか覚えてないって…そっからはご自由にってこと?いや、何もする気はないけどさ。
この世界は殺せんせーという謎の生物が目の前に居ること以外は元の、一番初めの世界のままなんだから、満喫せずして、何が王か!とりあえず携帯依存症ばりに携帯を携帯してます。あ、こういう人を携帯依存症って言うんだった。アプリ楽しすぎか。

しかしそんな私とは違い、前情報がなくいきなり告げられた"地球を救え"とか"暗殺"とか"百億円"とかの普段の生活とはかけ離れた言葉や目の前の存在に驚きすぎて呆然としているクラスのみんなに、触手を絡ませながら目の前の生物は告げた。
「さあ皆さん、残された一年を有意義に過ごしましょう!」

もちろん!有意義なオタクライフを過ごすつもりであります!


2015/07/03
慢心王の台詞もじったあとに"久しぶりにFateしたいな…"って書こうとして気づきました。中学生だから年齢的にアウトやわ…。

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