私とイルの前には真剣な顔をした父さんとおじいちゃんと女の執事。
ん?この執事…

「さて、お前達ももう3歳。今日から暗殺に関して本格的に学んでいく」
父さんには悪いけど、女の執事が気になって話に集中できない。
あ、いや、可愛すぎて目を奪われるとかじゃないよ。リアルに目を奪うモモちゃんみたいな感じでもないよ。
なんかこの執事…どこかで見たことがある気がするんだよね…。

「剣、銃、体術、変装、爆発物、肉体操作、感情操作、知識、拷問、毒等のあらゆる分野を一流にして初めてゾルディック家の暗殺者といえる」

あ、だんだん思い出してきた…!何かこう、モノクルをかけてなくてもっとふわっとした服を着てて、『40秒で支度しな!』って言う…

っていうか今、父さん凄い事言わなかった?

難波江君の理想系であるオールAになれって言わなかった?
あれはテニスに限定するから可能であって、今父さん凄い色んな分野言わなかった?無理じゃね?それが出来たら人間じゃないよ。『俺は人間をやめるぞお!ジョジョー!』って叫べるわ。
あ、もしかしてゾルディック家の御先祖様にディオ様居るんじゃね?………何か本当に居そうで怖い。

「知識に関しては、今後も執事に渡された本を読んでいけば大丈夫だ。勉学に関しては、今後ゴトーとハサムが教えていく。あとここに居る、」
と言いながら父さんがさっきからもやもや考えてる女の執事に目をやった瞬間に思い出せた。そうだよ!
「ツボn」「○ーラだ」
天空にあるお城を巡ってどったんばったんする国民的長編アニメの登場人物のドー○だ!
はあ、スッキリした。

「…ドー○?」
あ、やっべえ声に出してた。
皆、え?みたいな顔してこっち見てるよ。ここに居る全員ジリとか見たことないんだろうなあ。てかイルのきょとんとした顔まじ可愛い。

「…○ーラみたいな顔してるなあって」
「こいつはツボネだ」
あ、スルーされるのね。
深く突っ込まれても困るけど、スルーはスルーで寂しいです。これを人はかまってちゃんと呼ぶんですね。分かります。

「ここに居るツボネにも担当してもらう」
「よろしくお願いいたします、坊っちゃん、お嬢様」
一礼して顔をあげたドーr…ツボネは値踏みをするかのようにジロジロ見てきた。執事のくせに頭が高いぞ!ってごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!調子に乗りました!赤司くんの真似をしてみたかったんです!ごめんなさい。戒めとしてどなたか私に『オヤコロ』って言いながらハサミで襲いかかって下さい。

「だが、イルミもクルミも暗殺者としての基本である、感情を顔に出さないという点に関しては文句の付け所がないくらい完璧だ。感情操作に関しては俺達から教える事はないかもしれん。」
え…………?
えっ、イルミは分かるけど、私も…?私普通に感情出してるけど。さっきもドー○って声に出しちゃっただけで超動揺したけど。えっ、どういう事?

混乱する私を置いて話は続く。
「先ずは基礎中の基礎、暗歩だな。暗歩は簡単に言えば音もなく歩く事だ。暗歩を習得したら、これからの生活のいついかなる時も暗歩を使え」
「ふむ、まあ暗歩からが妥当だの」
「じゃあ先ずやってみろ」

…あの、教科書とかありませんか?

2014/10/01
次回、秘めたるゾルディックパワーが解き放たれる…!(予定)

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