歩けるようになった事を知った父と母は大層喜び、キングサイズ級のベッドをプレゼントしてくれた。
さらばだベビーカー!

多分高いだろうベッドはふかふかで弾力も抜群。ちょっとトランポリンみたいに跳び跳ねたい衝動もあるけど、そんな事したら常に控えてる執事にビデオに納められる。あんまり前世の事は考えないようにしてるけど、前世の年齢合わせたら…いや、まだ高校生だ。セーフ?セーフだよね?ジャンプくらい…いややっぱりやめとこ。

ただ、歩けるようになって良いことばかりじゃなかった。

まずイルミと部屋が分けられた。いや、隣の部屋なんだけどね。なんかやっぱりずっと隣に居たから心細いんだよね。

それと、歩けるようになったから執事に抱っこされての移動じゃなくなった。正直ダルい。
ゾルディック家広すぎる。あと石造りの廊下怖い。蝋燭とかやめてL.E.D.にしようよ。

後は走る訓練が追加された。
『塀に沿って走って1周して来い』って父さんに言われた時は
あ、これ死んだって思った(ゾルディック家の私有地の広さ=ククルーマウンテン+樹海+α)けど、なんとか走りきれた。流石のハイスペックイルミも汗かいて息が乱れてたけどね。え?私?…ゾルディックオリティをもってして何とか切り抜けました…。
それ以降毎朝走ってたら段々慣れてきてイルミも私も息一つ乱さなくなった。前世ではマラソン大会で真ん中より下の順位だった私が…ゾル家の遺伝子まじこわい。


あ、でも部屋を分けられてから、イルミは毎朝私の部屋までわざわざ来て、一緒に日課のランニングをして、朝ごはん(毒入り)を食べて、一緒に訓練所まで行ってくれる。しかも手を握るってオプション付きで。クルミはもうメロメロです。
ハサムも後ろから着いて来ながらビデオで私達を撮る。たまには良い仕事するじゃねぇかハサム。って初めは思ってたけど、でも流石に毎朝は必要なくね?

そんな大好きなお兄ちゃんイルミですが、最近は少しだけど感情も分かるようになったよ!ふっふー
泣かないかなーって観察してたのが功を奏した感じですよ。
顔のびみょーーーうな変化や雰囲気の変化が分かるようになったんですよ!


食事中に初めて食べる毒に本当に微妙に顔をしかめるイルミ、母さんが興奮してる時にどこかうんざりした空気を出すイルミ、父さんに褒められた時に少し嬉しそうなイルミ。
他の人は気づいてないだろうイルミに気づいて、嬉しくなったり、イルミも人間なんだなあ、って安心したり。

これでコミュニケーションもばっちり!イルミ取り扱い説明書(筆者:クルミ)のページ数は増える一方です。


2014/09/23
やっと1歳くらい。

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