ブブブブブ
バイブにしていた携帯が震えるせいで手が震える。チッ、ミスが許されない作業中だってのに…!

どうでもいいやつからの電話だったら相手を殺そう…ってやだいっけなーい!クルミったらいつの間にそんな野蛮な人間になってしまったのかしら!ここは半殺しで落ち着きましょう。

一緒に作業中の相手に視線をやると許可してくれたのでその場で電話に出る。

「もしもし」
『もしもし、クルミ』
「あ、なんだイルか。何?ハンター試験の準備ならもうすぐ終わるよ」

イルミか…。
殺したら返り討ちに合う確率100%だな…。だから諦めよう。そうしよう。…テニスしたくなってきた。

『そう。…本当に針は使わな「使わない。何度も言うけど顔に針刺すとか嫌。」…ふーん。楽なのに…。ま、変装できるんだったら何でもいいよ』
「で、要件は?」

こちとら準備もクライマックスで忙しいんだけど。
相方も早く電話終わって作業に戻れって目で圧力かけてきてるんですけど!あれ、これ念も使ってんじゃないの?!まじおこなの?
取り合えず、相方にはウインクしながら舌を出して、携帯を持ってない方の手を頭にコツン☆と、所謂テヘペロポーズをして許しを乞おう。前世と違って可愛いからこんなポーズしても許されるんだよ!可愛いは正義。

え、今小声で気持ち悪って言わなかった?え…その反応本気で傷つく。

『そうそう。今さっき家から電話があってさ。キルが母さんとミルを刺して家出したんだって』

あ、イルと電話中だって忘れてた…って、え?もうそんな時期だっけ?…原作読んだのもう24年前だから結構忘れてるなあ…。

「ふーん。で?」
『見つけしだい連れ戻せってさ』
「…いや、私達はハンター試験受けるから当分無理じゃない?」
『うんそうだよね』
「…まあ、詳しい話は合流してから聞かせてよ」
『うん。じゃあザバン市で合流しよう』
「うん。じゃあね」

あれっ?でも確かキルも287期のハンター試験受けてたはず…。じゃあ会場で会う事になるのか。うん、じゃあ万事おっけーですな。
作業に戻ろう。

「ごめんね!お待たせ〜!」
「…あんた、本当に家族と話す時と私と話す時にギャップありすぎ。正直引くレベルだよ」
「え、そんなに…?」
「まあ冗談だけど。ほら手動かして。お面、まだ完成してないんだろ」
「冗談か〜!焦ったよ!お面は後はーっと…円らな瞳を書くだけですな。てか聞いてた?イルったらまた私の顔に針刺して変装する事勧めてきたんだけど!」
「ああ、そういえばそんな事言ってたね。なんで嫌なんだい?痛いのは慣れてるだろ?」
「だって…!この世には数多の魔法少女が居るけど、彼女達の中で顔に針刺して《変☆身》とか言う子居ないからね。だから断固拒否」
「なんだい、その理由…。と、こっちは出来たよ」
「やったあ!ありがとー!私も完成であります!」

完成記念にハイタッチしようとしたら避けられました…。
そして試験用に準備してた鞄ごと私を玄関まで押して行きました…。
何だよ…どんだけ早く行かせたいんだよ…。
まあ、そこで粘るのが私なんですけどね!扉を開けて早く行けって顔をしてるけど、そうはさせねーよっ!

「本当に助かりました!いきなりコレ明日までに作ってって押し掛けてごめんね!でも流石だね、完璧!本当にありがとう!!ハンター試験終わったら絶対何か奢るからね!マチ!」
「とっとと行ってこい。そして早く私を寝かせろ」

マチの家を追い出さ…いや(自主的に)出て深呼吸。
さて、原作突入だ!
でもその前に、パジャマから着替えたかったなあ…。


2014/09/23
マチと仲良くなるきっかけとかのお話は作ってますので、いつか原作前の方で。
原作沿い書きたすぎて、原作前終わってないのに始めちゃいました

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