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家へ帰り、携帯を見ると英太からメッセージが届いていた。
「さっきの、俺の勘違いじゃなければ、キサキとずっと一緒にいたいっていうのが俺の答え。 色々ありがと。」
それは、待ちわびた答え。
自然に頬がゆるんだ。
…ごめんね、英太。
騙したりして。
でも、こうでもしなきゃ英太、俺のこと意識してくれなそうだからさ。
ストーカーを装って、英太の家のポストに写真を投函するのなんて、簡単だった。
英太を送り迎えするようになってからは一層簡単になった。
英太が言ってたのはただの通行人。
本当にタイミングがよかった。
英太は前にも増して俺を頼った。
俺を信頼し、そして、意識した。
英太の性格と近しい立場を利用した卑怯な戦略。
ごめんね、英太。
でも絶対に幸せにするから。
絶対に離してなんてやらない。せっかく苦労して手に入れたんだもん。
俺は嬉々として英太への返信を送った。
<終>
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