アレゼルが目を覚ましたのは翌朝の午後だった。体は清められ、服も新しいものに変わっている所を見るにレゴラスがしてくれたのだろう。クーリンディアは先に帰っていたが、身体中に咲された花を万が一でも見られるのは恥ずかしいから助かった。ゆっくり起き上がると、レゴラスが扉をノックして水と食事を持って部屋に入ってくる。
「よかった、起きたんだね。昨日はし過ぎてしまってすまない」
「別にいいわよ。私も最後気絶しちゃったから」
「帰ったら暫く出来ないからね。そうだ、道中の事についてなんだけど」
「?」
「私がアレゼルの護衛に就くことになったから」
アレゼルは飲もうとしていた水を危うく吐き出しそうになった。今この王子はなんと言ったのだろう。護衛に就く?
「ちょ、ちょっと待って!!なんでレゴラスが私の護衛に就くの!?」
「その方が安全だろう?何かあったらすぐ守れるし、ご両親への挨拶もしなきゃいけないしね」
「それは迎えに来た時って・・・・・・」
「気が変わったんだ。それに」
耳元に口を寄せ、爽やかな甘い声で囁く。
「私はアレゼルから離れる訳にはいかないからね」
ちゅっ、と口づけを落とされアレゼルはやはりドルイニオンへ帰るのはまだ先にしようか悩んだ。
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